生活保護でも老人ホームに入れる?費用・施設の種類・探し方を実体験から解説
生活保護を受けている方や、将来的に生活保護を利用する可能性がある方でも、老人ホームへの入居を最初からあきらめる必要はありません。
生活保護を利用しながら入居できる老人ホームはあります。
ただし、ここで知っておいてほしいことがあります。
「生活保護でも入居できる」という制度上の話と、「希望する地域・介護度・予算で入居先がすぐ見つかる」という話は別です。
私は老人ホーム入居相談員として施設探しに携わってきましたが、生活保護受給者について施設へ問い合わせると、受け入れが難しかったり、施設側で受け入れ人数を調整していたりするケースがありました。
さらに、要支援など介護度が軽い方では、希望する条件によって候補がかなり限られることもあります。
実際に私自身が身近な人の施設探しに関わったときも、簡単には決まりませんでした。
その方は介護保険を初めて申請する段階で、年金は2か月で約8万円。預貯金は約700万円あり、すぐに生活保護を申請する状況ではありませんでした。
しかし、老人ホームでの生活が何年続くかは分かりません。
預貯金を取り崩しながら生活すれば、将来的に生活保護を利用する可能性も考えておく必要があります。
そこで知り合いの老人ホーム紹介センターへ、
「将来、生活保護になった場合も住み続けられることを考えて、近くで入居できる施設はないか」
と相談しました。
ところが返ってきたのは、
「要介護なら候補はあるけれど、要支援だとかなり難しい」
という回答でした。
実際に要介護認定を申請した結果は要支援1。
そこからかなり探してもらい、最終的には希望していた近所ではなく、車で約30分の場所にある特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅へ入居することができました。
この経験からも感じたのは、
ということです。
なお、生活保護は「預貯金が○万円になったら自動的に利用できる」という制度ではありません。
預貯金など利用できる資産や、年金など他制度から受けられる給付を活用したうえで、世帯の収入と国が定める最低生活費を比較して保護の要否が判断されます。
そのため、将来的に生活保護の利用を考えている場合も、自己判断だけで施設や費用計画を決めず、福祉事務所などへ相談することが大切です。
- 生活保護でも老人ホームへ入居できるのか
- 実際の施設探しが簡単ではない理由
- 生活保護で検討できる老人ホームの種類
- 年金や預貯金がある場合の考え方
- ケースワーカーやケアマネジャーへの相談方法
- 生活保護で老人ホームを探すときの注意点
生活保護でも老人ホームに入居できる?
結論として、生活保護を受給していても老人ホームへ入居することは可能です。
生活保護制度には、日常生活に必要な費用に対応する「生活扶助」、家賃などに対応する「住宅扶助」、介護サービスに対応する「介護扶助」などがあります。
介護扶助では、要介護者を対象とした施設介護などのほか、要支援者を対象とした介護予防サービスなども制度上の対象となっています。
そのため、
「生活保護だから介護サービスを利用できない」
「要支援だから生活保護の介護扶助は利用できない」
というわけではありません。
ただし、老人ホームへの入居では介護サービス費だけを考えればよいわけではありません。
施設によって家賃・食費・管理費・日用品費などが異なり、生活保護制度で認められる範囲や本人の収入との兼ね合いを確認する必要があります。
また、施設そのものの受け入れ条件もあります。
「入居できる」と「希望条件で見つかる」は別
ここは、私が入居相談員として働いていたときにも強く感じた部分です。
生活保護受給中の方について施設へ問い合わせる際は、早い段階で、
「生活保護を受給していますが、受け入れは可能でしょうか?」
と確認していました。
施設によって対応はさまざまで、生活保護受給者を受け入れている施設がある一方、受け入れが難しい施設もありました。
また、施設側の運営状況などによって、生活保護受給者の受け入れ人数を調整しているケースもあります。
そこへ、
- 要支援・要介護などの介護度
- 認知症の状態
- 必要な医療処置
- 本人が支払える費用
- 希望する地域
- 空室状況
などの条件が加わります。
条件が増えるほど、当然ながら候補になる施設は少なくなります。
特に「生活保護に対応できる」「要支援でも入居できる」「家族の近く」という条件をすべて満たそうとすると、希望地域を広げなければならないこともあります。
私が身近な人の施設を探したケースでも、近所だけでは見つからず、最終的には車で約30分まで範囲を広げました。
生活保護でも入居できる施設はあります。
しかし、
生活保護への対応 × 介護度 × 費用 × 地域 × 空室
をすべて満たす施設が、希望する場所ですぐ見つかるとは限りません。
最初から地域を狭くしすぎず、ケースワーカーやケアマジャー、施設相談員などと相談しながら探すことが大切です。
老人ホームの入居条件についてはこちらも参考にしてください。
>>「老人ホームの入居条件とは?入れる人・入れない人をわかりやすく解説」
生活保護で入居を検討できる老人ホームの種類
生活保護だからといって、選択肢が特別養護老人ホームだけになるわけではありません。
本人の介護度や認知症の有無、費用、施設側の受け入れ条件などによって、検討できる施設は変わります。
| 施設の種類 | 主な入居条件・特徴 | 生活保護で探すときのポイント |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 原則として要介護3以上。一定の要件を満たす場合は要介護1・2でも特例入所の対象となることがあります。 | 所得に応じた負担軽減制度なども含め、入居時に確認します。 |
| グループホーム | 認知症があり、原則として要支援2以上などの条件があります。 | 家賃・食費などを含め、本人の収入や利用できる扶助の範囲を確認します。 |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設によって入居条件が異なります。 | 生活保護受給者の受け入れ可否や費用を個別に確認します。 |
| 住宅型有料老人ホーム | 施設によって入居条件や利用する介護サービスが異なります。 | 月額費用と介護サービスの利用方法を含めて確認します。 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者向けの住まいで、介護サービスの提供方法は住宅によって異なります。 | 家賃等の費用、生活保護への対応、必要な介護サービスを利用できるか確認します。 |
「生活保護だからこの種類の施設なら必ず入れる」と判断しないことが大切です。
同じ種類の老人ホームでも、費用や入居条件、生活保護受給者への対応は施設によって異なります。
実際に入居できるかどうかは、担当ケースワーカーや施設へ個別に確認してください。
要支援だと施設探しが難しくなることもある
生活保護とは別に確認しておきたいのが介護度による入居条件です。
私が身近な人の施設を探したときは、紹介センターから「要介護なら候補になる施設はあるが、要支援ではかなり少ない」と言われました。
実際の認定結果は要支援1。
最終的には、かなり探してもらった末に特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅へ入居できました。
ここで注意したいのは、
「要支援の生活保護受給者は老人ホームへ入れない」という意味ではない
ということです。
要支援者も介護予防サービスなどについて介護扶助の対象となり得ます。
一方で、老人ホームにはそれぞれ入居条件があるため、介護度が軽いことで選べる施設が少なくなることがあります。
施設ごとの違いはこちらで詳しく解説しています。
生活保護で老人ホームに入る場合、費用はどうなる?
生活保護を受けて老人ホームへ入居する場合でも、「施設でかかるお金が何でも無料になる」というわけではありません。
生活保護には、生活扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助などがあり、必要に応じて適用されます。
また、年金などの収入がある場合、その収入を無視して生活保護費が上乗せされる仕組みでもありません。
生活保護は、利用できる資産や他の制度を活用したうえで、世帯の収入が国の基準で計算される最低生活費に満たない場合に、その不足分を補うことを基本とする制度です。
年金を受給していることだけを理由に、生活保護の対象外になるわけではありません。
年金も収入として扱われ、世帯の収入と最低生活費を比較して生活保護の要否や保護費が判断されます。
そのため、
「年金をもらっている=生活保護は使えない」
と自己判断しないことが大切です。
年金が少ない場合はどう考える?
私が身近な人の施設を探したケースでは、年金は2か月で約8万円でした。
1か月あたりで考えると約4万円です。
一方、当時は約700万円の預貯金があったため、すぐに生活保護を利用する状況ではありませんでした。
しかし、老人ホームでの生活は数か月で終わるとは限りません。
5年、10年と生活が続けば、施設費の支払いによって預貯金が減っていく可能性があります。
だからこそ施設を探す段階から、
「今払える施設か」だけではなく、「将来、資産状況が変わったときにも生活を続けられる施設なのか」
という視点を持っていました。
これは実際に施設探しを経験して、特に大切だと感じた部分です。
老人ホームは、一度入居すれば長く生活する可能性がある場所です。
今の預貯金だけを見て施設を決めてしまうと、数年後に支払いが難しくなり、転居を考えなければならなくなる可能性もあります。
ただし、「預貯金が○万円まで減れば生活保護を受けられる」と一律に決まっているわけではありません。
生活保護は世帯単位で行われ、収入や資産など個々の状況を踏まえて判断されます。
将来的に施設費の支払いが難しくなる可能性がある場合は、預貯金がなくなる直前まで待つのではなく、早めに福祉事務所へ相談しておくことが大切です。
老人ホームではどんな費用がかかる?
老人ホームで生活すると、介護サービス費だけでなくさまざまな費用が発生します。
| 主な費用 | 内容 |
|---|---|
| 居住にかかる費用 | 家賃や居住費など。施設の種類や契約内容によって異なります。 |
| 食費 | 施設で提供される食事にかかる費用です。 |
| 介護サービス費 | 介護保険サービスを利用した際にかかる費用です。 |
| 医療にかかる費用 | 診察や薬など、必要な医療に関する費用です。 |
| 日用品など | 衣類、日用品など生活上必要になる実費があります。 |
| その他の実費 | 理美容代など、施設や本人の利用状況によって発生します。 |
生活保護には費用の性質に応じて複数の扶助がありますが、老人ホームから請求されるすべての費用が、そのまま生活保護制度から支給されると考えないことが重要です。
たとえば介護扶助は、基本的に介護保険の保険給付の対象となるサービスと同内容とされ、介護サービスの性質上、原則としてサービスそのものを保障する現物給付で行われます。
また、介護扶助による介護サービスは、生活保護法による指定を受けた介護機関を通じて提供される仕組みがあります。
そのため、民間の老人ホームを検討するときは、
- 生活保護受給者を受け入れているか
- 毎月の施設費はいくらになるか
- 介護サービスをどのように利用する施設なのか
- 実費で必要になる費用は何か
- 将来、生活保護を利用することになった場合も継続して入居できるか
などを、施設と担当ケースワーカーへ確認しておくと安心です。
「生活保護対応と書いてあったから大丈夫だろう」と施設だけで話を進めず、制度を担当する福祉事務所にも確認しながら進めましょう。
老人ホームの費用についてはこちらも参考にしてください。
>>「老人ホームの費用はいくら?東京・埼玉・千葉の相場を施設種類別に徹底解説【2026年版】」
>>「老人ホームの費用が払えないときは?7つの対処法と利用できる制度」
ケースワーカー・ケアマネジャーは何をしてくれる?
生活保護を利用しながら老人ホームへの入居を考える場合、一人で施設を探して契約まで進めるより、関係する専門職へ早めに相談することが大切です。
特に重要なのが、担当ケースワーカーとの情報共有です。
施設が「生活保護の方も相談できます」と言っていても、実際にどの扶助がどの範囲で適用されるのかは、本人の状況によって異なります。
一方、介護サービスや本人の身体状況については、ケアマネジャーなど介護側の専門職が関わります。
| 相談先 | 主な役割 |
|---|---|
| ケースワーカー | 生活保護制度に関する相談や、本人の収入・資産・生活状況を踏まえた保護の実施に関する調整 |
| ケアマネジャー | 本人の介護状況を確認し、必要な介護サービスや生活上の課題について相談・調整 |
| 老人ホームの相談員 | 施設の入居条件や費用、生活・介護・医療体制などについて説明・調整 |
| 老人ホーム紹介サービス | 希望地域や予算、身体状況などの条件を聞き、候補となる民間施設探しや見学調整などを支援 |
| 地域包括支援センター | 高齢者の生活や介護について幅広く相談できる地域の窓口 |
施設探しでは「誰か一人に任せればいい」とは限らない
私は施設ケアマネジャーと老人ホーム入居相談員の両方を経験してきました。
その中で、ご家族・ケースワーカー・病院・施設担当者などが連携する場面を何度も見ています。
特に生活保護が関係する施設探しでは、
「介護の条件は合っているけれど費用面で難しい」
「費用面は相談できそうだが、本人の介護度では施設の入居条件に合わない」
ということもあります。
だからこそ、ケースワーカーだけ、ケアマネジャーだけ、施設だけで完結させようとせず、必要な情報をそれぞれに共有することが重要です。
私が入居相談員として施設を探していたときも、最初から生活保護受給中であることが分かっていれば、その条件を施設側へ伝えて受け入れ可能か確認していました。
後になって生活保護受給中であることが分かるより、最初から条件を共有したほうが、候補にならない施設を避けて探しやすくなります。
ケアマネジャーや地域包括支援センターについてはこちらで詳しく解説しています。
生活保護で老人ホームへ入居するまでの流れ
生活保護を利用して老人ホームへ入居する場合も、見学・面談・契約など基本的な施設入居の流れは大きく変わりません。
ただし、生活保護制度が関係するため、施設を決める前に担当ケースワーカーと費用や手続きについて確認しておくことが重要です。
- ① ケースワーカーやケアマネジャーへ相談する
- ② 介護度・身体状況・認知症・医療面などを整理する
- ③ 年金などの収入や施設にかけられる費用を確認する
- ④ 条件に合う施設を探す
- ⑤ 生活保護への対応や入居条件を施設へ確認する
- ⑥ 見学・面談を行う
- ⑦ ケースワーカーとも必要な確認・調整を行う
- ⑧ 条件が整ったら契約・入居する
最初から「近所だけ」に絞りすぎない
施設探しでは、ご家族から、
「できれば自宅から近いところがいい」
という希望を聞くことがよくあります。
もちろん、面会や通院などを考えれば近い施設には大きなメリットがあります。
ただ、生活保護への対応に加えて、介護度や予算、医療対応などの条件が重なると、近所だけでは候補が見つからないこともあります。
私が身近な人の施設を探したときも、最初は近所で探していました。
しかし、要支援1という認定結果もあり、条件に合う施設は簡単には見つかりませんでした。
最終的には範囲を広げ、車で約30分の施設へ入居しています。
これは「遠い施設を選んだほうがいい」という話ではありません。
希望地域で見つからないときに、
「もう入れる施設はない」
と諦めるのではなく、
「どの条件なら広げられるか」
を考えることが大切だということです。
たとえば、
- 車で15分から30分まで範囲を広げる
- 隣接する市区町村も候補に入れる
- 施設の種類を一つに限定しない
- 絶対に譲れない条件と、妥協できる条件を分ける
といった方法があります。
施設の空室状況は常に変わるため、一度候補がなかったからといって、その後もずっと見つからないとは限りません。
退院直前になってから探し始めると選択肢が狭くなる
入居相談員やケアマネジャーとして関わっていると、
「退院日は決まった。でも自宅へ戻るのは難しい」
という状況から施設探しが始まることがあります。
もちろん急に状況が変わることもあるので、すべてを早く準備できるわけではありません。
それでも、施設入居の可能性が見えているのであれば、早めに相談だけでも始めておくことをおすすめします。
生活保護への対応、介護度、費用、医療面、地域、空室。
確認する条件が多いほど、施設探しには時間が必要になる可能性があります。
まだ入居すると決めていなくても、相談はできます。
「いずれ自宅生活が難しくなるかもしれない」
「預貯金を取り崩していて、将来の施設費が不安」
「生活保護になった場合でも住み続けられる施設を知っておきたい」
この段階から相談しておけば、いざというときに慌てにくくなります。
老人ホームへ入居するまでの流れや空室の探し方はこちらも参考にしてください。
生活保護で老人ホームを探すときの注意点
生活保護で老人ホームを探すときも、「入居できるか」だけで施設を決めないことが大切です。
生活保護への対応、介護度、予算、地域などの条件が重なると、候補になる施設が少なくなることがあります。
そうなると、
「ここなら受け入れてくれるから決めよう」
と考えたくなるかもしれません。
もちろん、退院期限などが迫っていて、急いで施設を決めなければならないケースもあります。
それでも可能であれば、入居後にどんな生活になるのかまで確認してから決めることをおすすめします。
- 毎月かかる費用と実費
- 現在の介護度で入居できるか
- 介護度が変わっても住み続けられるか
- 認知症が進行した場合の対応
- 医療が必要になった場合の対応
- 看取りまで対応しているか
- 面会や外出のルール
- 将来、生活保護を利用する場合の対応
特に、現在は預貯金があり生活保護を受けていないものの、将来的に施設費の支払いが難しくなる可能性がある方は注意が必要です。
今の収入や預貯金で入居できるかだけではなく、将来の資産状況が変わった場合についても施設へ確認しておきましょう。
私が身近な人の施設を探したときも、まさにここを考えました。
当時は約700万円の預貯金があったため、施設費を支払うこと自体は可能でした。
しかし、年金は2か月で約8万円。
施設生活が長期間続けば、預貯金が減っていくことは十分考えられます。
だから最初から、
「将来、生活保護を利用する状況になった場合でも、この施設で生活を続けられるのか」
という条件を含めて施設を探しました。
「生活保護対応」だけで安心しない
施設へ問い合わせたときに、
「生活保護の方も受け入れています」
と言われれば、ひとまず安心すると思います。
ただ、それだけで入居できると決まるわけではありません。
私が入居相談員として施設探しをしていたときも、生活保護受給中であることを伝えたうえで、本人の状態や介護度などを含めて相談していました。
施設によっては生活保護受給者の受け入れが難しかったり、受け入れ人数を調整していたりすることもありました。
さらに、
- 介護度
- 認知症の状態
- 医療処置の有無
- 必要な介助量
- 施設の空室状況
などによっても判断は変わります。
そのため、
「生活保護対応ですか?」
だけで終わらせず、
「この人の状態で入居できますか?」
まで確認することが重要です。
見学では建物より「人」を見てほしい
私は老人ホーム入居相談員として施設見学に同行するとき、建物の新しさだけで施設を判断していませんでした。
特に見ていたのが、
職員が入居者へ自然に声をかけているか
です。
建物が新しく、設備が充実している施設でも、職員が慌ただしく動き、入居者との会話がほとんど見られないことがあります。
反対に、建物や設備は少し古くても、職員が入居者へ自然に声をかけ、穏やかな雰囲気で生活している施設もあります。
老人ホームは「住む場所」です。
毎日の生活を考えれば、建物の豪華さ以上に、
- 職員の表情
- 職員から入居者への声かけ
- 入居者の表情
- フロア全体の落ち着き
- 職員同士のやり取り
- 質問したときの職員の対応
なども重要な判断材料になります。
候補が少なくても見学する意味はある
生活保護への対応や介護度などによって候補が少なくなると、
「どうせここしかないなら、見学しても意味がない」
と思うかもしれません。
それでも私は、可能であれば見学することをおすすめします。
見学すれば、
本人がどんな場所で生活するのか
を自分の目で確認できます。
また、費用・医療対応・面会・外出・日用品・看取りなど、パンフレットだけでは分からないことを直接質問できます。
入居してから、
「こんな施設だとは思わなかった」
とならないためにも、候補が少ないときこそ確認できることは確認しておきましょう。
老人ホームを見学するときはこちらも参考にしてください。
生活保護で老人ホームへ入るときによくある質問
生活保護を受けていても、入居できる老人ホームはあります。
ただし、すべての施設が生活保護受給者を受け入れているわけではありません。
施設の費用や受け入れ条件、本人の介護度、身体状況、空室などを確認しながら探します。
最初からあきらめず、担当ケースワーカーやケアマネジャーなどへ相談しましょう。
特別養護老人ホームだけとは限りません。
本人の状態や施設側の条件などが合えば、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などが候補になる場合もあります。
ただし、生活保護への対応は施設ごとに異なるため、個別に確認が必要です。
年金を受給しているという理由だけで、生活保護の対象外になるわけではありません。
生活保護では、年金なども収入として認定されます。
そのうえで、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と世帯の収入を比較し、収入が最低生活費に満たない場合には、その差額が保護費として支給される仕組みです。
実際に生活保護の対象になるかは個々の状況によって異なるため、福祉事務所へ相談してください。
将来の生活に不安がある場合は、早めに相談しておくことが大切です。
生活保護は、利用できる資産などを活用することが前提となる制度です。
一方で、老人ホームは長期間生活する可能性があり、将来の施設費に不安を感じることもあります。
「預貯金が○万円になれば生活保護になる」と自己判断せず、生活に困る可能性がある場合は福祉事務所へ相談しておきましょう。
要支援だから一律に老人ホームへ入れないわけではありません。
ただし、老人ホームには施設ごとの入居条件があります。
私が実際に施設探しをしたケースでは、要介護であれば候補があったものの、要支援1では選択肢がかなり少なく、地域を広げて探しました。
介護度だけで判断せず、生活保護への対応、費用、本人の状態などを含めて施設へ確認しましょう。
すでに生活保護を受給している場合は、まず担当ケースワーカーへ相談するとよいでしょう。
介護サービスを利用している場合はケアマネジャーにも相談し、必要に応じて施設や老人ホーム紹介サービスなどと連携して探します。
まだ生活保護を受けておらず、将来的な生活費や施設費に不安がある場合は、生活保護の相談・申請窓口である福祉事務所へ相談できます。
希望する地域を少し広げることで候補が見つかることがあります。
隣接する市区町村まで広げたり、施設の種類を限定しすぎないようにしたりする方法があります。
私が身近な人の施設を探したケースでも、近所だけでは条件に合う施設が見つからず、最終的には車で約30分まで範囲を広げました。
まとめ|生活保護でも老人ホームは探せる。ただし早めの相談が大切
生活保護を受けているからといって、老人ホームへの入居を最初からあきらめる必要はありません。
生活保護を利用しながら入居できる老人ホームはあります。
ただし、この記事で一番伝えたいのは、
「入居できる施設がある」ことと、「希望条件ですぐに施設が見つかる」ことは別
ということです。
生活保護への対応だけでなく、
- 介護度
- 本人の身体状況
- 認知症や医療面
- 年金などの収入
- 施設にかけられる費用
- 希望する地域
- 施設の空室
など、さまざまな条件が施設探しに関係します。
私自身、年金が2か月で約8万円、預貯金が約700万円ある身近な人について、将来的に生活保護を利用する可能性まで考えて施設を探した経験があります。
要介護認定の結果は要支援1。
近所では条件に合う施設が見つからず、最終的には車で約30分まで範囲を広げ、特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅へ入居することができました。
また、入居相談員として働いていたときにも、生活保護受給者の受け入れが難しい施設や、受け入れ人数を調整している施設を見てきました。
だからこそ、
生活保護を受けている方は担当ケースワーカーへ。
介護サービスを利用している方はケアマネジャーへ。
まだ生活保護を受けていなくても、将来の生活費や施設費に不安がある場合は、福祉事務所へ相談できます。
「まだ大丈夫だから」と限界まで一人で抱え込まず、選択肢が残っているうちから相談を始めてみてください。
施設探しや費用で困っている方はこちらの記事も参考にしてください。
>>「老人ホームの費用が払えないときは?7つの対処法と利用できる制度」
>>「老人ホーム探しはどこに相談する?無料相談できる窓口を解説」
よっしーからひとこと
生活保護の方の施設探しでは、「生活保護だから入れない」と最初からあきらめてしまう必要はありません。
ただ、入居相談員として実際に施設を探していた側からすると、生活保護への対応に加えて介護度や地域などの条件が重なると、候補がかなり少なくなることもありました。
だから私は、困ってから探すより「まだ少し余裕があるうちに相談しておく」ことが大切だと思っています。
今すぐ入居を決めなくても構いません。
本人や家族がどんな生活を希望しているのかを整理するところから、少しずつ始めてみてください。
【監修・執筆】よっしー
介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。
介護現場・ケアマネ業務・老人ホーム相談の実務経験をもとに、制度だけでは見えにくい介護のリアルを、本人や家族の目線に立って分かりやすく発信しています。


