嫁
ケアマネって、結局何してる人なの?ケアプランを作る人?
よっしー
よっしー
それも大事な仕事。でも俺が施設ケアマネをしていた頃は、そんな一言じゃ説明できなかったよ(笑)。午前中ずっと風呂介助して、午後は病院付き添いで終わる日だってあったからね。

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護が必要になった本人や家族の相談を受け、必要な介護サービスや支援につなぎながら、その人の生活を一緒に考えていく専門職です。

ケアプランを作る。

介護サービス事業所と連絡を取る。

本人の状態を確認する。

家族から相談を受ける。

介護職や看護職などと情報を共有する。

どれもケアマネの大切な仕事です。

でも、私は施設ケアマネとして約5年間働いてきて、ずっと思っていました。

「ケアマネ=ケアプランを作る人」だけでは、たぶんこの仕事の半分も伝わらない。

特に施設では、利用者がすぐそばで生活しています。

電話が鳴る。

家族から相談が入る。

利用者の体調が悪くなる。

病院へ付き添う。

人手が足りなければ、介護現場へ入る。

そして夕方になって、机の上を見る。

「今日、ケアマネの書類ほとんどできてないじゃん……」

そんな日もありました(笑)。

この記事では制度上の仕事内容だけではなく、施設ケアマネとして働いた私自身の経験も交えながら、「ケアマネって、結局何をしてくれる人なの?を家族目線で解説します。

この記事でわかること
  • ケアマネジャーの主な仕事内容
  • ケアプランを作るまでに何をしているのか
  • 施設ケアマネの実際の1日のイメージ
  • ケアマネの仕事が予定どおり進まない理由
  • ケアプランや担当者会議の現場でのリアル
  • 家族はケアマネに何を相談していいのか
  • 「ケアマネって結局何してくれる人?」への私なりの答え
Contents
  1. ケアマネジャーの仕事内容は?まずは大枠を知っておこう
  2. ケアマネは「ケアプランを書く人」ではなく、生活を整理してつなぐ人
  3. でも実際の施設ケアマネは、そんなにきれいな1日じゃなかった
  4. 「ケアマネは事務所にいる人」にはなりたくなかった
  5. 受診の付き添いだけで、一日が終わることもあった
  6. 家族から介護保険の相談電話が続く日もある
  7. ケアマネなのに夜勤7回。そんな時期もあった
  8. それでも、施設ケアマネだから気づけたこともあった
  9. 結局、ケアマネは「何をしてくれる人」なのか
  10. 60人近いケアプランを、毎回ゼロから書いていたのか?
  11. 「コピペしたことがあります」を、私は隠したくない
  12. グループホームでは、また違う距離感で計画を作っていた
  13. 担当者会議って、毎回みんなが集まる立派な会議?
  14. 「家族の希望を聞く」と言っても、家族全員が細かい要望を出すわけではない
  15. 担当者会議は「会議を開いた」という事実より、中身が本人に返っているか
  16. モニタリングも「変わりありません」で終わらせない
  17. ケアプランを家族が全部理解する必要はない。でも、ここだけは見てほしい
  18. きれいなケアプランより、「本人を見て変えられるケアプラン」であってほしい
  19. ケアマネには、どこまで相談していいの?
  20. ただし、ケアマネは「何でも屋」ではない
  21. 家族が「もう限界」と言うまで待たなくていい
  22. 「親がデイサービスを嫌がる」も、そのまま相談していい
  23. ケアマネと家族の意見が違ってもいい
  24. 「ケアマネに言ったのに何もしてくれない」と感じたら
  25. 合わないケアマネを、無理に好きになる必要はない
  26. 施設ケアマネと居宅ケアマネでは、見えている景色も違う
  27. ケアマネジャーの仕事内容でよくある質問
  28. まとめ|ケアマネは「何でもやる人」でも「書類だけの人」でもない

ケアマネジャーの仕事内容は?まずは大枠を知っておこう

嫁
まず基本から教えて。ケアマネって具体的に何をしてるの?
よっしー
よっしー
ざっくり言えば、本人や家族の困りごとを聞いて、必要な支援を考えて、いろんな人をつないでいく仕事だね。

ケアマネジャーの仕事を大きく整理すると、次のようになります。

主な仕事 何をする?
相談対応 本人・家族の介護や生活上の悩みを聞く
アセスメント 本人の心身の状態や生活環境、困りごとなどを把握する
ケアプラン作成 本人の希望や課題をもとに、必要な支援を計画する
連絡・調整 介護職・看護職・医療機関・サービス事業所などと連携する
担当者との情報共有 本人への支援について専門職から意見を聞く
モニタリング 計画どおりに支援できているか、状態に変化がないか確認する
ケアプランの見直し 本人の状態や生活が変われば、必要に応じて計画を変更する

厚生労働省の基準でも、施設の計画担当介護支援専門員には、本人の状態や生活環境などを把握するアセスメント、施設サービス計画の作成、サービス担当者からの意見聴取、本人への説明と同意、計画作成後のモニタリングなどが定められています。

参考:厚生労働省|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

居宅ケアマネと施設ケアマネでは、仕事の進め方や関わるサービスが異なります。

私は施設ケアマネとして働いた期間が長いため、この記事の実体験部分は主に施設ケアマネとしての経験をもとに書いています。

制度上の基本を押さえながら、「施設では実際どうだったのか」を分けてお伝えします。

ケアマネは「ケアプランを書く人」ではなく、生活を整理してつなぐ人

ケアマネの仕事として最も知られているのが、ケアプランの作成だと思います。

でも、いきなりパソコンを開いてケアプランを書くわけではありません。

まず本人や家族の話を聞く。

今できていることを見る。

困っていることを整理する。

介護だけでなく、医療や家族の状況も確認する。

そして、

「この人がこれからどう暮らしていくために、何が必要なんだろう?」

と考えます。

そのうえで、介護職、看護職、医療機関、サービス事業所など必要な人たちと情報を共有し、支援を組み立てていきます。

厚生労働省の基準でも、施設サービス計画は本人の希望やアセスメント結果をもとに、家族の希望も勘案して作成し、作成後も継続的に状態を確認して必要に応じて変更することが求められています。

参考:厚生労働省|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について

私が家族へ説明するなら、「ケアプランを作る人」より「介護の交通整理をする人」の方が近いと思っています。

本人が何に困っているのか。

家族は何を心配しているのか。

介護職は何を感じているのか。

看護職から見て何に注意が必要なのか。

それぞれの話を聞いて、

「じゃあ、この人には何が必要なんだろう?」

と整理する。

ケアプランは、その結果を形にしたものの一つです。

でも実際の施設ケアマネは、そんなにきれいな1日じゃなかった

嫁
じゃあ朝から利用者さんの話を聞いて、ケアプラン作って、会議して……みたいな感じ?
よっしー
よっしー
そんな日もあったと思うけど(笑)。俺の場合、午前中ずっと風呂介助してる日もあったよ。午後こそ書類やるぞと思ったら、利用者さんの受診で一日終わったりね。

ここからは、制度ではなく私自身が施設ケアマネとして働いていた頃の話です。

私が勤務していた施設では、ケアマネ業務だけをしていたわけではありません。

介護現場との兼務でした。

人員換算でいえば、ケアマネ0.5、介護現場0.5という働き方をしていた時期もあります。

事務員がいれば電話対応などを任せられます。

でも、事務所に私しかいない日も珍しくありませんでした。

そんな日の午前中。

私は現場で入浴介助をしています。

電話が鳴る。

事務所へ戻る。

電話を取る。

用件を聞く。

また浴室へ戻る。

そして午後。

「よし、やっとケアマネの書類ができる」

と思って事務所へ入る。

すると、利用者の体調が悪い。

病院を受診することになり、付き添う。

診察。

検査。

薬。

施設へ戻る。

気づけば夕方です。

今日、ケアプラン触ってないじゃん。

そんなこともありました(笑)。

予定表どおりに進まないのが介護現場
施設ケアマネというと、

「事務所でケアプランを作っている人」

というイメージを持つかもしれません。

少なくとも、私が働いていた施設では違いました。

利用者はその場で生活しています。

転倒することもある。

熱が出ることもある。

急に病院へ行くこともある。

家族から電話が入ることもある。

そして現場の職員が足りなければ、介護へ入ることもありました。

予定表には書けない仕事に、一日のかなりの時間を使う。

これも私が経験した施設ケアマネの仕事でした。

「ケアマネは事務所にいる人」にはなりたくなかった

嫁
でも書類が多いなら、事務所にいた方が仕事は進むんじゃない?
よっしー
よっしー
それは間違いない(笑)。実際、自分がケアマネになってから「事務所にこもりたい気持ち」も分かった。でも俺は、利用者を見ないでケアプランを書く方が嫌だったんだよね。

私が施設ケアマネになったとき、ひとつ意識していたことがあります。

できるだけ利用者のいる場所へ行くことです。

そう思うようになったきっかけの一つが、私の前任者でした。

当時の私から見ると、前任のケアマネは事務所でパソコンに向かっている時間が長く、利用者の体調が悪くなったときにも、

「まず現場で対応して」

というスタンスに見えることがありました。

もちろん、それ自体を単純に良い・悪いとは言えません。

ケアマネになったあと、私自身も分かりました。

とにかく書類が多い。

ケアプラン。

アセスメント。

モニタリング。

会議や連絡調整に関する記録。

家族への連絡。

一つ終わったと思ったら、次があります。

現場から呼ばれるたびにパソコンを閉じていたら、書類なんて全然進みません。

自分がその立場になって初めて、

「そりゃ事務所にこもって仕事したくもなるよな……」

と思いました(笑)。

それでも、前任者の働き方を見ていた頃から私の中には一つの違和感がありました。

「施設ケアマネなのに、利用者を見ないでケアプランを作れるのかな?」

だから自分がケアマネになってからは、なるべく現場へ出るようにしていました。

利用者のところへ行く。

介護職に最近の様子を聞く。

看護職から体調を聞く。

体調不良の利用者がいれば、自分でも様子を見る。

もちろん、ケアマネが介護職や看護職の代わりになるという意味ではありません。

専門職には、それぞれの役割があります。

でも私は、

その人を見ずに、書類だけでその人の生活を考えるケアマネにはなりたくありませんでした。

皮肉なことに、現場へ出れば出るほど書類は遅れます(笑)。

利用者と話していたら30分。

体調不良があれば受診対応。

現場が足りなければ介護へ入る。

事務所へ戻ったら家族から電話。

「いつケアプラン作るんだよ……」

となる。

でも利用者を見ていると、

「最近ちょっと元気がないな」
「歩き方が変わったな」
「食堂へ来る回数が減ったな」

という、書類にはまだ出ていない変化に気づくことがあります。

ケアプランを書く時間と、ケアプランを書くためにその人を見る時間。

施設ケアマネには、私はどちらも必要だと思っています。

受診の付き添いだけで、一日が終わることもあった

施設ケアマネ時代、地味に時間を使った仕事の一つが受診対応でした。

病院へ行けば、すぐ診察してもらえるとは限りません。

待つ。

診察する。

検査する。

また待つ。

会計する。

薬を受け取る。

施設へ戻って、必要な情報を看護職や介護職へ伝える。

これだけで、かなりの時間がかかります。

受診対応でほぼ一日が終わってしまうことも何度もありました。

でも、その間にもケアマネとして必要な書類は消えません。

ケアプラン。

モニタリング。

家族への連絡。

担当者との調整。

その他の記録。

机へ戻れば、そのまま残っています。

ケアマネの仕事は、目に見えにくい仕事が多いです。

家族から見れば、

「今日は病院へ付き添ってくれた人」

かもしれません。

でも施設へ戻れば、その日の情報を共有し、必要なら支援内容を見直し、家族へ連絡する。

そして途中になっていた書類へ戻る。

一つの出来事の後ろに、いくつもの仕事がくっついている。

施設ケアマネをしていて、これはよく感じていました。

家族から介護保険の相談電話が続く日もある

嫁
家族からもそんなに電話が来るの?
よっしー
よっしー
来るよ。介護保険のことだったり、施設生活のことだったり。電話が続く日は、書類が全然進まない(笑)。

ケアマネの仕事には、本人だけでなく家族とのやり取りもあります。

介護保険について聞かれる。

本人の最近の様子を聞かれる。

今後のことを相談される。

施設での生活について確認される。

もちろん、家族にとって分からないことを相談するのは当然です。

そして、そうした不安を聞くこともケアマネにとって大切な仕事の一つです。

ただ現場では、

電話を切る。

書類を開く。

また電話が鳴る。

話す。

切る。

今度こそ書類を……。

また電話。

そんな日もあります(笑)。

「こんなことケアマネに聞いていいのかな?」と遠慮しすぎなくて大丈夫です。

ケアマネ自身が直接解決できることばかりではありません。

それでも、

「これは介護職に確認しよう」
「看護職へ相談しよう」
「施設長にも共有しよう」
「別の専門職につないだ方がいい」

と整理できることがあります。

誰に聞けばいいか分からない介護の悩みなら、まずケアマネに話してみる。

私はそれでいいと思っています。

ケアマネなのに夜勤7回。そんな時期もあった

これは、あくまで私が勤務していた施設での経験です。

現場の人手が足りない時期には、ケアマネでありながら介護職を兼務し、月に7回ほど夜勤へ入ったこともありました。

夜勤をする。

日中勤務の日が来る。

「今日はやっとケアマネ業務ができる」

と思う。

そんな日に限って急変対応が入る。

また書類が進まない。

正直、

「いつケアプラン作るんだよ……」

と思うこともありました(笑)。

施設ケアマネ全員が夜勤をするわけではありません。

ケアマネの配置や兼務の状況、業務分担は施設によって異なります。

ここで紹介しているのは、あくまで私が現場兼務で施設ケアマネとして働いていた当時の経験です。

ただ、求人を見るときや施設ケアマネとして働くことを考えている人は、

「ケアマネ専任なのか」
「介護職との兼務があるのか」
「夜勤に入る可能性があるのか」

は確認しておいた方がいいと思います。

それでも、施設ケアマネだから気づけたこともあった

嫁
聞いてると大変な話ばっかりだけど、施設ケアマネで良かったことはないの?
よっしー
よっしー
もちろんあるよ。毎日利用者さんに会えるのは大きかった。書類だけ見てたら分からない変化も、顔を見れば気づけるからね。

施設ケアマネだからこその良さもありました。

利用者に毎日のように会えることです。

いつもより元気がない。

歩く速度が少し遅い。

食堂へ来なくなった。

最近よく同じ話をする。

逆に、今日はすごく機嫌がいい。

そんな小さな変化を、本人の近くにいるから感じられます。

事務所で書類を作っていると、利用者がやってきて話し始めることもありました。

10分。

20分。

まだ話す。

気づけば1時間。

正直に言えば、仕事が山ほど残っている日は、

「そろそろ書類やらせてくれー」

と思うこともありました(笑)。

いい意味でも悪い意味でも、利用者との距離が近い。

でも、その何気ない雑談から本人の不安や希望が見えることもあります。

効率だけ考えれば困る。

ケアマネとして考えれば大事。

この両方が本音でした。

ケアプランの前に、その人の生活がある
施設ケアマネとして私が大切にしていたのは、

「書類を見る前に、人を見る」

ということでした。

もちろん書類は必要です。

期限もあります。

記録も残さなければなりません。

でもケアプランの主役は、パソコンの中にいるわけではありません。

目の前で生活している本人です。

現場へ行って、顔を見て、話をして、介護職や看護職から情報をもらう。

そこで初めて分かることもあります。

前任者を見て感じた違和感は、結果として、

「自分はどんな施設ケアマネでいたいのか」

を考えるきっかけになりました。

結局、ケアマネは「何をしてくれる人」なのか

ケアマネの仕事内容を調べれば、

アセスメント。

ケアプラン。

サービス担当者会議。

モニタリング。

連絡調整。

いろいろな言葉が出てきます。

全部必要です。

でも家族からすれば、専門用語を全部覚える必要はありません。

もし自分の母に、

「ケアマネって、結局私に何してくれる人なの?」

と聞かれたら、私はこう答えると思います。

「何に困ってるか自分でも分からなくていいから、まず話してみな。

ケアマネが全部やってくれるわけじゃない。

でも、介護なのか、医療なのか、サービスなのか、家族の問題なのか。

話を聞いて、一緒に整理して、

必要なら、その先の人につないでくれる。

そういう人だよ。」

私は、ケアマネを「何でもやってくれる人」だとは思っていません。

反対に、「ケアプランだけ作る人」でもありません。

介護で何か困ったとき、まず話をして、一緒に交通整理をしてくれる人。

家族から見たケアマネは、それくらいに覚えておくと分かりやすいと思います。

60人近いケアプランを、毎回ゼロから書いていたのか?

嫁
ケアプランって、その人専用の計画なんでしょ?じゃあ60人いたら、60人分を全部一から考えて書くの?
よっしー
よっしー
制度上はもちろん一人ひとりの状態や希望を見て作るもの。でも俺が60人近いケアプランを毎回真っ白な状態から一字一句考えていたかと言われたら……そう書いたら嘘になる(笑)。

ケアプランは、本来その人のために作るものです。

本人は何を望んでいるのか。

今できていることは何か。

何に困っているのか。

どんな支援が必要なのか。

家族は何を心配しているのか。

介護職や看護職など、本人に関わる職員はどう見ているのか。

そうした情報を整理して、本人がこれからどう暮らしていくのかを計画にしていきます。

これは大前提です。

厚生労働省の基準でも、施設サービス計画の作成では、本人の能力や置かれている環境などを評価して課題を把握し、本人の希望やアセスメントの結果、家族の希望なども踏まえて原案を作成することが定められています。

参考:厚生労働省|介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準

では、ここから現場の話をします。

私が施設ケアマネをしていた頃、60人近い利用者のケアプランを担当していた時期がありました。

60人です。

アセスメントがある。

ケアプランがある。

モニタリングがある。

状態が変われば見直す。

家族へ連絡する。

職員から情報を集める。

その間にも、先ほど書いたような現場業務や受診対応が入ります。

そんな状況で、

「私は毎回、60人全員の文章を真っ白な画面から一字一句考えて作っていました」

とは、私は書けません。

似た状態や課題の利用者では、過去の文章や定型的な表現をベースにすることもありました。

これが私の経験です。

ただし、「ケアプランはコピペでいい」という意味ではありません。

ケアプランは本人の状態や希望、課題に合わせて作るものです。

似たような介助が必要な2人でも、

歩きたい人。
転ぶのが怖い人。
家族と外出したい人。
今の生活を変えたくない人。

では、目標も支援の考え方も変わります。

文章の型を使うことと、その人を見ずに計画を作ることは別の話です。

ここは分けて考える必要があります。

「コピペしたことがあります」を、私は隠したくない

嫁
でも、それ書いちゃって大丈夫なの?「ケアマネ適当にやってたの?」って思われない?
よっしー
よっしー
そう見えるかもしれないね(笑)。でも全部きれいに書いたら、それこそ俺がこの記事でやりたくないことだから。大事なのは、文章を使い回したかじゃなくて、その人をちゃんと見て計画を変えていたかだと思う。

ここは書くかどうか、少し迷うところです。

「一人ひとりに寄り添ったケアプランを丁寧に作成していました」

そう書いた方が、きれいです。

でも、私の実際の経験とは少し違います。

施設では、同じような介護が必要になる人もいます。

食事。

入浴。

排泄。

移動。

服薬。

健康管理。

似た課題が出てくれば、ケアプランで使う表現まで毎回まったく違うものになるとは限りません。

だから、すでに作った文章をベースにすることはありました。

ただ、ここで私が大事だと思うのは、

「文章が似ているか」ではなく、「中身まで同じ人として扱っていないか」です。

たとえば、同じ「転倒リスクがある」という2人でも違います。

Aさんは、転んでもいいから自分で歩きたい。

Bさんは、一度転倒してから怖くて歩けなくなっている。

同じ「歩行不安定」という言葉だけでは、この2人の生活は見えてきません。

本人がどうしたいのか。

何を怖がっているのか。

どこまで自分でできるのか。

そこを見ないで文章だけコピーしたら、ケアプランの意味がなくなります。

文章の型より、その人を見ているか
先ほどの項目で、

「書類を見る前に、人を見る」

と書きました。

私にとっては、ここにつながります。

毎回きれいな文章を一から作ることより、

本人と話す。

現場へ行く。

介護職に聞く。

看護職に聞く。

食事の様子を見る。

歩いているところを見る。

その情報がケアプランに反映されているか。

私はそちらの方を大事にしていました。

もちろん、もっと文章まで丁寧に作る時間があれば理想です。

でも60人近い利用者を担当していた私の現実は、

「限られた時間の中で、どこに時間を使うか」

との戦いでもありました。

グループホームでは、また違う距離感で計画を作っていた

私は施設ケアマネだけでなく、グループホームで計画作成担当者として約2年間働いた経験もあります。

グループホームは、認知症のある人が共同生活を送る場です。

大人数を担当していた施設ケアマネ時代とは、利用者との距離感も違いました。

一緒に生活していると、書類には出てこないものが見えてきます。

今日は落ち着かない。

夕方になると帰りたいと言う。

料理の話をすると急に表情が変わる。

洗濯物を畳んでもらうと生き生きする。

職員が何でもやってしまうより、本人に役割がある方が落ち着く。

そういう日々の小さな情報が、計画を考える材料になります。

「認知症だから、こういうケア」ではなく、その人だから何が合うのか。

グループホームの計画作成に関わった経験からも、そこは強く感じています。

ケアプランは、きれいな文章を書くコンテストではありません。

本人が何に困っていて、

何ならできて、

何を大切にしていて、

周りがどう支えるのか。

それを関係する人たちが共有するためのものです。

だから私は、

ケアプランだけ読んで利用者を分かった気になるより、利用者を見てからケアプランを読みたい。

施設ケアマネとグループホームの計画作成、両方を経験して感じたことです。

担当者会議って、毎回みんなが集まる立派な会議?

嫁
サービス担当者会議って、本人と家族とケアマネと介護職と看護師が集まって、みんなで話し合うんでしょ?
よっしー
よっしー
教科書で見るとそんな感じだよね(笑)。でも俺が施設でやってた頃、毎回そんなに全員集合してたかって?全然そんなことなかったよ。

サービス担当者会議と聞くと、大きなテーブルを囲んで、

本人。

家族。

ケアマネ。

介護職。

看護職。

その他の専門職。

みんながそろって、じっくり話し合う。

そんな光景を想像するかもしれません。

もちろん、必要に応じて複数の職種で直接話し合うことは大切です。

ただ、少なくとも私が施設ケアマネをしていた現場では、毎回そんなにきれいに全員集合するわけではありませんでした。

特に家族です。

施設の場合、担当者会議のために毎回来所する家族ばかりではありません。

「施設のことは施設に任せます」

という家族もいました。

だから実際には、普段本人に関わっている介護職や看護職へ、

「最近どう?」

「食事は?」

「歩行は変わった?」

「夜は寝てる?」

「何か気になることある?」

と聞いて情報を集める。

必要な意見を確認して、計画へ反映する。

そんな進め方をすることもありました。

そして作成した書類は、必要な説明や手続きを行い、家族にも確認してもらっていました。

厚生労働省の施設サービス計画に関する基準でも、担当者から専門的な意見を求める方法として、サービス担当者会議の開催だけでなく、担当者への照会等も定められています。

参考:厚生労働省|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について

ここは居宅ケアマネと施設ケアマネを一緒にしない方が分かりやすいところです。

居宅介護支援では、サービス担当者会議について利用者・家族の参加を基本とし、ケアプランに位置付けたサービス事業所の担当者と情報共有や専門的意見の聴取を行う仕組みになっています。

一方、施設サービス計画では、施設内の担当者による会議や照会等を通じて専門的な意見を求めます。

同じ「ケアマネ」「担当者会議」という言葉でも、働く場所によって実際の動き方は違います。

「家族の希望を聞く」と言っても、家族全員が細かい要望を出すわけではない

ケアプランでは、本人だけでなく家族の希望も大切です。

でも実際に施設で働いていると、家族との距離感は本当にさまざまでした。

毎週のように面会へ来る家族。

細かく本人の様子を聞く家族。

何かあれば必ず連絡してほしい家族。

反対に、

「施設にお任せします」

という家族もいます。

私の経験では、60人近く担当していても、ケアプランについて毎回かなり細かな要望が出る家族は一部でした。

もちろん、要望が少ないから家族が本人を大切にしていないという意味ではありません。

施設を信頼して任せている人もいる。

遠方に住んでいる人もいる。

仕事や子育てで忙しい人もいる。

長年の介護で疲れ切っている人もいる。

家族にも、それぞれ生活があります。

だから私は、家族から要望がたくさん出ることだけが「家族の意向を聞けている証拠」ではないと思っています。

家族として、

「特に希望はありません」

と言ってはいけないわけではありません。

ただ、

「これだけは大事にしてほしい」
「本人は昔からこれが好きだった」
「これは嫌がると思う」
「家族としてここだけは心配」

ということがあれば、ぜひケアマネへ伝えてください。

家族しか知らない本人の姿は、ケアプランを考える大事な材料になります。

担当者会議は「会議を開いた」という事実より、中身が本人に返っているか

私は、担当者会議もケアプランも、書類を完成させること自体が目的ではないと思っています。

介護職から、

「最近、食事を残すことが増えた」

と聞いた。

看護職から、

「体重も少し落ちている」

と情報が出た。

本人に聞いたら、

「最近あんまり食べたくない」

と言った。

だったら、

なぜ食べられないのか。

体調なのか。

口の中なのか。

食事形態なのか。

好みなのか。

薬なのか。

ほかに原因があるのか。

必要な職種と考えていく。

そして必要なら支援を変える。

私は、これが担当者から意見を集める意味だと思っています。

厚生労働省の解釈通知でも、サービス担当者会議等は、効果的で実現可能な質の高い施設サービス計画とするため、担当者から専門的な意見を求めて調整することが重要とされています。

参考:厚生労働省|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について

会議のための会議にしない
私が施設で担当者会議をしていた頃も、

立派な会議を長時間やること

が目的だとは思っていませんでした。

介護職が知っていること。

看護職が知っていること。

本人から聞いたこと。

家族から聞いたこと。

それを集めて、

「じゃあ、この人の生活をどうする?」

につながることの方が大切です。

10人集まって何も変わらない会議より、

一人の介護職から聞いた、

「最近、この人ちょっと違いますよ」

の一言がケアを変えることだってあります。

現場にいた私にとって、担当者会議は「何人集まったか」より、そこで得た情報が本人の生活に返っているかの方が重要でした。

モニタリングも「変わりありません」で終わらせない

嫁
モニタリングって何するの?また書類?
よっしー
よっしー
書類もある(笑)。でも本来は「このケアプラン、このままで本当にいい?」って確認する作業だね。

ケアプランは、作ったら終わりではありません。

計画した支援が実際に行われているか。

本人の状態は変わっていないか。

目標は今のままでいいか。

新しい困りごとはないか。

それを継続して確認するのがモニタリングです。

施設では、本人がすぐ近くにいます。

だから私は、正式に記録する場面だけでなく、普段の生活そのものから情報を拾っていました。

廊下ですれ違う。

食堂で見る。

居室へ行く。

本人と雑談する。

介護職から話を聞く。

看護職から体調を聞く。

こうした日常の中に、ケアプランを見直すヒントがあります。

厚生労働省の施設サービス計画に関する基準でも、計画作成後は継続的に実施状況を把握し、必要に応じて計画を変更することが求められています。

家族も、

「前と変わりありませんか?」

だけで終わらせず、

「最近、食事量はどうですか?」
「歩く様子は変わっていませんか?」
「夜は眠れていますか?」
「本人は何か話していますか?」

と聞いてみると、施設での生活が見えやすくなります。

逆に、面会した家族が、

「前より歩きにくそう」
「なんか痩せた気がする」

と感じたら、それもケアマネへ伝えてください。

家族の「なんとなく変わった気がする」が、支援を見直すきっかけになることもあります。

ケアプランを家族が全部理解する必要はない。でも、ここだけは見てほしい

家族へケアプランを渡しても、正直、隅から隅まで読む人ばかりではありません。

専門的な言葉もあります。

書類も多いです。

施設へ親を預けて、

「あとはお願いします」

となる気持ちも分かります。

それでも、私は少なくとも次の部分は見てほしいと思っています。

見るところ 家族に考えてほしいこと
本人・家族の意向 本人や家族が大切にしたいこととズレていないか
生活上の課題 本人が本当に困っていることが書かれているか
目標 本人にとって意味のある目標になっているか
支援内容 誰が何を支援するのか分かるか

難しい言葉を全部理解しなくても大丈夫です。

一番簡単なのは、読んでみて、

「これ、うちのお母さんの話になってる?」

と考えることです。

もし読んでも誰のケアプランなのか分からない。

本人が大切にしていることが入っていない。

家族が伝えた心配事がまったく反映されていない。

そんなときは、ケアマネへ聞いていいと思います。

ケアプランは、ケアマネだけの書類ではありません。

分からないところがあれば、

「これはどういう意味ですか?」

「母はこう言っていたんですが、入れられますか?」

「最近状態が変わったけど、このままでいいですか?」

と聞いてください。

家族がケアプランを採点する必要はありません。

でも、

「この計画、本当にうちの親の話になってる?」

という視点は持っておいていいと思います。

きれいなケアプランより、「本人を見て変えられるケアプラン」であってほしい

私は施設ケアマネとして約5年。

そしてグループホームでは、計画作成担当者として約2年。

ケアプランや支援計画に関わってきました。

その経験から思うのは、

一度作った計画がずっと正解なんてことはないということです。

人は変わります。

歩けていた人が歩けなくなる。

反対に、リハビリや日々の生活でできることが増える。

認知症の状態が変わる。

病気になる。

家族の状況も変わる。

本人の気持ちだって変わります。

だから、ケアプランも変わっていい。

むしろ、変わらなければおかしい場面もあります。

60人近く担当して、文章を使い回したこともある。

担当者会議も、毎回家族と多職種が勢ぞろいしていたわけではない。

ここだけ切り取れば、きれいな話ではありません。

でも私は、

ケアプランをきれいに作ることより、本人を見続けること。

そして、

何か変わったときに、計画もちゃんと変えられること。

そちらの方が大切だと思っています。

書類は必要です。

制度上の手続きも必要です。

でも、その書類の向こう側には、

実際にそこで暮らしている人がいます。

それを忘れないことが、ケアマネの仕事では一番大事なんじゃないか。

私は現場でそう感じていました。

ケアマネには、どこまで相談していいの?

嫁
ケアマネさんが相談相手なのは分かったけど、どこまで相談していいの?こんなこと聞いたら迷惑かなって思いそう。
よっしー
よっしー
介護のことで「これ誰に聞けばいいの?」って迷ったら、まず話していいと思うよ。全部ケアマネがやるわけじゃないけど、誰につなぐか一緒に考えられるからね。

家族からすると、ケアマネへ何を相談していいのか分かりにくいと思います。

デイサービスのこと。

介護保険のこと。

認知症のこと。

病院のこと。

老人ホームのこと。

家族自身が疲れていること。

「これってケアマネに言う話なのかな?」

と迷うこともあるでしょう。

私は、介護や生活に関係することで、誰に相談すればいいか分からないなら、まずケアマネへ話してみていいと思っています。

ケアマネ自身が全部解決できるわけではありません。

でも、

介護職へつなぐ。

看護師へ確認する。

医療機関と連携する。

福祉用具の専門職へ相談する。

施設長へ共有する。

必要なサービスを検討する。

そうやって「誰につなぐか」を考えることもケアマネの役割です。

厚生労働省の基準でも、ケアマネは本人の状態や家族の状況などを把握し、必要なサービスを組み合わせ、事業者等との連絡調整を行うことが求められています。

参考:厚生労働省|指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準

相談するときに、話をきれいにまとめる必要はありません。

「最近なんとなく母がおかしい」

「介護がしんどくなってきた」

「このまま家で大丈夫なのか分からない」

「何を頼めばいいのか自分でも分からない」

これでも十分です。

困りごとを整理するところから一緒に考える。

それもケアマネの仕事だと私は思っています。

ただし、ケアマネは「何でも屋」ではない

嫁
じゃあ、とりあえず何でもケアマネさんにお願いすればいいの?
よっしー
よっしー
相談はしていい。でも「相談できる」と「ケアマネ本人が全部やる」は別だよ(笑)。そこは結構大事。

ここは家族にも知っておいてほしいところです。

ケアマネは、介護に関することを何でも代わりにやってくれる人ではありません。

相談を受ける。

状況を整理する。

必要な支援を考える。

関係する人やサービスにつなぐ。

これが中心です。

だから、家族が頼んだことをケアマネ自身が直接できないこともあります。

でも、私が施設ケアマネをしていた頃には、かなり幅広い相談が来ました。

「外泊したいから家まで送ってください」と言われたこともある

今でも覚えているのが、ある家族からの相談です。

利用者が外泊することになり、家族から、

「家まで車で送ってきてもらえませんか?」

と頼まれました。

正直、私の心の中では、

「いや、外泊するなら普通は家族が迎えに来るんじゃないの?(笑)」

と思いました。

ところが施設長からは、

「付き添いの費用をいただけるから、行ってきて」

と言われました。

結局、私が対応したことがあります(笑)。

相談できることと、ケアマネの仕事は同じではない
この話を、

「ケアマネに頼めば家まで送ってもらえる」

という意味で紹介しているわけではありません。

これは、私が勤務していた施設で、施設側の有料サービスとして対応した経験です。

施設や事業所によって、できること・できないことは違います。

ただ、この経験から家族に伝えたいのは、

「これって誰に頼めばいいの?」と思ったら、まず相談してみていい

ということです。

ケアマネ本人がやらなくても、

「このサービスなら対応できる」

「施設ではできない」

「家族にお願いしたい」

「別の方法を考えよう」

と整理することはできます。

相談窓口と、何でも屋は別です。

家族が「もう限界」と言うまで待たなくていい

ケアマネとして家族と話していると、かなり頑張ってから相談する人がいました。

本人が夜中に何度も起きる。

仕事へ行かなければならない。

兄弟は介護を手伝ってくれない。

認知症が進んできた。

でも、

「まだ家族で何とかできます」

と言う。

そして本当に限界が近づいてから、

「もう無理です」

と相談が来ることがあります。

私は、そこまで待たなくてもいいと思っています。

「最近ちょっとしんどい」

「この先が心配」

「まだ介護できるけど、この状態が続くのはきつい」

この段階でも相談して構いません。

施設ケアマネをしていた私は、利用者だけでなく家族の様子も気にしていました。

家族が、

「大丈夫です」

と言っていても、本当に大丈夫とは限りません。

声の感じ。

電話で話す内容。

面会に来たときの表情。

話しているうちに出てくる愚痴。

そういうところから、

「この家族、結構きついんじゃないかな」

と感じることがあります。

介護は本人だけの問題ではありません。

家族が続けられる介護なのか。

そこもケアマネに話していいことです。

「親がデイサービスを嫌がる」も、そのまま相談していい

嫁
親がデイサービス行きたくないって言ったら、ケアマネさんに何て言えばいいの?
よっしー
よっしー
そのまま「行きたがらない」でいいよ。大事なのは、そこから「なんで?」を一緒に探すことだから。

介護では、本人の言葉だけを聞いてすぐ結論を出せないことがあります。

たとえば、

「デイサービスには行きたくない」

という言葉。

本当にデイサービスそのものが嫌なのかもしれません。

でも、別の理由かもしれません。

知らない人が怖い。

朝早く起きたくない。

お風呂を人に見られたくない。

前に利用した施設が嫌だった。

自分が「介護される人」になったことを認めたくない。

理由によって対応は変わります。

だから家族が、

「母がデイサービスを拒否します。どうしたらいいですか?」

と相談することには意味があります。

ケアマネが本人や家族の話を聞き、必要ならデイサービス側とも相談して、別の方法を考えます。

「行きなさい」と説得することだけが答えではありません。

別のデイを見学する。

短時間から始める。

好きな活動があるところを探す。

利用する曜日を変える。

いったん休んでみる。

本人が嫌がっている理由が違えば、選択肢も変わります。

家族だけで説得合戦になる前に、ケアマネへ話してみてください。

ケアマネと家族の意見が違ってもいい

ケアマネが提案したサービスを、家族が必ず受け入れなければならないわけではありません。

本人が、

「デイサービスには行きたくない」

と言う。

家族は、

「お願いだから行ってほしい」

と思っている。

ケアマネは、

「このままでは家族が持たない」

と考えている。

こんなこともあります。

誰か一人が正しいとは限りません。

本人には本人の理由がある。

家族にも家族の生活がある。

ケアマネには支援者としての見方があります。

そこで、

何が嫌なのか。

家族は何が一番つらいのか。

ほかの方法はないか。

どこまでなら本人が受け入れられるか。

を探っていきます。

厚生労働省の基準でも、ケアプランは本人の希望だけでなく、アセスメント結果や家族の希望、地域のサービス提供体制などを踏まえて検討する仕組みになっています。

参考:厚生労働省|指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準

ケアマネの提案に「それはちょっと違うと思います」と言っても大丈夫です。

逆に、

「母は絶対家にいたいと言っている」

「でも家族はもう夜間介護を続けられない」

というように、本人と家族の希望がぶつかることもあります。

そんなときに、

どちらかを説得して終わりではなく、現実的な落としどころを一緒に探す。

そこもケアマネの腕の見せどころだと思います。

「ケアマネに言ったのに何もしてくれない」と感じたら

嫁
相談したのに何も変わらなかったら、「このケアマネ何もしてくれない」って思っちゃうかも。
よっしー
よっしー
それもあると思う。でもまず「どうなってます?」って聞いていいよ。調整に時間がかかってるのか、そもそも話がズレてるのか確認した方がいい。

ケアマネへ相談したからといって、すぐ希望どおりになるとは限りません。

利用したいデイサービスが満員。

ショートステイに空きがない。

本人がサービスを拒否している。

家族の希望と本人の希望が違う。

医療面の確認が必要。

サービス事業所との調整が必要。

いろいろな理由で時間がかかることがあります。

ただ、家族からすれば、何も説明がなければ、

「結局どうなったの?」

となります。

そんなときは遠慮せず、

「この前相談した件、今どうなっていますか?」

と聞いていいと思います。

ケアマネともコミュニケーションが必要
ケアマネも人です。

家族が一度話したことを、こちらが思っているほど重要な相談として受け取っていないこともあるかもしれません。

逆にケアマネ側は、

「この説明で伝わった」

と思っていても、家族には伝わっていないこともあります。

だから、

「私はここが一番困っています」

「いつ頃までに方向性を決めたいです」

「本人より、今は家族の負担が限界なんです」

と具体的に伝えてもらえると、優先順位が分かりやすくなります。

ケアマネに任せきりでも、家族だけで抱え込むでもない。

一緒に話しながら進めるのが理想だと思います。

合わないケアマネを、無理に好きになる必要はない

ケアマネも人なので、相性があります。

話しやすい人。

少し事務的な人。

提案が早い人。

慎重な人。

こまめに連絡をくれる人。

必要なときだけ連絡する人。

いろいろです。

家族が、

「この人には相談しにくいな」

と感じることもあるでしょう。

まずは、何が相談しにくいのかを整理してみてください。

話を聞いてくれない。

連絡がつかない。

説明が分からない。

自分の意見を押しつけられている気がする。

相談しても動きが見えない。

そこが分かれば、一度本人へ伝えることもできます。

それでも関係がうまくいかない場合には、事業所などへ相談する方法もあります。

私自身がケアマネとして働いていたからこそ思いますが、

家族とケアマネが何でも仲良しである必要はありません。

大切なのは、

本人のことを話せる。

困ったとき相談できる。

必要な情報が共有できる。

違う意見でも話し合える。

仕事として信頼できる関係になっているか。

そこだと思っています。

ケアマネ選びについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

ケアマネ選びで失敗しないために確認したいポイント

良いケアマネジャーの選び方と7つの特徴を解説する記事のアイキャッチ
ケアマネジャーの選び方|良いケアマネ7つの特徴と見極め方を経験者が解説良いケアマネって、どんな人でしょうか。 話をよく聞いてくれる人。 優しい人。 連絡が早い人。 もちろん、それも大...

施設ケアマネと居宅ケアマネでは、見えている景色も違う

私は施設ケアマネとして約5年間働き、グループホームでは計画作成担当者として約2年間、利用者の生活とケアプランに関わってきました。

そのため、この記事で紹介した泥臭い経験の多くは、施設で働いていた私自身の経験です。

居宅ケアマネは、自宅で生活している本人を定期的に訪問しながら、訪問介護、デイサービス、訪問看護、福祉用具など外部のサービス事業所を調整します。

一方、施設ケアマネは、本人が生活している施設の中にいます。

比較 居宅ケアマネ 施設ケアマネ
主な生活場所 本人の自宅 入居している施設
本人との関わり 訪問などで定期的に確認 日常的に顔を合わせやすい
主な調整先 地域の介護・医療サービス等 施設内の介護職・看護職等が中心
私が感じた特徴 地域全体を使って生活を組み立てる 日常の小さな変化を拾いやすい

どちらが上という話ではありません。

同じケアマネでも、働く場所によって仕事の見え方はかなり違うということです。

私は居宅ケアマネとしての実務経験より、施設ケアマネとしての経験が長いため、この記事では施設での経験を中心に紹介しています。

家で生活している方を担当する居宅ケアマネには、施設とはまた違う忙しさや難しさがあります。

この記事の体験談を「すべてのケアマネがこう働いている」と受け取らないでください。

ケアマネジャーの仕事内容でよくある質問

ケアマネジャーは直接介護をしてくれますか?

基本的に、ケアマネジャーの中心業務は相談対応、ケアプラン作成、サービス調整、モニタリングなどです。

食事・入浴・排泄などの直接介護は、主に介護職員や訪問介護員などが行います。

ただし施設によっては、私のようにケアマネと介護職を兼務している場合もあります。

ケアマネには、どんなことを相談していいですか?

介護や生活について、

「誰に聞けばいいのか分からない」

ことなら、まず相談してみて構いません。

介護サービス、認知症、家族の介護負担、退院後の生活、福祉用具、老人ホームなど幅広い相談があります。

ケアマネ自身が対応する内容でなくても、必要な専門職やサービスにつなげられる場合があります。

ケアマネに相談すると料金がかかりますか?

介護保険の居宅介護支援では、ケアプラン作成などの居宅介護支援について利用者の自己負担はありません。

ただし、施設で提供される個別の有料サービスなどは別です。

分からない費用がある場合は、担当ケアマネや事業所へ確認してください。

ケアマネに老人ホーム探しも相談できますか?

相談することはできます。

本人の状態や家族の状況を踏まえて、施設入居を検討した方がよいか一緒に考えたり、地域の施設情報を案内したりすることがあります。

ただし、ケアマネが老人ホーム紹介会社と同じように、すべての施設を比較・紹介するわけではありません。

「そろそろ施設を考えた方がいい?」という段階から相談して構いません。

ケアマネと合わない場合はどうすればいいですか?

まず、何に困っているのかを担当ケアマネへ伝えてみてください。

それでも改善が難しい場合は、所属する居宅介護支援事業所や施設の管理者などへ相談する方法があります。

大切なのは、無理に仲良くすることではなく、本人の支援について必要な話ができる関係をつくれることです。

まとめ|ケアマネは「何でもやる人」でも「書類だけの人」でもない

この記事のまとめ
  • ケアマネは本人・家族の相談を受け、必要な支援を整理・調整する専門職
  • ケアプラン作成だけでなく、アセスメント・連携・モニタリングなど仕事は幅広い
  • 施設ケアマネでは、現場兼務や受診対応など制度上の仕事内容だけでは見えない業務が入ることもある
  • ケアプランは文章のきれいさより、本人の状態や希望が反映されているかが大切
  • 担当者会議は開催すること自体より、集めた情報が本人の生活に反映されることが重要
  • 家族は「誰に相談すればいいか分からない」段階からケアマネへ相談してよい
  • ケアマネは何でも屋ではないが、必要な人やサービスへつなぐ役割がある

ケアマネジャーの仕事内容を調べると、

ケアプラン。

アセスメント。

サービス担当者会議。

モニタリング。

連絡調整。

たくさんの専門用語が出てきます。

全部、ケアマネを理解するためには必要な言葉です。

でも、家族がその言葉を全部覚える必要はありません。

私自身、施設ケアマネとして働いていた約5年間は、教科書に書かれている仕事だけをしていたわけではありませんでした。

午前中は入浴介助。

電話が鳴ったら事務所へ戻る。

午後は受診同行。

夜勤に入ったこともある。

利用者と話していたら1時間。

その間にも書類は積み上がっていく。

60人近いケアプランを抱えて、文章の型を使ったこともあります。

担当者会議だって、毎回家族と専門職が勢ぞろいするようなきれいな光景ばかりではありませんでした。

これが、私が実際に経験した施設ケアマネの一面です。

それでも、私がこの仕事で一番大事だと思っていたのは、

本人を見ること。

話を聞くこと。

困っていることを整理すること。

そして、一人では解決できないことを誰かにつなぐことです。

もし自分の母から、

「ケアマネって結局、私に何してくれる人なの?」

と聞かれたら、私はたぶんこう言います。

「何に困ってるか分からなくてもいいから、まず話してみな。全部やってくれる人じゃないけど、一緒に整理して、必要な人につないでくれるから。」

ケアマネは、介護を全部代わりにやる人ではありません。

何でも頼める便利屋でもありません。

でも、

「これからどうしたらいい?」

となったときに、一緒に考え始められる人です。

私は、それくらいの存在だと覚えてもらえたら十分だと思っています。

よっしーからひとこと

ケアマネをしていると、

「そんなことまで相談されるの?」

ということもありました(笑)。

家まで送ってほしい。

介護保険が分からない。

病院はどうしたらいい。

デイサービスに行ってくれない。

施設へ入れた方がいいのか。

家族がもう疲れた。

内容は本当にバラバラです。

でも、その相談を聞きながら、

「これは俺がやること」

「これは介護職に聞こう」

「これは看護師だな」

「これは家族ともう少し話そう」

と整理していく。

振り返ると、それがケアマネの仕事だったんだと思います。

だから家族には、

相談内容がまとまってからケアマネへ電話しよう

なんて思わなくていいと言いたいです。

むしろ、

「何から手をつければいいか分からない」

ときこそ話してみてください。

ケアマネが全部解決してくれるとは限りません。

でも、

一緒に次の一手を考えてくれるケアマネなら、頼っていい。

私はそう思っています。

【監修・執筆】よっしー

介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。
介護現場・ケアマネ業務・老人ホーム相談の実務経験をもとに、制度だけでは見えにくい介護のリアルを、本人や家族の目線に立って分かりやすく発信しています。

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