嫁
老人ホームの見学って、結局どこを見ればいいの?
よっしー
よっしー
設備や部屋も大事だけど、俺ならその周りを見るかな。職員と利用者のやり取りとか、食事中の様子とかね。
嫁
パンフレットに載っていないところを見るってこと?
よっしー
よっしー
そうそう。見学の日って、施設側も見学が来ることを知っているからね。普段より少し「よそ行きの顔」になっていることもあるよ。

老人ホームを見学すると、

「どこを見ればいいんだろう?」

「職員には何を聞けばいい?」

「きれいな施設なら安心なの?」

と迷う方も多いと思います。

パンフレットをもらい、居室を見て、食堂や浴室を案内してもらう。

料金や医療体制について説明を受ける。

もちろん、どれも大切です。

ただ、介護現場、施設ケアマネ、老人ホーム入居相談員として施設の中を見てきた私が、家族にもう一つ見てほしいのが、

「案内されたものの、その少し横にある日常」

です。

たとえば、立派な食堂を案内されたら、内装だけではなく、そこで利用者がどう過ごしているかを見る。

浴室を見せてもらえたら、浴槽の種類だけではなく、入浴前後の利用者や職員の様子も見る。

屋上庭園を案内されたら、

「きれいですね」

だけではなく、

「利用者さんは普段どのくらいここへ来るんですか?」

と聞いてみる。

老人ホーム見学では、「見せてもらっている施設」だけでなく、「そこで暮らしている利用者の日常」を見ることが大切です。

この記事では、介護現場で働いてきた経験と、施設ケアマネ・老人ホーム入居相談員として見学に関わってきた経験をもとに、老人ホーム見学で確認したい15のポイントを解説します。

この記事でわかること
  • 老人ホーム見学で確認したい15のポイント
  • 職員や利用者の様子を見るコツ
  • 食事・入浴・居室で確認したいこと
  • 設備を見るときに聞いておきたい質問
  • 見学だけでは分かりにくい部分の確認方法
  • 見学後に家族で比較するポイント

 

Contents
  1. 老人ホーム見学で確認したい15のチェックポイント
  2. ①職員のあいさつより「利用者への接し方」を見る
  3. ②利用者の「笑顔」だけではなく、普段どう過ごしているかを見る
  4. ③玄関がきれいでも、私はエアコンまで見る
  5. ④食事はメニューより「食べているところ」を見たい
  6. ⑤浴室の設備だけでなく「お風呂から出たあと」も見る
  7. ⑥居室は広さより「実際に暮らせるか」を見る
  8. ⑦トイレは「あるか」ではなく、本人が使えるかを見る
  9. ⑧レクリエーションは「多いほど良い」とは限らない
  10. ⑨立派な設備を見たら「普段どのくらい使っていますか?」と聞く
  11. ⑩職員は「何人いるか」だけではなく、どう配置されているかを見る
  12. ⑪夜間の職員体制は必ず聞いておきたい
  13. ⑫医療体制は「看護師がいる」だけでは判断しない
  14. ⑬認知症が進んだとき、どこまで対応できるか
  15. ⑭看取り・入院・退去は「まだ先の話」でも聞いておく
  16. ⑮料金は「月額○万円」ではなく、全部合わせて聞く
  17. 見学が終わったら、施設を出てすぐメモする
  18. 家族が気に入っても、本人が気に入るとは限らない
  19. 迷ったら体験入居を使う方法もある
  20. 老人ホーム見学についてよくある質問
  21. まとめ|見学では「見せてもらったもの」の半歩横を見る

老人ホーム見学で確認したい15のチェックポイント

老人ホームの見学では、確認したいことがたくさんあります。

でも、全部を細かく採点する必要はありません。

私なら、大きく次の15項目を見ます。

  1. 職員のあいさつ・利用者への接し方
  2. 利用者の表情・過ごし方
  3. 玄関・廊下・エアコンなどの清潔さ
  4. 食事の内容と食事中の様子
  5. 入浴設備と入浴前後の様子
  6. 居室の広さ・収納・使いやすさ
  7. トイレの位置と使いやすさ
  8. レクリエーションと本人の自由度
  9. 特徴的な設備が実際に使われているか
  10. 介護職員・看護職員の体制
  11. 夜間の職員体制と緊急時の対応
  12. 医療機関・主治医との連携
  13. 認知症が進行した場合の対応
  14. 看取り・入院・退去についての考え方
  15. 料金・追加費用・契約内容

 

15個もあると、

「そんなに覚えられないよ」

と思うかもしれません。

それで大丈夫です。

見学中に全部覚えておく必要はありません。

スマートフォンにメモしてもいいですし、チェックリストを印刷して持っていってもいい。

大切なのは、

設備を見て終わりにしないこと。

そして、

本人がここで朝起きて、食事をして、お風呂に入り、夜眠る姿を想像してみること。

それだけでも施設の見え方は変わります。

見学では「施設として何があるか」だけでなく、

「本人が入居したら、それを実際にどう使って暮らすのか」

まで想像してみてください。

豪華な設備より、本人にとっての使いやすさや普段の生活の方が大切なこともあります。

①職員のあいさつより「利用者への接し方」を見る

施設見学に行ったとき、

「職員が元気にあいさつしてくれた」

というのは、もちろん良い印象です。

無視されるより、気持ちよくあいさつしてもらえた方がいい。

ただ私は、あいさつだけでは施設を判断しません。

なぜなら、施設側も見学者が来ることを知っている場合が多いからです。

私が介護現場で働いていた頃も、朝礼で、

「今日は見学の方が1組来ます」

「掃除とあいさつをしっかりお願いします」

と共有されることがありました。

そして後に、自分が見学対応する立場になってからは、私自身も同じようなことを職員に伝えていました。

というか、見学の方が来ると分かっていれば、普通に言います(笑)。

せっかく施設を見に来てもらうのですから、きれいにして迎えたい。

気持ちよくあいさつしてほしい。

施設側からすれば、それほど不自然なことではありません。

だから、

「見学者へのあいさつが良かった=普段の介護も良い」

とまでは言い切れないんです。

見学の日は、施設も普段より少し「よそ行きの顔」になっていることがあります。

私なら職員が利用者に話しかける瞬間を見る

では、何を見るのか。

私なら、案内してくれる職員よりも、その周りで普段の仕事をしている職員を見ます。

利用者とすれ違ったときに声をかけているか。

利用者から呼ばれたときに、どんな返事をしているか。

介助しながら普通に会話しているか。

利用者の話を遮らずに聞いているか。

こういう何気ない場面です。

介護って、本来はこういう時間の積み重ねなんですよね。

着替える。

トイレへ行く。

食堂まで歩く。

車いすへ移る。

お茶を飲む。

その間に、

「今日は暑いね」

「昨日の野球見た?」

「お昼なんだろうね」

なんて会話がある。

特別な介護ではありません。

でも私は、そういう日常会話が自然に出ている施設の方が好きでした。

見学者に向けた「こんにちは」より、利用者に向けた何気ない一言を見る。

そこには、普段の職員と利用者の関係が出ることがあります。

見学中は案内担当者だけを見ず、廊下や食堂で働いている職員にも少し目を向けてみてください。

ただし、一人の職員の一場面だけで施設全体を判断する必要はありません。

施設全体にどんな雰囲気があるかを見るのがポイントです。

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②利用者の「笑顔」だけではなく、普段どう過ごしているかを見る

老人ホームを見学すると、利用者の表情も気になると思います。

楽しそうに話している。

笑顔が多い。

職員と冗談を言っている。

こうした様子が見られれば、家族としても安心するでしょう。

ただ、

笑顔が少ない=悪い施設

ではありません。

もともと静かに過ごすのが好きな方もいます。

認知症や体調の影響で表情が乏しい方もいます。

テレビを見ながら一人で過ごしたい方だっている。

だから私なら、

「みんな楽しそうにしているか」

より、

「それぞれが自分なりに過ごせているか」

を見ます。

食堂でテレビを見ている人。

新聞を読んでいる人。

居室へ戻る人。

職員と話している人。

何となく外を眺めている人。

老人ホームだからといって、全員が同じことをしている必要はありません。

むしろ私は、

何もしていないように見える時間も、その人にとっては普通の生活かもしれない。

と思っています。

「全員参加」が良い施設とは限らない

これはレクリエーションにもつながる話です。

老人ホームでは、

体操。

歌。

ゲーム。

季節の行事。

さまざまなレクリエーションがあります。

もちろん楽しみにしている利用者もいます。

一方で、

「今日は参加したくない」

という人もいます。

見たいテレビがある。

部屋で昼寝したい。

本を読みたい。

何となく今日は気が乗らない。

私たちだってそうですよね。

ところが施設では、日課や職員の動きの都合もあって、

「せっかくだから参加しましょう」

「みんな行きますよ」

と声をかけることがあります。

声をかけること自体が悪いわけではありません。

誘ってみたら楽しかった、ということもあります。

でも本人が、

「今日はいいよ」

と言ったときに、その選択も尊重されているか。

私はそこを大切にしたいと思っています。

「何をしてくれる施設か」だけでなく、「何もしない自由がある施設か」も見てほしい。

これは長く介護現場で働いてきて感じていることです。

③玄関がきれいでも、私はエアコンまで見る

施設見学では、建物の清潔さも確認しておきたいポイントです。

私なら、まず玄関を見ます。

玄関は利用者だけでなく、

家族。

業者。

医療関係者。

見学者。

いろいろな人が通る場所です。

靴が乱雑に置かれていないか。

不要な物が積みっぱなしになっていないか。

床が極端に汚れていないか。

こうしたところは見ておきます。

ただ、玄関は施設側も目につきやすい場所です。

見学者が来ると分かっていれば、当然掃除もします。

そこで私が意外と見るのが、

エアコンや換気口です。

これ、意外と汚れていることがあります(笑)。

床はきれい。

玄関もきれい。

でも上を見ると、エアコンの吹き出し口や換気口にホコリがたまっている。

そんな施設もありました。

だからといって、

「エアコンが汚れている!この施設はダメ!」

と判断する必要はありません。

掃除の直前だった可能性もあります。

古い設備なら、汚れて見えることもあります。

ただ、

見学用に目立つ場所だけを見るのではなく、普段あまり注目されないところも少し見る。

施設の日常的な環境整備を考える一つの材料にはなります。

  1. 玄関や靴箱の周辺
  2. 廊下の隅
  3. 手すり
  4. エアコンの吹き出し口
  5. 換気口
  6. 共用トイレや洗面台

 

全部を検査する必要はありません(笑)。

見学は清掃チェックではないからです。

でも、

「なんとなく施設全体がきれいだな」

「目立たないところまで手が入っているな」

という感覚は、実際に歩いてみないと分からないことがあります。

施設内に一時的な臭いや汚れがあっただけで、「清掃ができていない施設」と決めつける必要はありません。

排泄介助の直後など、介護施設ならではの事情もあります。

一か所だけではなく、施設全体の清潔感として見るのがおすすめです。

④食事はメニューより「食べているところ」を見たい

老人ホーム選びで、食事を気にする方は多いと思います。

毎日のことなので当然です。

献立。

味。

量。

食事形態。

治療食への対応。

こうしたことは確認しておきたいところです。

ただ、可能であれば私は、実際の食事時間の様子も見てほしいと思っています。

写真で見る食事と、実際の食事風景は違うからです。

たとえば、

利用者がどのくらいのペースで食べているか。

食事介助が必要な方に職員がどう声をかけているか。

急かされているような雰囲気はないか。

食べ終わった方はどうしているか。

職員と利用者の間に会話があるか。

こういうところです。

もちろん食事中は職員も忙しいです。

配膳。

食事介助。

服薬。

下膳。

口腔ケア。

排泄介助。

いろいろなことが重なります。

だから職員が慌ただしく動いているだけで、悪い施設とは思いません。

見るなら、

忙しい中でも、食べている本人が置いてきぼりになっていないか。

です。

食事は「料理を提供する時間」ではなく、利用者にとって毎日繰り返される生活の時間です。

見学時間を食事に合わせられるなら聞いてみる

見学時間を選べるなら、

「食事の様子を見ることはできますか?」

と相談してみてもいいと思います。

施設によって見学できる範囲は違いますが、食事前後の食堂の雰囲気だけでも分かることがあります。

また、食事そのものについても、

  1. 施設内で調理していますか?
  2. 刻み食やミキサー食などには対応できますか?
  3. 食事をあまり食べられなかった場合はどうしていますか?
  4. 嫌いなものがあった場合、代わりのものはありますか?
  5. 家族が一緒に食事をすることはできますか?

 

など、本人に関係しそうなことを聞いてみてください。

「今日の昼食は何ですか?」と聞いてみるのも意外とおすすめです。

献立表を見るだけでなく、可能なら実際の食事や食堂の様子を見ると、入居後の生活をイメージしやすくなります。

⑤浴室の設備だけでなく「お風呂から出たあと」も見る

老人ホームの見学では、浴室を案内されることがあります。

一般浴。

個浴。

リフト浴。

機械浴。

施設によって設備はさまざまです。

本人の身体状態に合った設備があるかは、もちろん重要です。

でも介護現場を知っている立場からすると、

浴槽の種類だけ見ても、実際の入浴介助までは分かりません。

可能であれば、プライバシーに配慮された範囲で、入浴時間帯の雰囲気や入浴前後の流れも見てみてください。

施設によっては、入浴を終えた利用者が脱衣所付近や廊下などで待ち、何人か順番にドライヤーをかけてもらっていることもあります。

これも、

「並んでいるから悪い施設」

という話ではありません。

入浴介助には、

服を脱ぐ。

身体を洗う。

浴槽に入る。

身体を拭く。

服を着る。

髪を乾かす。

水分を摂る。

という一連の流れがあります。

職員も複数の利用者を順番に介助しています。

だからこそ、

「立派な機械浴があります」だけではなく、その前後まで含めて本人がどう入浴するのか

を想像してほしいんです。

浴室を見るなら「何があるか」だけでなく、「本人がどう入って、どう部屋へ戻るのか」まで見る。

これだけで確認するポイントが変わります。

「週2回入浴できます」の、その先を聞く

施設見学では、

「入浴は週何回ですか?」

と聞く方が多いと思います。

それも大切です。

でも私なら、もう少し聞きます。

  1. 入浴する曜日や時間は決まっていますか?
  2. 本人がその日に入りたくないと言ったらどうしますか?
  3. 体調不良で入れなかった場合は振り替えできますか?
  4. 介護度が上がっても同じ施設で入浴できますか?

 

特に、

「今日は入りたくない」

というときの対応。

ここは意外と生活に関係します。

利用者にも、

今日は疲れた。

眠い。

見たいテレビがある。

なんとなく気分が乗らない。

という日はあります。

施設には予定がありますが、本人にも本人の予定や気分があります。

入浴回数だけでなく、

「予定どおりに入浴できなかったとき、どうするのか」

まで確認してみてください。

数字だけでは分からない、その施設の介護の考え方が見えることがあります。

⑥居室は広さより「実際に暮らせるか」を見る

モデルルームのように整えられた居室を見ると、

「きれいだな」

と思います。

でも、入居したらそこに生活用品が入ります。

ベッド。

タンス。

テレビ。

冷蔵庫。

衣類。

歩行器。

車いす。

場合によってはポータブルトイレ。

物が入ると、印象はかなり変わります。

だから居室では、単純な広さだけではなく、

本人が普段使うものを置いたあと、どう生活するか

を想像してみてください。

  1. ベッドからトイレまで移動しやすいか
  2. 車いすでも方向転換できそうか
  3. 収納は足りそうか
  4. テレビや家具を置く場所はあるか
  5. ナースコールは本人が押しやすい位置にあるか
  6. エアコンの位置や温度調整はどうなっているか

 

元気なうちは問題なくても、介護度が上がると使い方が変わることもあります。

「今の本人」だけでなく、

少し介助が増えたときにも暮らせそうか。

そこまで考えられると、居室選びで後悔しにくくなります。

⑦トイレは「あるか」ではなく、本人が使えるかを見る

居室にトイレがある。

共用トイレが近くにある。

それだけで安心してしまうことがあります。

でも大切なのは、

本人が実際に使いやすいか

です。

車いすで入れる広さがあるか。

手すりはどこにあるか。

便座まで移りやすいか。

夜中に居室から歩いて行く場合は遠すぎないか。

介助が必要になった場合、職員が一緒に入れるスペースがあるか。

こうしたところも確認してみてください。

特に今は自分でトイレへ行ける方でも、入居後ずっと同じ身体状態とは限りません。

老人ホームの設備は「今使えるか」だけでなく、「介護が必要になったときにも使えるか」で見る。

これは居室や浴室でも同じです。

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⑧レクリエーションは「多いほど良い」とは限らない

老人ホームを見学すると、

「毎日レクリエーションをしています」

「季節ごとにイベントがあります」

「外出レクも行っています」

と説明されることがあります。

レクリエーションを楽しみにしている方にとっては、大切なポイントです。

私も介護現場で、

買い物。

外食。

ドライブ。

季節の行事。

など、いろいろなレクリエーションに関わってきました。

特に外出できるレクリエーションは、楽しみにしている利用者が多かった印象があります。

普段は施設の中で生活している方が、

「久しぶりに外でご飯を食べた」

「買い物できてよかった」

と喜んでくれる。

職員としてもうれしい瞬間でした。

でも一方で、全員がレクリエーションを好きなわけではありません。

午前中は部屋でテレビを見たい。

午後は昼寝をしたい。

今日は何となく参加したくない。

そんな方もいます。

だから見学では、

「レクリエーションは週何回ありますか?」

だけでなく、

「参加したくない場合は、部屋で過ごしても大丈夫ですか?」

と聞いてみてもいいと思います。

レクリエーションの多さより、「参加する・しない」を本人が選べるか。

私はそちらも大切だと思っています。

「今日はお風呂」「今日はレク」でも、本人には本人の予定がある

介護施設では、ある程度スケジュールを決めないと仕事が回りません。

入浴する曜日。

レクリエーションの時間。

食事の時間。

体操の時間。

これはある意味、仕方のないことです。

何十人もの利用者が生活している場所なので、完全に一人ひとり好きな時間に対応するのは現実的ではありません。

でも、利用者にも本人なりの一日があります。

私が現場にいた頃も、

「10時から見たいテレビがある」

という方がいました。

でも、その時間にレクリエーションがある。

職員としては、

「せっかくだから参加しませんか?」

と誘います。

本人はテレビが見たい。

職員はレクに参加してほしい。

こんな小さなすれ違いは、介護現場では珍しくありません。

入浴も同じです。

予定では今日がお風呂。

でも本人は、

「今日は入りたくない」

と言う。

そこで、

「今日はお風呂の日だから入ってください」

だけで終わるのか。

少し時間を変えてみるのか。

理由を聞いてみるのか。

翌日に変更できるのか。

こういうところに、その施設の考え方が出ることがあります。

レクリエーションについて聞くなら、

「どんなレクがありますか?」に加えて、「参加しない方は普段どう過ごしていますか?」

と聞いてみるのがおすすめです。

本人の自由度を知るヒントになります。

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⑨立派な設備を見たら「普段どのくらい使っていますか?」と聞く

これは、老人ホーム入居相談員として家族の施設見学に関わっていた頃によく感じたことです。

なぜか何度も案内された場所があります。

屋上です。

「ここ、眺めがいいんですよ」

「利用者さんとガーデニングをしています」

「野菜も育てています」

そんな説明を聞きながら、屋上を案内してもらうことが何度もありました。

確かに、眺めのいい屋上は気持ちがいいです。

花や野菜を育てられる場所があれば、

「ここで暮らしたら楽しそうだな」

と感じる家族もいると思います。

ただ、私が見学に同行したときに、屋上で実際に利用者が過ごしている場面を見た記憶はほとんどありません。

もちろん、これは見学した時間帯や季節、天候の問題だった可能性があります。

たまたま私が行ったときに誰もいなかっただけかもしれません。

だから、

「屋上なんて実際には使っていない」

と言いたいわけではありません。

私なら、そこで一つ聞きます。

「利用者さんは、普段どのくらい屋上に来るんですか?」

ガーデニングなら、

「最近はどんなことをしましたか?」

と聞いてみてもいいでしょう。

大切なのは「設備があるか」より、その設備が利用者の日常の中で実際に使われているかです。

豪華な設備が、その人に必要とは限らない

老人ホームには、さまざまな設備があります。

屋上庭園。

カラオケルーム。

シアタールーム。

理美容室。

大浴場。

豪華なラウンジ。

見学すると、やはり目を引きます。

「すごい施設だな」

と思うこともあります。

でも、ここでも本人の生活を想像してみてください。

カラオケが嫌いな人なら、立派なカラオケルームがあってもほとんど使わないかもしれません。

大浴場があっても、身体状態によって個浴や機械浴を利用するかもしれません。

屋上庭園があっても、本人が外へ出たがらなければ使わないかもしれません。

逆に、特別な設備がなくても、

食堂で職員と話す。

天気のいい日に近所を散歩する。

好きなテレビを見る。

たまに買い物へ行く。

そういう生活の方が本人には合っていることもあります。

特徴的な設備を案内されたら、

「ありますか?」ではなく「普段どのくらい使っていますか?」

まで聞いてみてください。

利用者が実際にどう使っているのかを聞くと、パンフレットだけでは分からない日常が見えてきます。

「見せてもらった場所」の半歩横を見る

ここまで、

職員。

利用者。

玄関。

エアコン。

食事。

入浴。

レクリエーション。

設備。

と見てきました。

全部に共通しているのは、

案内されたものだけで判断しない

ということです。

玄関を案内されたら、少し上のエアコンも見る。

食堂を案内されたら、テーブルや椅子だけでなく利用者と職員を見る。

浴室を案内されたら、浴槽だけでなく入浴前後の流れを想像する。

屋上を案内されたら、景色だけでなく普段の利用状況を聞く。

老人ホーム見学では、案内された場所の「半歩横」に、その施設の日常が見えることがあります。

もちろん、粗探しをする必要はありません。

見学は施設の欠点を見つけるための時間ではないからです。

本人がそこで暮らしたらどうなるのか。

その目線で少しだけ周りを見る。

私はそれで十分だと思います。

⑩職員は「何人いるか」だけではなく、どう配置されているかを見る

老人ホームを選ぶとき、職員体制も重要です。

介護職員は何人いるのか。

看護職員はいるのか。

夜勤者は何人なのか。

こうした人数は確認しておきたいところです。

ただし、人数だけ聞いても実際の現場までは分かりません。

同じ人数でも、

施設の広さ。

フロアの数。

利用者の介護度。

認知症の方の人数。

医療的な対応が必要な方の人数。

などによって、職員の忙しさは変わります。

だから私は、

「介護職員は何人いますか?」

だけではなく、

「日中は各フロアにどのくらい職員がいますか?」

くらいまで聞いてもいいと思います。

  1. 日中はどのくらいの職員で対応していますか?
  2. 夜間は何人で対応していますか?
  3. 看護職員は何時から何時までいますか?
  4. 看護職員がいない時間帯はどう対応しますか?
  5. 職員はフロアごとに配置されていますか?

 

ここでも、人数が多ければ必ず良い施設というわけではありません。

大切なのは、

本人に必要な介護を、その体制で提供できそうか。

です。

職員同士のやり取りも意外と見える

見学中に職員同士の様子が見えることもあります。

「○○さん、お願いできますか?」

「こっちはやっておくよ」

と自然に声をかけ合っている。

困っている職員がいたら、別の職員が手伝う。

こういう場面を見ると、普段の連携を少し感じることがあります。

逆に、職員同士で意見がぶつかることも介護現場ではあります。

介護職と看護職で考え方が違うこともあります。

だから、

「職員同士が仲良さそうだから良い施設」

と単純には言えません。

ただ、

必要なときに職員同士で声をかけられる空気があるか。

これは見学中に少し見ておいてもいいと思います。

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⑪夜間の職員体制は必ず聞いておきたい

施設見学は、ほとんどが日中です。

私が老人ホーム入居相談員として見学に関わっていた頃も、午前なら10時頃、午後なら14時頃など、日中に見学することが多くありました。

この時間帯なら、

介護職員。

看護職員。

生活相談員。

施設長。

事務職員。

など、比較的人がいることがあります。

でも老人ホームは24時間生活する場所です。

夜になれば、施設の状況は変わります。

職員の人数も少なくなります。

看護職員が夜間はいない施設もあります。

だから私は、

昼間の施設を見学したら、必ず「夜はどうなりますか?」と聞いてほしいと思っています。

  1. 夜勤者は何人いますか?
  2. 夜間は何人くらいの利用者を担当しますか?
  3. 看護職員は夜間もいますか?
  4. 看護職員がいない場合、急変時は誰に連絡しますか?
  5. 夜間に救急搬送が必要になった場合はどう対応しますか?

 

こうしたことは、入居してから初めて知るより、見学時に聞いておいた方が安心です。

夜勤は昼間とは別の忙しさがある

私自身、介護職として夜勤も経験してきました。

夜勤中は、

ナースコール。

排泄介助。

巡視。

眠れない利用者への対応。

転倒。

急な体調変化。

など、いろいろなことが起こります。

何もなければ比較的落ち着いている時間もあります。

でも一人の利用者に急変が起きれば、一気に状況が変わることもあります。

夜間は昼間より職員が少ない分、一つの出来事が現場全体に与える影響も大きくなります。

だから、

「夜勤者○人」

という数字だけでなく、

夜間に何か起きたとき、どういう体制で対応するのか

まで確認しておくと安心です。

夜間については、

「何人いますか?」+「急変したらどうしますか?」

をセットで聞くのがおすすめです。

人数だけでは分からない、施設の夜間対応が見えやすくなります。

⑫医療体制は「看護師がいる」だけでは判断しない

持病がある方や医療的な対応が必要な方にとって、施設の医療体制は重要です。

見学では、

「看護師さんはいますか?」

と聞く方も多いと思います。

ただ、

「看護師がいる=24時間いつでも対応できる」ではありません。

日中だけ勤務している施設もあります。

夜間はオンコール対応の施設もあります。

医療機関との連携方法も施設によって違います。

だから、本人に持病や医療処置がある場合は、できるだけ具体的に確認してください。

  1. 看護職員は何時から何時まで勤務していますか?
  2. 夜間の医療相談はどうしていますか?
  3. 協力医療機関はどこですか?
  4. 普段の診察はどのように受けますか?
  5. 通院が必要になった場合、誰が付き添いますか?
  6. 本人に必要な医療処置へ対応できますか?

 

特に最後は大切です。

「医療対応できますか?」

という大きな質問より、

本人が今受けている処置や治療を具体的に伝えて確認する。

その方が施設側も答えやすくなります。

「今は大丈夫」でも状態は変わる

高齢者の身体状態は変化します。

入居時には必要なかった医療的な対応が、数年後には必要になることもあります。

だから、

「今の状態なら入れますか?」

だけではなく、

「状態が変わった場合、どこまで対応できますか?」

まで聞いてみてください。

これは施設ケアマネとしても、老人ホーム入居相談員としても、何度も感じてきたことです。

入居できるかどうかだけに目が向くと、

入居したあとの変化

を忘れやすいんです。

老人ホームは、入居する日だけを過ごす場所ではありません。

数年暮らす可能性もあります。

その間に介護度が上がる。

認知症が進む。

食事が摂りにくくなる。

医療的な対応が増える。

そうした変化もあり得ます。

「今入れるか」と一緒に、「状態が変わっても暮らし続けられるか」を確認する。

これは施設選びでかなり大切なポイントです。

本人に持病や医療処置がある場合は、見学前に簡単に整理しておくと質問しやすくなります。

病名だけでなく、服薬・通院・医療処置など、現在行っていることを施設側へ伝えて確認してみてください。

「老人ホームで看取りはできる?最期まで暮らせる施設の選び方」

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⑬認知症が進んだとき、どこまで対応できるか

老人ホームを見学するとき、

「認知症の方も入居できますか?」

と聞く家族は多いと思います。

ただ、この質問だけでは少し足りません。

認知症といっても、症状は人によって違います。

物忘れが中心の方もいれば、

何度も同じことを聞く。

夜に眠れない。

歩き回る。

帰宅しようとする。

ほかの利用者とのトラブルが増える。

といった変化が出ることもあります。

だから見学では、

「認知症の方を受け入れていますか?」ではなく、「症状が変わったとき、どう対応しますか?」

まで聞いてみてください。

  1. 認知症の症状が進んでも住み続けられますか?
  2. 夜眠れない場合はどう対応していますか?
  3. 何度も歩き回る方にはどう対応しますか?
  4. 利用者同士のトラブルがあった場合はどうしますか?
  5. 認知症の症状で対応が難しくなるのはどんな場合ですか?

 

ここで大切なのは、

「全部大丈夫です」

という言葉をもらうことではありません。

施設にも、できることとできないことがあります。

認知症に対応できる施設かどうかより、「どこまでなら対応できるのか」を具体的に説明してくれるかを見る。

私はその方が大切だと思っています。

認知症の方ほど「本人の普段」を伝えてほしい

認知症のある方の場合、

施設側から見ると、入居前の短い面談だけでは本人のことをすべて知ることはできません。

だから家族から、

「昔はこういう仕事をしていました」

「夕方になると家へ帰ろうとすることがあります」

「この話をすると落ち着きます」

「テレビで野球を見るのが好きです」

といった情報を伝えておくことにも意味があります。

介護の現場では、

その人を知っているだけで対応が変わることがあります。

ただ「認知症の利用者」と見るのではなく、

その人がどんな生活をしてきた人なのか。

何が好きなのか。

何が苦手なのか。

そこまで分かっている方が、職員も関わりやすくなります。

認知症のある方の見学では、症状だけでなく本人の生活歴や好きなことも施設へ伝えてみてください。

「この人はどんな人か」を知ってもらうことも、入居後のケアにつながります。

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⑭看取り・入院・退去は「まだ先の話」でも聞いておく

元気なうちに老人ホームを見学していると、

「看取り」

「入院」

「退去」

といった話は、できれば考えたくないかもしれません。

でも老人ホームは、長く生活する可能性がある場所です。

今は歩けていても、数年後には車いすになるかもしれない。

今は普通に食事ができても、食べにくくなることもあります。

入院することもあります。

だから見学では、

「今入れるか」だけでなく、「状態が変わったときどうなるか」

まで聞いておいてほしいと思います。

  1. 介護度が上がっても住み続けられますか?
  2. 入院した場合、居室はどうなりますか?
  3. 長期入院になった場合の扱いはどうなりますか?
  4. 施設で対応できなくなるのはどんな状態ですか?
  5. 看取りには対応していますか?
  6. 最期が近づいた場合、家族はどのように関われますか?

 

このあたりは、少し聞きにくいと思います。

でも、施設側からすれば特別おかしな質問ではありません。

むしろ、

「できれば最期までここで暮らしてほしい」

と思っているなら、入居前に聞いておいた方がいい。

老人ホームを選ぶときは、「入居できる施設」だけでなく、「その後も暮らし続けられそうな施設か」を見る。

これも大切です。

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入院したら「施設代はどうなる?」まで聞いていい

入院については、家族からすると医療面ばかり気になります。

でも現実には、お金の問題もあります。

入院中も家賃などが必要なのか。

食費はどうなるのか。

居室をどのくらい確保してもらえるのか。

退院したときに、そのまま施設へ戻れるのか。

こうしたことは施設によって違います。

だから見学の段階で、

「入院した場合、費用や居室はどうなりますか?」

と聞いておいて構いません。

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⑮料金は「月額○万円」ではなく、全部合わせて聞く

老人ホーム見学で、最後まで曖昧にしてはいけないのが費用です。

パンフレットには、

「月額15万円」

「前払金0円」

など、分かりやすい数字が書かれていることがあります。

ただ、実際に毎月必要になる金額は、それだけとは限りません。

介護保険の自己負担。

医療費。

薬代。

おむつ代。

日用品。

理美容。

通院付き添い。

有料サービス。

本人によって必要なものは変わります。

だから私は、入居相談員として施設へ確認するときも、

「この方の場合、全部合わせると月にどのくらいになりますか?」

と、できるだけ具体的に聞くようにしていました。

  1. 家賃・管理費・食費はいくらですか?
  2. 介護保険の自己負担を含めるといくらですか?
  3. おむつや日用品は別料金ですか?
  4. 通院付き添いなど有料になるサービスはありますか?
  5. 要介護度が変わると料金も変わりますか?
  6. 入院した場合にも必要な費用はありますか?

 

料金について細かく聞くことを、

「失礼かな」

と思う必要はありません。

老人ホームは、毎月支払いが続く生活の場です。

分からないまま契約するより、しつこいと思われるくらい確認した方がいい。

私はそう思っています。

料金表を見ても分かりにくい場合は、

「本人の現在の要介護度・状態なら、月額総額はいくらくらいですか?」

と聞いてみてください。

家族が実際に用意する金額をイメージしやすくなります。

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「空室あと1室です」と言われても、確認する時間は必要

老人ホームでは、

「空室があと1室しかありません」

と言われることがあります。

これは営業トークとは限りません。

本当に残り1室ということもあります。

特に条件の良い施設なら、見学したあとすぐ別の家族が申し込むこともあります。

だから、

「残り1室と言われた=怪しい施設」

とは思いません。

ただし、

料金。

医療体制。

退去条件。

本人の希望。

こうした大切なことが分からないまま、

「今日決めないと埋まりますよ」

という焦りだけで契約するのは避けたいところです。

施設側へ一つ聞いてみてもいいと思います。

「いつまでに返事をすればいいですか?」

そのうえで、必要なことを確認する。

空室を逃すリスクと、分からないまま契約するリスク。その両方を考えて決めればいいと思います。

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見学が終わったら、施設を出てすぐメモする

これは地味ですが、かなりおすすめです。

老人ホームを2施設、3施設と見ていると、

本当に記憶が混ざります。

「あの施設、看護師は夜までいたっけ?」

「屋上があったのはどっち?」

「食事がおいしそうだったのはどこだっけ?」

となります。

だから私は、

施設を出た直後に簡単なメモを残す

ことをおすすめします。

  1. 良かったところを3つ
  2. 気になったところを3つ
  3. あとで確認したいこと
  4. 本人の反応
  5. 月額総額

 

これだけで十分です。

評価も難しくしなくて構いません。

**◎=かなり合いそう**

**○=問題なさそう**

**△=もう一度確認したい**

**×=本人には合わなそう**

くらいでいいと思います。

見学直後の印象は意外と大切です。

家へ帰ってから整理しようと思うと忘れてしまうので、駐車場や移動中などで短くメモしておくと比較しやすくなります。

家族が気に入っても、本人が気に入るとは限らない

老人ホーム見学では、家族が、

「ここいいじゃん!」

と思うことがあります。

建物がきれい。

職員の感じもいい。

設備も豪華。

自宅からも近い。

条件も合っている。

でも、実際に暮らすのは本人です。

家族が100点だと思っていても、

本人は、

「なんか落ち着かない」

と感じることがあります。

逆に、

建物は少し古い。

設備も派手ではない。

でも職員と本人が自然に話している。

本人が食堂で落ち着いている。

そんな施設の方が合うこともあります。

可能であれば、本人にも見学へ参加してもらってください。

そして見学後に、

「どうだった?」

だけではなく、

  1. 職員さんはどうだった?
  2. 部屋はどうだった?
  3. 食堂は落ち着きそう?
  4. ここで暮らすなら嫌なところはあった?

 

など、少し具体的に聞いてみると答えやすくなります。

老人ホーム選びの主役は、できる限り本人であってほしい。

家族が条件を整理しながら、本人の気持ちも合わせて考えていく。

それが理想だと思います。

迷ったら体験入居を使う方法もある

見学だけでは、

「本当にこの施設でいいのかな」

と決めきれないことがあります。

そんなとき、体験入居を実施している施設なら利用を検討してもいいと思います。

数十分の見学と、実際に施設で生活してみるのでは分かることが違います。

  1. 食事は本人に合うか
  2. 職員へ話しかけやすいか
  3. 居室で落ち着いて過ごせるか
  4. ほかの利用者との雰囲気はどうか
  5. 夜は眠れそうか

 

もちろん、すべての施設で体験入居ができるわけではありません。

期間や費用、利用条件も違います。

候補をかなり絞った段階で、

「体験入居はできますか?」

と聞いてみてください。

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老人ホーム見学についてよくある質問

老人ホームは何施設くらい見学すればいいですか?

決まった数はありません。

時間に余裕があれば、2〜3施設程度を同じ条件で見て比較すると違いが分かりやすくなります。

ただし、退院期限が迫っているなど、何施設も見学する時間がない場合もあります。

件数にこだわるより、本人や家族が譲れない条件を決めて確認することをおすすめします。

見学には本人も連れて行った方がいいですか?

可能であれば、本人にも一度見てもらうことをおすすめします。

実際に生活するのは本人だからです。

ただし、体調や認知症の状態によって同行が難しいこともあります。

その場合は家族だけで見学し、写真や資料などを使って本人へ説明する方法もあります。

施設見学で写真や動画を撮ってもいいですか?

施設によってルールが異なります。

また、ほかの利用者や職員のプライバシーにも配慮が必要です。

撮影したい場合は、必ず担当者へ確認し、許可された範囲だけで撮影してください。

見学時に料金を細かく聞いても失礼ではありませんか?

問題ありません。

老人ホームは長期間支払いが続く可能性があるため、料金は重要な確認事項です。

月額料金だけでなく、介護保険自己負担、医療費、日用品、有料サービスなども含め、本人の場合にどの程度必要になりそうか確認しましょう。

見学中に職員が忙しそうだったら避けた方がいいですか?

それだけでは判断できません。

食事前後や入浴時間など、介護施設には忙しくなりやすい時間があります。

職員が忙しいかではなく、忙しい中でも利用者への声かけや安全への配慮ができているかを見る方が参考になります。

レクリエーションが多い施設の方が良いですか?

本人が楽しんでいるなら魅力になります。

ただし、レクリエーションを好まない方もいます。

活動の数だけでなく、参加するかどうかを本人が選べるか、一人で過ごしたい場合も尊重されるかを確認してみてください。

見学で一番見た方がいいところはどこですか?

一つだけなら、私は職員と利用者の普段のやり取りを見ます。

設備や料金は資料でも確認できますが、職員が利用者へどのように声をかけ、利用者がどんな雰囲気で過ごしているかは現地でないと分かりにくいからです。

まとめ|見学では「見せてもらったもの」の半歩横を見る

老人ホーム見学で確認したい15のポイントを紹介しました。

老人ホーム見学15のチェックポイント
  • 職員のあいさつ・利用者への接し方
  • 利用者の表情・過ごし方
  • 玄関・廊下・エアコンなどの清潔さ
  • 食事の内容と食事中の様子
  • 入浴設備と入浴前後の様子
  • 居室の広さ・収納・使いやすさ
  • トイレの位置と使いやすさ
  • レクリエーションと本人の自由度
  • 特徴的な設備が実際に使われているか
  • 介護職員・看護職員の体制
  • 夜間の職員体制と緊急時の対応
  • 医療機関・主治医との連携
  • 認知症が進行した場合の対応
  • 看取り・入院・退去についての考え方
  • 料金・追加費用・契約内容

 

15項目も並べると、

「全部確認しないとダメなの?」

と思うかもしれません。

そんなことはありません。

老人ホーム見学は、試験ではないからです。

私自身、介護現場と施設ケアマネとして施設の中で働き、老人ホーム入居相談員として家族と施設を見る立場も経験しました。

その両方を経験して感じるのは、

見学の日に見えている施設は、その施設のすべてではない

ということです。

私が現場で働いていた頃も、

「今日は見学の方が来るから、掃除とあいさつをしっかりね」

と言われることがありました。

逆に、自分が見学対応する側になったら、私も普通に職員へ言っていました。

見学者が来るなら、少しでもきれいにして迎えたい。

それは施設側として自然なことだと思います。

だからこそ、

玄関がきれいだった。

職員が元気よくあいさつしてくれた。

屋上からの景色がきれいだった。

それだけで終わらせない。

少しだけ、その横を見る。

玄関ならエアコンや廊下。

食堂なら料理だけでなく、食べている利用者と介助する職員。

浴室なら立派な設備だけでなく、入浴前後の流れ。

屋上庭園なら、

「利用者さんは普段どのくらいここに来ますか?」

と聞いてみる。

「見せてもらった場所の半歩横を見る」くらいが、老人ホーム見学ではちょうどいいと思っています。

粗探しをする必要はありません。

介護現場には忙しい時間もあります。

一時的に臭いがすることもあります。

職員だって一日中笑顔ではありません。

だから、一つの場面だけで良い・悪いを決めない。

でも、

「あれ?」

と思ったことは、そのままにしない。

一つ質問してみる。

その答えを聞く。

そして、

本人がここで普通に暮らしている姿を想像してみる。

結局、私はそこが一番大切だと思っています。

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老人ホーム見学では、15項目すべてに○をつける必要はありません。

本人や家族にとって譲れない条件を決めて、

「ここで生活する姿を想像できるか」

という目線で見てみてください。

よっしーからひとこと

施設見学にたくさん同行してきましたが、見学だけで施設のすべてを見抜くのは難しいです。

施設側だって見学の方が来ると分かっていれば、掃除もしますし、職員に「あいさつしっかりね」と声をかけます。

私自身、言われる側も言う側も経験しました(笑)。

だから私は、見学で施設を疑って見る必要はないと思っています。

ただ、案内されたものだけを見るのではなく、その周りの日常を少しだけ見る。

職員と利用者の何気ない会話。

食事中の雰囲気。

入浴前後の流れ。

普段どのくらい使っているのか分からない立派な設備。

そういうところに、パンフレットには載っていない施設の姿が見えることがあります。

「良い施設を見抜こう」と力を入れすぎなくて大丈夫です。

本人がここで暮らしたらどうだろう。

最後はその目線で見てみてください。

監修・執筆:よっしー
介護福祉士・介護支援専門員

介護現場、施設ケアマネ、老人ホーム入居相談員としての経験をもとに執筆しています。