老人ホームの空きを探す方法|空室がないときの対処法を元入居相談員が解説
老人ホームを探していて、希望する施設に問い合わせたら「現在満室です」と言われた。
ただでさえ施設探しで疲れているのに、空きまでないとなると焦りますよね。
私は老人ホーム入居相談員として、施設へ空室確認の電話を何度もしてきました。
そこで感じたのは、老人ホームの「空室あり・満室」って、思っているほど単純ではないということです。
昨日まで満室だった施設に退去予定が出ることもあります。
逆に「空室があります」と言われていたのに、確認を進めるとすでに埋まっていたこともありました。
さらに重要なのが、
「部屋が空いている」ことと「あなたの家族が入居できる」ことは別の話だということです。
本人の介護状態、認知症、医療ニーズ、予算、生活保護の受け入れ状況などによって、空室があっても入居できない場合があります。
この記事では、老人ホームの空きを探す方法だけでなく、「実際に入居できる施設」をどう探すのかまで、入居相談員としての経験を交えて解説します。
- 老人ホームの空きを探す具体的な方法
- 「空室あり」でも入居できないことがある理由
- 満室と言われたときに次にやること
- 空室が見つかりやすくなる条件の広げ方
- 退院期限が迫っているときの探し方
- 紹介サービスやケアマネをどう使えばいいのか
- 老人ホームは「満室」と言われても探し方はある
- 「空室あり」=「すぐ入居できる」ではない
- 空室情報は食い違うこともある|一度の確認で決めつけない
- 老人ホームの空きを探す5つの方法|1か所ずつ電話するだけではない
- 空室が見つからないときは「条件」を一つずつ広げる
- 費用を下げたいなら「月額料金」だけで空室を探さない
- 生活保護の場合は「空室」だけでなく受け入れ可能かを確認する
- 退院まで時間がないときは「1施設ずつ」探さない
- 入居を急ぐときに最初に整理したい5つのこと
- 空室が見つかっても「とにかくここで」は一度考える
- 老人ホームの空室探しで避けたい3つのこと
- 老人ホームの空室に関するよくある質問
- まとめ|探すのは「空いている老人ホーム」ではなく「その人が暮らせる老人ホーム」
老人ホームは「満室」と言われても探し方はある
最初に結論です。
希望した老人ホームが満室でも、そこで諦める必要はありません。
老人ホームの空室は固定されているものではないからです。
たとえば、
- 入居予定だった人がキャンセルする
- 入居者が退去する
- 長期入院などで居室の契約状況が変わる
- 新しい施設・フロアが開設される
- 別の施設までエリアを広げると空室が見つかる
など、状況は動きます。
私が入居相談員をしていた頃も、施設の空室状況は何度も確認していました。
運営会社や施設の担当者から、
「現在○室空いています」
「近いうちに空室が出る予定です」
といった情報が入ってくることもありました。
つまり、インターネットで満室と表示されているからといって、その情報だけで候補から外す必要はありません。
「空室あり」=「すぐ入居できる」ではない
ここは、今回の記事で一番伝えたいところです。
老人ホームへ電話して、
「1室空いていますよ」
と言われた。
これで一安心……とは、まだ言えません。
老人ホームはホテルの空室予約とは違います。
部屋が空いていても、その人を施設で受け入れられるかという確認が必要になります。
主に確認されるのは、次のような内容です。
- 要介護度やADL(日常生活動作)など現在の身体状況
- 認知症の症状や普段の生活状況
- 必要な医療処置や服薬状況
- 施設で必要な介護を提供できるか
- 費用を継続して支払えるか
- その施設の入居条件を満たしているか
そのため、空室確認はあくまで施設探しの一段階と考えた方がいいでしょう。
電話ではOKでも、実態調査で難しくなることはあった
これは老人ホーム入居相談員をしていた頃、何度も経験しました。
まず施設へ電話をして、本人の状態を伝えます。
「この状態なら大丈夫そうです」
と言われ、空室も確認できた。
そこで家族にも施設を紹介し、話を進める。
ところが、施設職員が本人に会う実態調査(実調)まで進んだところで、
「現在の状態では、うちでの受け入れは難しいです」
となる。
こういうことは、決して珍しい話ではありませんでした。
電話で伝えられる情報には限界があります。
本人に直接会ってみたら、想定していたより介護量が多かった。
認知症の状態について、電話だけでは分からなかった部分があった。
医療面で施設の対応範囲を超えていた。
施設側にも、入居後に安全に生活してもらえるかを判断する責任があります。
だから私は、施設が途中で断ること自体を悪いことだとは思っていません。
むしろ無理に受け入れて、入居してすぐに「やっぱり対応できません」となる方が本人も家族も大変です。
空室確認は「部屋があるか」の確認。入居判定は「その人がそこで暮らせるか」の確認。この2つは分けて考えましょう。
老人ホームを断られる理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「老人ホームを断られる理由とは?入居できない7つのケースと対処法」
「一般の空室はあるけど、その条件では難しい」ということもある
もう一つ、空室確認で実際に経験したのが「空室の種類」です。
たとえば生活保護を利用している方の施設を探していたとき、
「一般の方が入れる部屋は空いていますが、生活保護の方を受け入れられる枠は現在ありません」
と言われることがありました。
つまり、施設全体として見れば「空室あり」です。
でも、その相談者にとっては「入居できる空室はない」ということになります。
これは生活保護に限りません。
医療対応。
認知症への対応。
本人の介護状態。
料金。
男女別の居室など施設固有の条件。
こうした条件によって、同じようなことが起こる場合があります。
空室情報は食い違うこともある|一度の確認で決めつけない
これは少し泥臭い話ですが、実際にありました。
施設の担当者へ電話をして空室を確認すると、
「空いています。大丈夫ですよ」
と言われた。
ところが、念のためその運営会社の本社やコールセンターへ確認すると、
「現在は満室です」
と言われる。
「あれ? さっき空いてるって言ってたけど……」
入居相談員時代には、そんなこともありました(笑)。
施設担当者が適当だった、と一概に決めつけることはできません。
空室情報が更新されるタイミングや、申し込み・退去予定などの状況によって、情報にズレが出ることも考えられます。
だからこそ、
ネットの「空室あり」も、電話で聞いた「空いています」も、その時点の情報として考える。
実際に申し込みを進めるときは、最新の状況を改めて確認することが大切です。
老人ホームの空きを探す5つの方法|1か所ずつ電話するだけではない
では、実際に老人ホームの空きを探すにはどうすればいいのでしょうか。
方法は一つではありません。
本人の状況や入居を急ぐ理由によって、いくつかの方法を組み合わせるのがおすすめです。
| 探し方 | 向いているケース |
|---|---|
| 施設へ直接問い合わせる | 希望する施設がある程度決まっている |
| 施設の公式サイトを見る | まず候補を広く探したい |
| ケアマネに相談する | 在宅介護中で本人の状態を理解してもらっている |
| 地域包括支援センターなどへ相談する | どこから探せばいいか分からない |
| 老人ホーム紹介サービスを利用する | 複数施設の空室をまとめて探したい |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 希望する老人ホームへ直接問い合わせる
すでに気になる老人ホームがあるなら、最も確実なのは施設へ直接問い合わせることです。
公式サイトに「満室」と書かれていても、退去予定やキャンセルなどで状況が変わっていることがあります。
問い合わせるときは、単純に、
「空いていますか?」
だけで終わらせないのがポイントです。
- 現在の空室はあるか
- 近いうちに空室が出る予定はあるか
- キャンセル待ちはできるか
- 本人の状態で受け入れ可能か
- いつ頃から入居できそうか
このあたりまで確認すると、かなり具体的になります。
もちろん大丈夫です。
ただし、空室は動くので、今日聞いた情報が数週間後まで保証されるわけではありません。
気になる施設なら、検討が進んだ段階でもう一度確認しましょう。
② 公式サイトで候補を探す|ただし空室表示は参考程度に
老人ホームの公式サイトに空室状況を掲載している施設もあります。
地域や料金、施設の特徴を調べる入口としては便利です。
ただ、先ほど紹介したように、私自身、入居相談員時代に施設側と本社側で空室情報が食い違っていた経験があります。
そのため、公式サイトに、
「空室あり」
と書いてあっても、最終的には問い合わせた方が確実です。
③ ケアマネに相談する|本人の状態を分かっているのが強み
在宅で介護サービスを利用しているなら、担当ケアマネジャーへ相談する方法もあります。
ケアマネの強みは、単に老人ホームを知っていることではありません。
本人の状態や家族の状況をすでに把握していることです。
要介護度。
認知症。
医療。
現在利用しているサービス。
家族の介護負担。
こうした情報を踏まえて、施設探しについて相談できます。
ただし、ケアマネが地域のすべての老人ホームについて、リアルタイムの空室状況まで把握しているとは限りません。
ケアマネは施設探しの相談相手にはなりますが、「空室情報センター」ではありません。
必要に応じて施設への問い合わせや、老人ホーム紹介サービスなども併用すると探しやすくなります。
ケアマネに老人ホーム探しを頼める範囲については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「ケアマネに老人ホーム探しは頼める?紹介サービスとの違い・使い分けを経験者が解説」
④ 地域包括支援センターなど公的な相談先を利用する
まだケアマネがいない、そもそも老人ホーム探しをどこへ相談すればいいか分からない。
そんな場合は、地域包括支援センターなどへ相談する方法があります。
地域包括支援センターは、高齢者の介護・福祉・生活などについて相談できる地域の窓口です。
ただし、ここでも特定の老人ホームの空室をリアルタイムで探して予約してくれる窓口という意味ではありません。
今後どこへ相談すればいいのか、どんな制度やサービスが使えるのか分からない場合の入口として活用するといいでしょう。
⑤ 老人ホーム紹介サービスで複数施設をまとめて探す
複数の老人ホームから空室を探したい場合は、老人ホーム紹介サービスを利用する方法もあります。
私は実際に老人ホーム入居相談員として、こうした施設探しに携わっていました。
紹介サービス側には、施設や運営会社の担当者から、
「現在○室空いています」
「近いうちに空室が出る予定です」
といった情報が入ってくることもありました。
また、相談者の条件を聞いて、複数施設へこちらから問い合わせることもあります。
そのため、
「自分で10施設へ電話するのは大変」
「退院まで時間がない」
「どの施設へ問い合わせればいいか分からない」
という場合には、一つの選択肢になります。
老人ホーム紹介サービスの仕組みや使い方についてはこちらで詳しく解説しています。
→「老人ホーム紹介サービスとは?無料の仕組みと上手な使い方を元入居相談員が解説」
空室が見つからないときは「条件」を一つずつ広げる
何件問い合わせても空室が見つからない。
そんなときに私がまず考えるのが、検索条件を少し広げられないかということです。
ただし、全部妥協する必要はありません。
まず、条件を2つに分けてみてください。
| 条件 | 具体例 |
|---|---|
| 絶対に譲れない | 必要な医療対応、支払える上限額、本人の安全など |
| できれば希望 | 自宅からの距離、築年数、部屋の広さ、設備など |
この整理をすると、候補を広げやすくなります。
エリアを広げるだけで候補が増えることはある
老人ホーム探しでは、家族から、
「できれば自宅から車で15分以内」
「同じ市内がいい」
という希望を聞くことがあります。
もちろん、面会や緊急時を考えれば近い方が便利です。
ただ、地域を限定しすぎると候補が一気に減ります。
私が入居相談員として施設を探していた経験では、エリアを広げられる方なら、予算が低めでも意外と候補が見つかることがありました。
たとえば、
同じ市内だけ。
↓
隣の市まで。
↓
県内なら検討可能。
このように範囲を少しずつ広げると、候補数が変わります。
その通りです。
だから「空いていればどこでもいい」ではありません。
家族が通える距離なのか。
本人に何かあったときに対応できるのか。
交通手段はあるのか。
このあたりとのバランスを考えます。
「新しくてきれい」を外すだけで候補が増えることもある
施設探しをしていると、どうしても新しくてきれいな施設に目が行きます。
それ自体は悪いことではありません。
でも、築年数や豪華さを優先しすぎて、候補を狭めてしまうこともあります。
建物は少し古い。
設備も最新ではない。
でも、職員と利用者が自然に話している。
必要な介護や医療には対応できる。
費用も予算内。
そんな施設なら、十分候補になると思います。
老人ホームはモデルルームを買う場所ではなく、本人が生活する場所です。
見た目だけではなく、中でどんな暮らしができるのかを比較しましょう。
費用を下げたいなら「月額料金」だけで空室を探さない
予算が厳しい場合は、どうしても検索サイトなどで「月額○万円以下」と絞りたくなります。
ただし、老人ホームの費用は月額料金だけではありません。
介護保険サービスの自己負担。
医療費。
おむつや日用品。
理美容。
施設独自のサービス費。
こうした費用が加わることがあります。
逆に、表示されている料金だけを見ると高く感じても、本人の条件によっては別の施設との差が思ったほど大きくないこともあります。
「空いていて安い施設」を探すより、「本人が入れて、毎月払い続けられる施設」を探す。
この考え方の方が、入居後の失敗を防ぎやすくなります。
老人ホームで実際にかかる費用はこちらの記事で詳しく解説しています。
→「老人ホームの費用はいくら?月額・前払金・追加費用をケアマネが解説」
生活保護の場合は「空室」だけでなく受け入れ可能かを確認する
生活保護を利用している方の場合は、単純な空室確認だけでは足りないことがあります。
私が入居相談員として問い合わせた際にも、
「一般の入居者向けには空室がありますが、生活保護の方については現在受け入れが難しいです」
と言われることがありました。
施設によって料金体系や受け入れ状況などが異なるためです。
そのため問い合わせるときは、最初から生活保護を利用していることを伝えて、現在受け入れ可能かを確認した方が話が早くなります。
また、生活保護の場合もエリアを広げることで候補が見つかることがあります。
生活保護での老人ホーム入居についてはこちらで詳しく解説しています。
→「生活保護でも老人ホームに入れる?入居できる施設・費用・利用できる制度をケアマネが解説【2026年版】」
退院まで時間がないときは「1施設ずつ」探さない
老人ホーム探しで特に焦るのが、病院から退院期限を示されているケースです。
「できれば良い施設をじっくり選びたい」
そう思っていても、現実には時間がないことがあります。
私は老人ホーム入居相談員として、退院まで1週間ほどしかない方の施設探しに関わったことがあります。
こういうときに、
1施設調べる。
↓
問い合わせる。
↓
満室だった。
↓
また次を探す。
というやり方では、時間がどんどん過ぎてしまいます。
入居を急ぐときほど、最初に条件を整理して、複数の施設を並行して探すことが大切です。
退院まで1週間。それでも入居先が見つかったことはある
入居相談員をしていた頃、病院からの退院まで1週間ほどしかない相談を受けたことがあります。
もちろん、
「1週間あれば余裕ですよ」
なんて状況ではありません(笑)。
本人の状態を確認する。
家族の希望を聞く。
予算を確認する。
受け入れられそうな施設を探す。
空室を確認する。
施設側にも本人の状態を伝える。
見学や実態調査の日程を調整する。
短い期間の中で、いろいろなことを同時に進める必要があります。
そのケースでは複数の施設へ確認し、最終的に条件に合う施設が見つかり、入居につながりました。
でも、ここで伝えたいのは、
「1週間でも絶対に見つかります」
という話ではありません。
本人の状態や医療ニーズ、予算、希望エリア、空室状況によって難しさはまったく違います。
私が伝えたいのは、
時間がないときほど「第一希望の施設が空くまで待つ」だけではなく、入居可能性のある候補を同時に持っておくこと。
これです。
入居を急ぐときに最初に整理したい5つのこと
時間がないときほど、希望条件を全部並べて探し始めるのではなく、優先順位を決めます。
| 確認すること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 本人の状態 | 要介護度・ADL・認知症・必要な介助 |
| 医療 | 必要な処置・服薬・通院・看護体制 |
| 予算 | 入居時と毎月支払える上限 |
| エリア | どこまでなら家族が通えるか |
| 期限 | いつまでに入居する必要があるか |
特に重要なのが、「希望」と「絶対条件」を分けることです。
たとえば、
胃ろうに対応できること → 絶対条件
自宅から15分以内 → 希望条件
月15万円以内 → 絶対条件
築浅であること → 希望条件
というように分けます。
もちろん何が絶対条件になるかは、その人によって違います。
でも、全部を絶対条件にしてしまうと候補がほとんど残らないことがあります。
病院の相談員にも早めに伝える
入院中で自宅へ戻ることが難しい場合は、病院の医療ソーシャルワーカーなどへ早めに相談しましょう。
家族だけで抱えて、退院直前になってから、
「実は家では介護できません」
となると、選択肢を検討できる時間がさらに短くなります。
自宅復帰が難しい。
家族だけでは介護できない。
老人ホームを検討している。
そう考えているなら、早めに伝えて構いません。
空室が見つかっても「とにかくここで」は一度考える
空室探しで一番難しいのがここです。
何件電話しても満室。
やっと1室見つかった。
しかも退院期限は迫っている。
そうなると、
「もうここでいい!」
と思ってしまう気持ちはよく分かります。
実際、そういう場面もあります。
100点満点の施設を何週間も探していられない。
これは現実です。
だからといって、何も確認せず「空いているから」で決めるのもおすすめしません。
最低限、次のことは確認してほしいと思います。
- 本人に必要な介護へ対応できるか
- 必要な医療へ対応できるか
- 毎月の総額を払い続けられるか
- 認知症など本人の状態を理解したうえで受け入れてくれるか
- 退去条件に大きな問題がないか
建物が新しい。
食事がおいしそう。
自宅から近い。
もちろん、それも大切です。
でも時間がないときほど、まずは「入居後に生活を続けられるか」を優先してください。
急いで探すことと、何も確認せず決めることは別です。
契約前に確認したいポイントはこちらの記事で詳しくまとめています。
→「老人ホームの契約で確認すべきポイント|契約前に後悔しないためのチェックリストをケアマネが解説」
老人ホームの空室探しで避けたい3つのこと
最後に、空室を探すときに避けたい行動も整理しておきます。
① 1つの施設が空くまで何もしない
第一希望の施設が満室だった場合、待つという選択肢はあります。
ただし、現在の介護が限界だったり退院期限が迫っていたりするなら、待っている間の選択肢も必要です。
第一希望はキャンセル待ちをしながら、ほかの施設も探す。
こうした並行した動きも考えましょう。
② 本人の状態を軽く伝えてしまう
「認知症のことを言ったら断られるかも」
「夜に起きることは黙っておこう」
そんな気持ちになることもあるかもしれません。
でも、本人の状態を実際より軽く伝えて入居できても、入居後に施設が対応できなければ本人が困ります。
最悪の場合、退去を検討しなければならなくなる可能性もあります。
③ 「空室あり」だけで施設を決める
この記事で何度もお伝えしてきましたが、空室は施設選びの条件の一つにすぎません。
空いている。
だから良い施設。
満室。
だから人気の良い施設。
そんな単純な話でもありません。
空室がある理由も、満室になっている理由も施設によって違います。
空室の有無と施設の良し悪しを結びつけすぎないこと。
最後は見学して、実際の施設の様子を確認しましょう。
→「老人ホーム見学チェックリスト15選|後悔しないために見るべきポイント」
老人ホームの空室に関するよくある質問
施設によって大きく異なるため、一概には言えません。
退去予定や申し込み状況、本人の状態、居室条件などによって変わります。
希望する施設には「現在の待機状況」「空室が出る予定」「キャンセル待ちができるか」を確認してみましょう。
入居を急ぐ場合は、1施設だけを待たず、ほかの候補も並行して探すことをおすすめします。
必ず入居できるわけではありません。
空室情報が更新されていない場合もありますし、空室があっても本人の介護状態・認知症・医療ニーズ・入居条件などによって受け入れが難しいことがあります。
最新の空室と本人の受け入れ可否を施設へ直接確認してください。
施設によって対応が異なります。
キャンセル待ちや入居申し込みができる場合もありますが、一般的なホテルのように長期間部屋を確保できるとは限りません。
いつから入居を希望しているのかを伝え、施設へ確認しましょう。
老人ホームの空室は、入退去や施設の開設などさまざまな事情で発生するため、「この時期なら必ず空く」とは言えません。
特定の時期を待つより、希望施設へ現在の状況や今後の空室予定を確認する方が現実的です。
いいえ。紹介サービスを利用しても、必ず希望条件に合う空室が見つかるとは限りません。
ただし、複数施設へ問い合わせてもらえることや、施設・運営会社から空室情報を得ている場合があるため、自分だけで探すのが難しい場合の選択肢にはなります。
見つかる場合はありますが、1週間あれば必ず入居できるとは言えません。
私自身、入居相談員として退院まで1週間ほどの相談から入居につながった経験はあります。
ただし、本人の状態・医療・予算・エリア・空室状況などによって難しさは変わります。
入居を急ぐ場合は、病院の相談員などにも相談しながら複数の候補を並行して探しましょう。
まとめ|探すのは「空いている老人ホーム」ではなく「その人が暮らせる老人ホーム」
この記事は、介護業界18年/介護福祉士/ケアマネジャー/施設ケアマネ経験/老人ホーム入居相談員としての経験をもとに執筆・監修しています。
老人ホームが満室でも、そこで施設探しが終わるわけではありません。
- 満室でも今後の空室予定を確認する
- 「空室あり」と「入居できる」は分けて考える
- 本人の状態を伝えて受け入れ可能か確認する
- 施設・ケアマネ・地域包括・紹介サービスなどを使い分ける
- 見つからなければエリアなどの条件を一つずつ広げる
- 急ぐ場合は複数施設を並行して探す
入居相談員として施設を探していた頃、
「空いています」と言われたのに実際には満室だったこともありました。
本人の状態を伝えて大丈夫と言われたのに、実態調査で受け入れが難しくなったこともありました。
逆に、条件を少し広げたことで、予算内の施設が見つかったこともあります。
退院まで1週間ほどしかない中で、入居先が決まったこともありました。
だから私は、老人ホームの空室探しを○か×かだけで考えなくてもいいと思っています。
今日満室でも、状況は変わる。
この施設がダメでも、別の候補がある。
条件を一つ広げたら、見つかることもある。
そして何より、
探すべきなのは「空いている老人ホーム」ではなく、「その人が入居して、その後も暮らしていける老人ホーム」です。
焦っているときほど、ここだけは忘れないでほしいと思います。
老人ホーム入居相談員をしていた頃、空室確認の電話は本当に何度もしました。
「満室です」
はい、次。
「その医療処置は難しいです」
はい、次。
「予算が合いません」
はい、次。
そんな感じで、1件の相談で何施設も当たることは珍しくありませんでした。
だから、家族が数施設へ電話して全部ダメだったとしても、
「もう入れる老人ホームはないんだ」
とすぐに諦めなくてもいいと思っています。
ただし、条件を広げるときも、本人が安全に暮らすために必要な条件まで削る必要はありません。
妥協する条件と、絶対に守る条件を分ける。
泥臭いですが、老人ホーム探しは最後はそこだと思っています。
監修・執筆:よっしー
介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として施設探しにも携わる。
介護現場・施設ケアマネ・入居相談の経験をもとに、制度だけでは見えにくい老人ホーム選びの実情を家族目線で分かりやすく発信しています。




