嫁
良い老人ホームって、結局どんなところなんだろう?設備が新しくて、レクが多ければいいのかな?
よっしー
よっしー
それだけじゃ分からないんだよね。長く介護現場を見てきたけど、「ここなら絶対に良い施設」と簡単に言えるほど、現場はきれいじゃないよ。
嫁
じゃあ何を見ればいいの?
よっしー
よっしー
俺なら設備より先に、人を見るかな。職員が利用者さんとどう話しているか。本人が自分らしく過ごせているか。そういう普段のところに施設の良さって出ると思う。

老人ホームを探していると、

「良い老人ホームの特徴は?」

「見学では何を見ればいい?」

と悩むと思います。

私も老人ホームの入居相談員としてご家族と一緒に施設を見てきましたし、介護職や施設ケアマネとして、実際に施設の中で長く働いてきました。

その経験から先にお伝えすると、

誰にとっても100点の老人ホームは、そう簡単には見つからないと思っています。

職員の人柄が良くても、建物は古いかもしれない。

設備が立派でも、本人には少し窮屈な生活かもしれない。

レクリエーションが充実していても、そもそも本人はレクに参加したくないかもしれない。

医療体制が整っていることを最優先したい人もいれば、多少古くても自由に暮らせる施設の方が合っている人もいます。

だからこの記事で紹介する「良い老人ホームの特徴7選」も、

7つ全部に○がつく施設を探してください、という意味ではありません。

大切なのは、

「この施設なら、本人がその人らしく暮らせそうか」

「家族として、ここなら任せられそうか」

を考えることです。

この記事では、介護現場、施設ケアマネ、老人ホーム入居相談員として施設の内側と外側の両方を見てきた経験から、私ならどこを見るのかをお伝えします。

きれいな話だけではなく、実際の介護現場で感じてきたこともそのまま書いていきます。

この記事でわかること
  • 良い老人ホームに共通する7つの特徴
  • 施設見学で職員のどこを見るべきか
  • 設備やレクだけでは分からない施設の良さ
  • 本人の自由が尊重されているかを見るポイント
  • 施設長や看護師・介護職の関係を見る理由
  • 家族に合った老人ホームを選ぶ考え方

良い老人ホームの特徴7選|私ならここを見る

老人ホームの良し悪しを、パンフレットだけで判断するのは難しいです。

新築できれい。

食事がおいしそう。

レクリエーションが毎日ある。

看護師がいる。

もちろん、どれも大切な情報です。

でも、実際にそこで生活するのは本人です。

そして介護をするのは、パンフレットではなくそこで働いている人です。

私なら、次の7つを見ます。

良い施設を見る7つの視点
  1. 職員に人情味があり、利用者との関係が自然
  2. 利用者が無理をせず、自分らしく過ごしている
  3. 施設長と現場の距離が遠すぎない
  4. できないことも正直に説明してくれる
  5. 清潔さや安全面が日常的に保たれている
  6. 本人の希望や「やりたくない」も尊重している
  7. 介護・看護・医療が必要なときにつながれる

ただし、これも「7つあれば合格、5つなら不合格」という話ではありません。

むしろ見学では、項目を採点することに夢中になるより、

「ここで毎日暮らしたら、どんな生活になるだろう?」

と想像してみてください。

その視点を持つだけでも、施設の見え方はかなり変わると思います。

①良い職員は、利用者にも職員にも好かれていた

良い老人ホームを見るうえで、私が一番大切だと思っているのは職員です。

ただし、

「敬語を使っている」

「笑顔で挨拶している」

だけを見ればいいとは思っていません。

もちろん接遇は大切ですし、利用者に乱暴な言葉を使っていいわけでもありません。

でも、長く介護現場で働いてきて感じるのは、

本当に良い職員ほど、不思議と利用者にも職員にも好かれていた

ということです。

介護にはマニュアルがあります。

介助方法もあります。

接遇のルールもあります。

でも、人と人との関係までマニュアル通りにはいきません。

利用者と世間話をしながら着替えを手伝う。

昔の仕事の話を聞きながら車椅子を押す。

冗談を言われたら笑って返す。

良いことがあれば一緒に喜ぶ。

そして、ときには、

「それはダメですよ」

とはっきり伝える。

何でも利用者の言うことを聞くのが、良い介護職員だとも私は思いません。

危険なことや、ほかの利用者に迷惑がかかることなら、

「それは危ないからやめましょう」

「それはダメですよ」

と理由も含めて伝えることがあります。

もちろん、職員の都合を押しつけたり、頭ごなしに否定したりするという意味ではありません。

本人の気持ちは受け止めながら、必要なことはきちんと伝える。

それでも関係が壊れず、普段は冗談を言ったり何気ない会話をしたりできる。

私が長く介護現場で見てきた「良い職員」は、そんな人情味のある人が多かったように思います。

見学では「忙しいとき」の職員も見てほしい

【18年のプロの視点:案内担当より「すれ違う職員」を見ろ】
施設見学では、案内してくれる営業担当者だけを見てはいけません。廊下ですれ違う職員、食堂で介助している職員、ナースコールに向かう職員の「普段の姿」にこそ、その施設の本当の日常が出ます。

特に見てほしいのは、職員が忙しそうにしているときです。

余裕があるときなら、誰でも丁寧に対応しやすいものです。

でも介護現場は、そんな時間ばかりではありません。

排泄介助をしている最中にナースコールが鳴る。

食事介助が重なる。

別の利用者から呼ばれる。

そんなことは普通にあります。

そのときに、

利用者の話を雑に切っていないか。

イライラした態度がそのまま出ていないか。

逆に忙しくても、

「ちょっと待っててくださいね」

「終わったら行きますからね」

と一言かけているか。

良い職員かどうかは、完璧な接遇より、こういう何気ない瞬間に出ることがあります。

見学では、案内担当者より「普段働いている職員」を見てみてください。

挨拶の上手さだけでなく、利用者との会話の距離感や、忙しいときの声かけを見ると、その施設の日常が少し見えてきます。

②「みんなと一緒」が良い施設とは限らない

施設見学へ行くと、

「午前中は入浴です」

「午後はレクリエーションをしています」

「毎月こんなイベントがあります」

と説明されることがあります。

家族からすると、

「毎日いろいろやってくれるなら楽しそう」

と感じるかもしれません。

でも、ここは少し立ち止まって考えてほしいところです。

本人は、本当にそれをやりたいでしょうか。

老人ホームで働いていると、

「今日はお風呂に入りたくない」

という方は普通にいます。

10時から見たいテレビがある。

今日は部屋でゆっくりしたい。

レクリエーションには参加したくない。

そんな日もあります。

特に自立度の高い方なら、自分でできることも多いです。

ところが施設には、職員配置や業務の流れがあります。

入浴できる曜日が決まっている。

今日入ってもらわないと次の入浴まで間が空いてしまう。

レクの時間には、できれば食堂へ集まってもらいたい。

その結果、

入りたくないお風呂を職員に説得されて、やむなく入る。

見たいテレビがあるのに、レクへの参加を何度も勧められる。

こういうことは、介護現場では決して珍しい光景ではありませんでした。

もちろん職員にも事情があります。

何十人もの利用者を限られた人数で支えている以上、すべてを本人の希望通りにするのが難しいことも、現場にいた私はよく分かります。

でも忘れてはいけないのは、

老人ホームは職員が予定表どおりに仕事を進めるための場所ではなく、本人にとっては生活する場所だということです。

今日は風呂に入りたくない。

レクよりテレビを見たい。

一人で新聞を読んでいたい。

昼寝をしたい。

そんな選択がある程度許されている。

私は、良い意味で「利用者を自由にしている施設」の方が、本人にとって暮らしやすいと思っています。

「何をしてくれるか」より「何もしない自由」があるか

これは施設選びで意外と見落とされます。

家族はどうしても、

「レクは週何回ですか?」

「イベントはありますか?」

と、施設が何をしてくれるかを確認します。

もちろん、それも大切です。

私自身、買い物レクや外食、ドライブなどの外出に関わったことがあります。

こういう外出は、本当に楽しそうにしてくれる方が多かったです。

普段は施設の中で生活している方が、車に乗って外へ出る。

自分で商品を選ぶ。

外でご飯を食べる。

景色を見る。

帰ってきて、

「楽しかった」

と言ってもらえる。

職員としてもうれしい瞬間でした。

でも、だからといってレクリエーションは多ければ多いほど良いとは思いません。

大切なのは、本人が楽しんでいるかどうかです。

参加したい人は参加する。

参加したくない人は参加しない。

「今日はやめておく」という選択肢がちゃんと残っている。

これも、私は良い老人ホームの特徴だと思っています。

施設見学では「レクは何回ありますか?」だけでなく、「参加したくない日は居室で過ごしても大丈夫ですか?」と聞いてみるのもおすすめです。

その答えから、施設が「全員一緒」を重視しているのか、一人ひとりの過ごし方を尊重しているのかが見えることがあります。

→「老人ホーム見学チェックリスト15選」

老人ホーム見学で確認したい15のチェックポイント
老人ホーム見学チェックリスト15選|見るべきポイントをケアマネが解説 老人ホームを見学すると、 「どこを見ればいいんだろう?」 「職員には何を聞けばいい?」 ...

利用者の表情を見ると、パンフレットにないものが見える

見学したときは、職員だけでなくそこで暮らしている利用者の様子も見てみてください。

全員が笑顔である必要なんてありません。

むしろ、全員が楽しそうにレクリエーションをしていることを「良い施設の条件」にしてしまう方が不自然だと思います。

テレビを見ている人。

新聞を読んでいる人。

職員と話している人。

何となくぼーっとしている人。

居室で過ごしている人。

それぞれでいいんです。

見てほしいのは、

無理をさせられているように見えないか。

職員が近づいたときに、必要以上に緊張していないか。

何か頼みたいときに、職員へ声をかけられる雰囲気があるか。

そして職員と利用者の会話が、どこかよそよそしくないか。

施設見学は限られた時間なので、その施設の日常を全部見ることはできません。

それでも、

「ここで暮らしている人たちは、自分の家として過ごせているだろうか」

という目線で見ると、設備を見るだけでは気づかなかったものが見えてくることがあります。

老人ホームは、介護サービスを受ける場所である前に、その人が毎日起きて、ご飯を食べて、テレビを見て、眠る生活の場所です。

だから私は、

何か特別なことをしてくれる施設より、普通の一日をその人らしく過ごせる施設。

そんな老人ホームも、十分「良い施設」だと思っています。

③施設長を見るなら「良い人か」より現場との距離を見る

老人ホームを見学すると、施設長や管理者が挨拶に来ることがあります。

説明が丁寧。

物腰が柔らかい。

質問にもきちんと答えてくれる。

もちろん悪いことではありません。

でも、介護現場で長く働いてきた私としては、施設長を見るときに「感じの良い人だった」で終わらせない方がいいと思っています。

なぜなら、見学者に丁寧に対応することと、普段から現場を見ていることは別だからです。

よっしー
よっしー
正直に言うと、18年の現場で『もう少し現場を見てくれよ…』と思った施設長もいました。現場がバタバタしていても事務所から出てこず、救急搬送の場面で『この時間帯か…』なんて反応されたことも。逆に、現場をしっかり把握しようとする施設長のいるところは雰囲気が全然違いましたね。

管理する側と現場で働く側では、見えているものが違います。

大切なのは、施設長が介護職員や看護師の話を聞き、現場で何が起きているのかを把握しようとしているか。

探そして現場側も、必要なことを施設長へ言える関係になっているか。

施設長と現場の距離が遠すぎないこと。

私はそこを見ます。

見学で施設長について質問してみる

施設長本人に「現場とうまくいっていますか?」と聞いても本当のところは分かりません。

それよりも、運営について具体的に質問してみるのがコツです。

【見学時に聞いておきたい施設長と現場の連携】

  1. 施設長は普段どのくらい現場に関わっていますか?
  2. 介護職から出た意見は、どのように共有していますか?
  3. 事故や急変があった場合、施設長にはどのように報告されますか?
  4. 家族から相談があった場合、施設長にも相談できますか?

全部を質問する必要はありません。一つ二つ聞くだけでも、管理者と現場がどうつながっているのかが見えてきます。

施設長の経歴や肩書きだけでは、現場との関係までは分かりません。

見学では、施設長だけを見るより、施設長・介護職・看護師が普段どう情報を共有しているのかを聞いてみるのがおすすめです。

④「できます」ばかり言う施設より、「できません」と言える施設

老人ホームを探している家族にとって、

「大丈夫です」

「対応できます」

と言ってもらえるのは安心すると思います。

認知症があっても大丈夫。

医療的な対応が必要になっても大丈夫。

状態が変わっても大丈夫。

できれば、そう言ってくれる施設を選びたくなるのも分かります。

でも、老人ホーム入居相談員として施設とやり取りしていた頃、私はむしろ「できないことをはっきり言ってくれる施設」に安心することがありました。

入居前に本人の状態を伝え、医療的な対応について確認する。

そこで、

「その状態だとうちでは難しいです」

「この処置が必要になった場合は対応できません」

とはっきり言われる。

紹介する側としては困ります。また別の施設を探さなければいけないからです。

それでも私は、

入居してから「やっぱり対応できません」と言われるより、ずっといいと思っていました。

老人ホームには、それぞれできることとできないことがあります。

看護師の配置も違います。夜間の体制も違います。協力医療機関との連携も違います。

だから、本来はすべてに「できます」と答えられるはずがありません。

むしろ何を聞いても「大丈夫ですよ」「できますよ」だけで話が進んでいくときは、少し慎重になります。

大事なのは、家族を安心させる言葉の多さではありません。

どこまでならできて、どこから先は難しいのか。

そこを具体的に説明してくれることです。

良い説明は、家族にとって都合のいい説明とは限らない

【相談員としての本音】
「今は受け入れられますが、〇〇の状態になった場合は退去が必要になります」「夜間は看護師がいないため医療行為はできません」など、先のことやマイナス面まで説明してくれる施設こそ、本当に信頼できる施設です。

良い施設は、家族が聞きたいことだけではなく、聞きたくないこともきちんと説明してくれる。

これは入居相談員を経験して、強く感じたことの一つです。

→「老人ホームの入居条件とは?入れる人・入れない人をわかりやすく解説」

老人ホームの入居条件と入れる人・入れない人の違い
老人ホームの入居条件とは?入れる人・入れない人をケアマネがわかりやすく解説老人ホームを探していると、 「要介護○以上なら入れる」 「認知症でも入居可能」 といった説明をよく見かけます。 ...

⑤建物の新しさより、普段の清潔さを見る

老人ホームを見学すると、どうしても建物に目がいきます。

新築できれい。ホテルのようなエントランス。広い食堂。

第一印象としては魅力的ですが、私は建物が新しい=良い老人ホームだとは思いません。

古くても掃除が行き届いているところもありますし、新しくても管理が雑なところはあります。

見学で見るなら、豪華なエントランスより普段利用者が生活している場所です。

普段の清潔さ・安全面のチェックリスト
  1. 廊下や食堂が清潔に保たれているか
  2. トイレや洗面所が極端に汚れていないか
  3. 物が無造作に置かれていないか
  4. 車椅子や歩行器の通り道が確保されているか
  5. 気になる臭いが放置されていないか
【臭いのチェックポイント】
見学時に臭いがしたからといって、一発で「ダメな施設」と決めるのは早すぎます。排泄介助の直後かもしれないからです。
見るべきは『臭いが一時的なものか、施設全体に染みついているか』、そして『廊下ではなく、個室のドアを開けた瞬間のにおい』です。

毎日の暮らしを支えるのは、豪華なロビーではありません。

派手さより、「普通の生活環境が普通に保たれているか」を見てほしいと思います。

介護職と看護師は、仲が良ければいいわけでもない

老人ホームでは、介護職だけで利用者を支えているわけではありません。看護師、ケアマネ、生活相談員、医師など、さまざまな職種が関わります。

「職員同士が仲の良い施設がいいですよ」と言えれば簡単なのですが、実際の介護現場はそんなに綺麗ではありません。

働いていた中でも、介護職と看護師の意見がぶつかることは普通にありました。

介護職は生活の近くで「いつもの変化」を見る。看護師は「医療的視点」から状態を見る。

考え方が違うからこそ、ぶつかり合いになることだってあります。

でも、意見がぶつかる施設=悪い施設とは私は思いません。

よっしー
よっしー
一番怖いのは、意見がぶつかることじゃなくて『お互いに何も言わなくなること』なんです。『介護職に言っても分からない』『看護師に言ってもどうせ聞いてくれない』となって報告が止まるのが、利用者さんにとって一番不利益になりますからね。

大切なのは、意見がぶつからないことではなく、ぶつかったあとに利用者のための話に戻れるか。

私はそこだと思っています。

見学だけで職員同士の関係まで分かるの?

「そんなところまで見学で分かるの?」と思った方もいると思います。

正直に言います。全部は分かりません。

1時間程度の見学で、人間関係まで見抜くのは不可能です。だから「一発で見抜こう」としなくて大丈夫です。

質問したときに、

「それは看護師に聞かないと分かりません」でバサリ終わるのか。

それとも「確認しておきますね」と社内でつないでくれるのか。

こういう小さな対応に普段の連携が出ます。

パンフレットに書けない部分ほど、暮らし始めてから大きな差になります。

完璧な施設を探す必要はありません。「この人たちなら、何かあったときに話し合えそうだな」と思えるかどうかが一番大切です。

⑥「本人のため」が、いつの間にか「施設の都合」になっていないか

介護の仕事をしていると「本人のために」という言葉をよく使います。

転ばないように。清潔を保てるように。生活リズムが崩れないように。

でも、現場にいると、

「本当に本人のためなのか、それとも職員が仕事を進めやすいからなのか」

その境目が曖昧になることがあります。

今日はお風呂に入りたくない。レクよりテレビを見たい。朝はもう少し寝ていたい。

本人の希望をすべて叶えるのは難しいですが、

「できる・できない」より先に、本人がどうしたいのかを一度聞いているか。

ここが大きな違いです。

「自分でできること」を奪わない施設か

手伝ってしまった方が早いこともあります。忙しい時間帯なら、なおさらです。

でも、「できることまでやってあげる」ことが良い介護とは限りません。

時間がかかっても本人にやってもらう。見守る。

見学ではぜひ、こんな質問をしてみてください。

【本人の自由度を確認する質問例】

  • 自分でできる日常の動作は続けられますか?
  • レクリエーションに参加しない日があっても大丈夫ですか?
  • 起床や就寝時間はどのくらい自由ですか?
  • 本人の生活習慣はどこまで続けられますか?

⑦医療体制は「看護師がいる」だけでは判断しない

「看護師がいます」「協力医療機関があります」という説明だけで安心するのは少し早いです。

確認したいのは、必要なときに実際にどう動くのかです。

看護師は何時までいるのか。夜間はどうするのか。状態が変わったときは誰に連絡するのか。

「今の状態」だけでなく、

「状態が変わったら、どこまでここで生活を続けられるのか」

まで聞いておくと安心です。

→「老人ホームで看取りはできる?最期まで暮らせる施設の選び方【ケアマネが解説】」

老人ホームでの看取りと最期まで暮らせる施設の選び方
老人ホームで看取りはできる?最期まで暮らせる施設の選び方 老人ホームを探しているご家族から、 「ここに入居したら、最期までいられますか?」 と聞かれる...
看護師の配置時間、夜間の連絡体制、医療機関との連携方法は施設によって異なります。

持病や医療的な対応が必要な方は、現在の状態を具体的に伝えたうえで、入居後にどこまで対応できるのか確認してください。

結局、良い老人ホームはどうやって見分ければいい?

ここまで7つの特徴を書いてきましたが、正直に言って、この7つをチェックすれば絶対に良い施設が見つかる、とは言えません。

同じ施設でも職員は入れ替わりますし、Aさんにとって良い施設がBさんにも良いとは限らないからです。

だから私は、

「一番良い老人ホーム」を探すより、「本人に合う老人ホーム」を探してほしいと思っています。

私なら最後はこの5つを考える

迷ったときに最後に見直す5つの視点
  1. 本人がここで生活している姿を想像できるか
  2. 職員に困ったことを相談できそうか
  3. 本人の「やりたい・やりたくない」を聞いてもらえそうか
  4. できないことまで正直に説明してくれるか
  5. 何かあったとき、この人たちと話し合えそうか

豪華な設備があるかより、私はこっちを大事にします。

入居後に何も問題が起こらない施設はありません。転倒することもあるし、体調を崩すこともあります。

そんなときに「施設の決まりなので」で終わらせるのか、「どうしましょうか」と一緒に考えてくれるのか。その差が一番大きいです。

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一度の見学だけで決めなくてもいい

見学した日の印象に左右されるのは当然です。

時間に余裕があるなら、複数の施設を見て比較する。可能なら**体験入居**を利用して、食事や夜間の雰囲気を体感してみる。

施設を選ぶ時間は、本人がこれから暮らす場所を選ぶ時間です。

少しでも「何か違うな」と感じたら、その違和感を無視せず、もう一つ質問してみてください。

→「老人ホームの体験入居とは?メリット・費用・当日の流れをケアマネがわかりやすく解説」

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良い老人ホームについてよくある質問

良い老人ホームの一番の特徴は何ですか?

一つだけ選ぶなら、私は職員を見ることをおすすめします。設備やサービスも大切ですが、毎日の介護や生活を支えるのはそこで働く人です。見学では挨拶だけでなく、利用者との普段の会話や忙しいときの対応も見てみてください。

新しい老人ホームの方が良いですか?

建物が新しいことと、介護の質が高いことは別です。新しい施設にもメリットはありますが、古い施設でも清潔に保たれ、職員と利用者の関係が良いところはあります。普段の生活環境や職員の様子も確認しましょう。

レクリエーションが多い施設の方が良いですか?

本人が楽しんでいるなら大きな魅力になります。ただし、参加を好まない方もいます。回数だけでなく、参加するかどうかを本人が選べるのかも確認してみてください。

施設見学は何件くらいした方がいいですか?

必ず何件という決まりはありません。時間に余裕があれば複数の施設を比較すると違いが分かりやすくなりますが、退院期限などで時間がない場合もあります。件数よりも、本人にとって大切な条件を決めて確認することが重要です。

施設長が現場に出ている施設の方が良いですか?

現場に出ていることだけで良い施設とは判断できません。大切なのは、施設長が現場で起きていることを把握し、介護職や看護師などの意見を聞ける関係になっているかです。

老人ホーム選びで迷ったら何を優先すればいいですか?

本人が何を大切にして生活してきたのかを考えてみてください。すべてが完璧な施設を探すより、本人や家族が譲れない条件を決めて比較する方が選びやすくなります。

まとめ|完璧な老人ホームより「本人に合う施設」を探してほしい

この記事では、良い老人ホームの特徴を7つに分けて紹介してきました。

良い施設の7つの特徴
  • 職員に人情味があり、利用者との関係が自然
  • 利用者が無理をせず、自分らしく過ごしている
  • 施設長と現場の距離が遠すぎない
  • できないことも正直に説明してくれる
  • 清潔さや安全面が日常的に保たれている
  • 本人の希望や「やりたくない」も尊重している
  • 介護・看護・医療が必要なときにつながれる

長く介護現場で働いてきましたが、何もかも完璧な施設を私は知りません。

それでも、良い職員はいました。

利用者と冗談を言いながら介助して、必要なことは理由も含めてきちんと伝える。

レクリエーションには参加せず、自分の好きなテレビを見ながらのんびり過ごす方もいました。

良い介護は、何か特別なことをしてあげることだけではないんだと思います。

その人が笑いたいときに笑える。一人でいたいときは一人でいられる。困ったときには誰かが手を貸してくれる。

そんな普通の生活を続けられること。

パンフレットの豪華さより、職員と利用者の何気ない会話。

レクリエーションの回数より、参加しない自由。

「何でもできます」という説明より、「これはできません」と言ってくれる誠実さ。

私は、そういうところに施設の本当の姿が出ると思っています。

気になる老人ホームが見つかったら、できれば実際に見学してみてください。

「良い施設か採点する」のではなく、「本人がここで生活できそうか」という目線で見ると、施設の見え方が変わってきます。

よっしーからひとこと

介護の仕事を長くしてきましたが、「完璧な老人ホーム」はなかなかないと思っています。

職員だって人間です。忙しくて余裕がない日もあるし、職種同士で意見がぶつかることもあります。

私自身、現場で「それって本当に利用者さんのためなのかな」と思ったことは何度を持ちました。

でも逆に、そんな現場を見てきたからこそ、人情味のある職員や、本人の「今日はやりたくない」を受け止められる施設の良さも分かります。

良い老人ホームを探すとき、100点満点を求めなくていいと思います。

本人にとって大切なことを、大切にしてくれそうな施設か。

最後はそこを見てほしいと思っています。

【監修・執筆】よっしー

介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。
介護現場・ケアマネ業務・老人ホーム相談の実務経験をもとに、制度だけでは見えにくい介護のリアルを、本人や家族の目線に立って分かりやすく発信しています。

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