介護施設の種類一覧|11種類の違い・特徴と選び方をわかりやすく解説
老人ホームだけでもいっぱいあって、何が違うのか分からないよ。
特養、老健、有料老人ホーム、サ高住、グループホーム……名前だけ見ても違いは分かりにくいよね。
ただ、名前を覚えるより「何のための場所なのか」「介護をどう受けるのか」を知る方が大切だよ。
親の介護が必要になり、施設を探し始めると、似たような名前が次々と出てきます。
「特養と有料老人ホームは何が違う?」
「老健はずっと住める老人ホームなの?」
「サ高住でも介護してもらえる?」
「認知症ならグループホームを選べばいい?」
こうした疑問を持つのは珍しいことではありません。
介護施設や高齢者向けの住まいは、見た目が似ていても、制度上の位置付け、利用する目的、入居条件、介護サービスの受け方などが異なります。
大切なのは、施設名だけを覚えることではありません。
「本人にはどんな支援が必要なのか」から逆算して、候補となる施設や住まいを絞っていくことです。
- 介護施設・高齢者向け住まいの主な種類
- 特養・老健・介護医療院の違い
- 有料老人ホーム・サ高住・グループホームなどの特徴
- 介護サービスを施設内で受ける場合と外部サービスを利用する場合の違い
- 本人に合った施設を選ぶときの考え方
- 介護施設とは?老人ホームとの違いをまず整理しよう
- 介護施設・高齢者向け住まいを一覧で比較
- 「介護施設」と「高齢者向け住宅」は介護の受け方が違う
- 介護保険施設は3種類|特養・老健・介護医療院の違い
- 養護老人ホームは「介護度」で入る施設ではない
- 軽費老人ホーム・ケアハウスとは?
- 有料老人ホームは3つの類型を知っておこう
- サービス付き高齢者向け住宅は「介護施設」とは限らない
- グループホームは認知症のある方が少人数で暮らす場所
- シニア向け分譲マンションは介護施設ではない
- 住所地特例は施設の種類だけで決めつけない
- 介護施設を選ぶときは「今」だけで決めない
- 介護施設の種類についてよくある質問
- まとめ|介護施設は「種類」より本人に必要な支援から選ぼう
介護施設とは?老人ホームとの違いをまず整理しよう
でも、施設を選ぶときは正式な施設類型や制度上の位置付けまで確認した方が分かりやすいんだ。
「介護施設」や「老人ホーム」という言葉だけでは、制度上の位置付けを正確に判断することはできません。
一般には、高齢者が介護や生活支援を受けながら暮らす場所をまとめて「介護施設」「老人ホーム」と呼ぶことがあります。
しかし実際には、介護保険法や老人福祉法などに基づく施設のほか、高齢者住まい法に基づいて登録される住宅などがあり、制度上の位置付けはそれぞれ異なります。
代表的なものを大きく整理すると、次のようになります。
- 介護保険施設:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院
- 有料老人ホーム:介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームなど
- 老人福祉施設:養護老人ホーム、軽費老人ホームなど
- 地域密着型サービス:認知症対応型共同生活介護(グループホーム)など
- 高齢者向け住宅:サービス付き高齢者向け住宅など
- 一般の住宅:シニア向け分譲マンションなど
例えば、特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、どちらも介護保険施設ですが、利用する目的は同じではありません。
また、サービス付き高齢者向け住宅は、一定の登録基準を満たした高齢者向けの住宅です。
サービス付き高齢者向け住宅では、少なくとも状況把握(安否確認)と生活相談サービスが提供されますが、食事、介護、医療との連携など、それ以外のサービス内容は住宅によって異なります。
そのため、施設や住まいを比較するときは、名称だけではなく、正式な施設類型・介護保険上の指定・介護サービスの提供方法まで確認することが大切です。
老人ホームの代表的な種類はこちらで詳しく解説しています。
介護施設・高齢者向け住まいを一覧で比較
細かい条件を見るのは、そのあとで大丈夫だよ。
介護施設や高齢者向け住まいを比較するとき、最初から細かな料金や設備まで調べる必要はありません。
まず「主な目的」「主な対象」「介護サービスの受け方」を比べると、全体像をつかみやすくなります。
| 施設・住まい | 主な目的 | 主な対象 | 介護サービス |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 長期的な生活と介護 | 原則要介護3以上 | 施設内で提供 |
| 介護老人保健施設 | 在宅復帰・在宅生活の支援 | 要介護1以上 | 施設内で提供 |
| 介護医療院 | 長期療養と生活支援 | 長期的な医療・介護が必要な要介護者 | 施設内で提供 |
| 養護老人ホーム | 生活環境や経済面などに課題がある高齢者の生活支援 | 原則65歳以上で一定の要件を満たす人 | 施設の形態や本人の状態による |
| 軽費老人ホーム・ケアハウス | 低額な料金での生活支援 | 自立した生活に不安がある高齢者など | 施設類型などにより異なる |
| 介護付き有料老人ホーム | 生活支援と介護 | 施設の入居条件による | 特定施設入居者生活介護として提供 |
| 住宅型有料老人ホーム | 生活支援を受けながら暮らす | 施設の入居条件による | 訪問介護などを個別に利用 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 安否確認・生活相談のある高齢者向け住宅 | 登録基準を満たす高齢者など | 住宅により異なる |
| グループホーム | 少人数の共同生活による認知症ケア | 認知症があり原則要支援2以上などの要件を満たす人 | 事業所内で提供 |
| シニア向け分譲マンション | 高齢者が暮らしやすい住まい | 物件の購入条件などによる | 必要に応じて外部サービスを利用 |
この段階で「どこが一番いい施設か」を決める必要はありません。
例えば、長く暮らす場所を探しているのに、在宅復帰を目的とする介護老人保健施設だけを候補にしてしまうと、本人や家族が求めている暮らしと施設の役割が合わなくなります。
反対に、退院後すぐ自宅へ戻ることに不安があり、リハビリや在宅復帰への準備が必要なら、介護老人保健施設が選択肢になることがあります。
施設選びの最初の一歩は、「どの施設が人気か」ではなく、「本人は何に困っていて、これからどんな支援が必要なのか」を整理することです。
「介護施設」と「高齢者向け住宅」は介護の受け方が違う
「誰から、どんな契約で介護を受けるのか」まで見た方がいいよ。
老人ホームや高齢者向け住宅を比較するときに、特に分かりにくいのが介護サービスの提供方法です。
例えば、介護付き有料老人ホームでは、特定施設入居者生活介護の指定に基づき、施設側が介護サービスを提供します。
一方、住宅型有料老人ホームでは、入居者が必要に応じて訪問介護、訪問看護、通所介護などのサービスを個別に利用するのが基本です。
サービス付き高齢者向け住宅についても、登録制度上必ず提供されるのは状況把握(安否確認)と生活相談であり、介護サービスの提供方法は住宅によって異なります。
- 介護サービスは誰が提供するのか
- 介護保険サービスは施設との契約に含まれるのか
- 外部の訪問介護や訪問看護を利用するのか
- 介護度が上がった場合も住み続けられるのか
- 認知症や医療処置への対応範囲はどこまでか
建物がきれい、職員が多く見える、食事が提供されるといった外見だけでは、介護保険上どのようなサービスを受ける住まいなのかは判断できません。
介護付き・住宅型・サ高住の違いはこちらで詳しく比較しています。
介護保険施設は3種類|特養・老健・介護医療院の違い
介護保険施設には、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療院」の3種類があります。
いずれも介護保険制度に基づく施設ですが、それぞれ役割が異なります。
| 施設 | 主な役割 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 介護を受けながら長期的に生活する | 原則要介護3以上 |
| 介護老人保健施設 | リハビリなどを受けながら在宅復帰・在宅生活を目指す | 要介護1~5 |
| 介護医療院 | 長期療養に必要な医療と介護を受けながら生活する | 長期療養が必要な要介護者 |
この3施設を比較するときに大切なのは、設備の豪華さなどではなく、「何を目的として利用する施設なのか」を見ることです。
特別養護老人ホーム|長期的な生活と介護を支える
特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護が必要な方の生活を支える施設です。
食事、入浴、排せつなどの日常生活上の介護や、機能訓練、健康管理、療養上の支援などが提供されます。
新たに入所する場合は、原則として要介護3以上が対象です。
ただし、要介護1・2であれば絶対に入所できないという意味ではありません。
そのため、
「要介護2だから特養には絶対入れない」
と一律に判断するのではなく、本人の状態や生活環境などを含めて相談することが大切です。
また、特養は長期的な生活の場として利用される施設ですが、申し込めばすぐに入所できるとは限りません。
施設では、入所の必要性が高い方を優先して入所させることが求められているため、申込順だけで単純に決まるものでもありません。
- 長期的な生活の場となる介護保険施設
- 新規入所は原則要介護3以上
- 要介護1・2には特例入所の仕組みがある
- 食事・入浴・排せつなどの介護を施設内で受ける
- 入所の必要性などを踏まえて判断される
特養について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
介護老人保健施設|在宅復帰・在宅生活を支援する
介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰・在宅生活の支援を目的とする介護保険施設です。
要介護者に対して、医師による医学的管理のもと、看護、介護、リハビリテーションなどを提供します。
利用できるのは要介護1~5の認定を受けた方で、要支援1・2の方は老健の施設サービスを利用できません。
特養との大きな違いは、施設の目的です。
特養:介護を受けながら生活する場所
老健:在宅復帰・在宅生活を支援する場所
そのため、老健を「ずっと暮らすことを前提とした老人ホーム」と考えると、施設の本来の役割とずれてしまいます。
例えば、入院後すぐに自宅へ戻ることに不安があり、リハビリや介護を受けながら在宅生活への準備をしたい場合などに、老健が選択肢となることがあります。
- 要介護1~5が対象
- 在宅復帰・在宅生活の支援が大きな役割
- リハビリテーションを受けられる
- 必要な医療・看護・介護も提供される
- 長期居住だけを目的とした施設ではない
介護医療院|長期療養に必要な医療と介護を受ける
介護医療院は、長期的な医療と介護の両方を必要とする要介護者のための介護保険施設です。
2018年4月に創設され、長期療養のための医療と日常生活上の介護を一体的に提供します。
厚生労働省では、介護医療院について、医療機能と「生活施設」としての機能を兼ね備えた施設と位置付けています。
療養上の管理、看護、医学的管理のもとでの介護、機能訓練、必要な医療、日常生活上の支援などが提供されます。
要支援1・2の方は利用できず、長期的な療養が必要な要介護者が対象となります。
特養・老健・介護医療院を簡単に整理すると、
| 施設 | 特に重視される役割 |
|---|---|
| 特養 | 長期的な生活と介護 |
| 老健 | 在宅復帰・在宅生活の支援 |
| 介護医療院 | 長期療養に必要な医療と介護、生活 |
養護老人ホームは「介護度」で入る施設ではない
介護度だけで入る施設ではなく、生活環境や経済的な事情などを含めて市町村が判断するんだ。
養護老人ホームと特別養護老人ホームは、名前が似ていますが別の制度です。
養護老人ホームは、原則として65歳以上で、環境上の理由と経済的理由によって、自宅で生活することが困難な方を対象とする老人福祉施設です。
ここで重要なのが、本人が施設と直接契約して入居する一般的な老人ホームとは仕組みが違うことです。
養護老人ホームへの入所は、市町村が本人の状況を確認し、必要性を判断して行う「措置」によるものです。
本人が希望する施設と自由に契約して入居する仕組みとは異なり、本人の生活環境や経済状況などを確認したうえで、市町村が入所の必要性を判断します。
そのため、一般的な有料老人ホーム探しと同じ感覚で「空室がある施設を探して直接申し込む」という施設ではありません。
また、養護老人ホームは、介護を必要とする人だけを対象とした施設ではありません。
入所後に介護が必要になった場合には、介護保険の居宅サービスを利用できるほか、特定施設入居者生活介護などの指定を受けている養護老人ホームもあります。
軽費老人ホーム・ケアハウスとは?
ただしケアハウスにも違いがあるから、「ケアハウスなら全部同じ」と思わない方がいいよ。
軽費老人ホームは、無料または低額な料金で利用できる高齢者向けの老人福祉施設です。
主に60歳以上で、自立した生活を送ることに不安があり、家族による援助を受けることが難しい方などを対象としています。
食事の提供や日常生活上必要な支援などを受けながら生活します。
軽費老人ホームには、制度上いくつかの種類があります。
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| A型 | 食事の提供がある従来型の軽費老人ホーム |
| B型 | 原則として自炊を基本とする従来型の軽費老人ホーム |
| ケアハウス | 食事や生活支援などを受けながら暮らす |
| 都市型軽費老人ホーム | 都市部の事情に対応した小規模な軽費老人ホーム |
ただし、現在は制度上の類型だけを覚えるより、実際に検討している施設がどのようなサービスを提供しているかを確認することが大切です。
特にケアハウスでは、一般的な軽費老人ホームとして生活支援を中心に提供する施設だけでなく、特定施設入居者生活介護の指定を受け、介護サービスを提供している施設もあります。
費用だけで施設を選ばない
養護老人ホームや軽費老人ホームを知ると、費用面に目が向きやすいかもしれません。
しかし、老人ホーム選びでは「安く入れるか」だけで判断しないことが大切です。
本人に必要な介護や医療、認知症への対応、今後の介護度の変化などによって、必要な施設は変わります。
例えば、現在は比較的自立していても、将来介護が必要になったときにどのような支援を受けられるのかによって、その後の生活は大きく変わります。
- 特別養護老人ホーム:長期的な生活と介護
- 介護老人保健施設:在宅復帰・在宅生活の支援
- 介護医療院:長期療養に必要な医療・介護と生活
- 養護老人ホーム:環境上・経済的理由から自宅生活が難しい高齢者への支援
- 軽費老人ホーム・ケアハウス:低額な料金で生活支援を受けられる高齢者向け施設
「どの施設が一番いいか」ではなく、「本人が何に困っているか」に合わせて選ぶことが基本です。
施設選びや費用についてはこちらも参考にしてください。
>>「老人ホームの入居条件とは?入れる人・入れない人を解説」
有料老人ホームは3つの類型を知っておこう
何が違うの?
同じ有料老人ホームでも、仕組みはかなり違うよ。
有料老人ホームは、介護サービスの提供方法などによって「介護付き」「住宅型」「健康型」に分けられます。
特に施設探しでよく比較されるのが、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームです。
| 種類 | 主な特徴 | 介護が必要な場合 |
|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 特定施設入居者生活介護の指定を受けている | 特定施設として介護サービスを利用する |
| 住宅型有料老人ホーム | 生活支援などを受けながら暮らす | 訪問介護などの介護サービスを個別に利用する |
| 健康型有料老人ホーム | 主に自立した高齢者向け | 介護が必要になった場合は契約解除・退去となる |
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームです。
入居者は、施設で作成される特定施設サービス計画に基づき、食事・入浴・排せつなどの日常生活上の介護や機能訓練などを受けます。
一般的な介護付き有料老人ホームでは、ホームの職員が介護サービスを提供します。
一方、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護では、ホームが安否確認や計画作成などを行い、介護サービスは委託先の事業所が提供します。
ただし、同じ介護付き有料老人ホームでも、入居条件、看護職員の配置、医療対応、認知症への対応、看取り方針などは施設によって異なります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、生活支援などを受けながら暮らし、介護が必要になった場合は訪問介護などの外部サービスを利用する有料老人ホームです。
施設そのものから介護保険の施設サービスを一括して受ける介護付き有料老人ホームとは、介護保険サービスの仕組みが異なります。
必要に応じて、
- 訪問介護
- 訪問看護
- 通所介護
- 福祉用具貸与
などを個別に利用します。
住宅型有料老人ホームの中には、訪問介護事業所や訪問看護事業所などを併設しているところもあります。
そのため、一見すると介護付き有料老人ホームと同じように見えることがあります。
介護付きと住宅型の違いはこちらで詳しく解説しています。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、主に自立した高齢者を対象とする有料老人ホームです。
食事などのサービスを受けながら生活しますが、介護が必要になった場合には契約を解除し、退去することが前提となっています。
そのため、将来の介護まで同じ場所で受けながら暮らしたい方とは、目的が合わない可能性があります。
- 介護サービスを誰が提供するのか
- 現在の介護度で入居できるか
- 介護度が重くなっても住み続けられるか
- 医療や認知症にどこまで対応できるか
- 看取りまで相談できるか
サービス付き高齢者向け住宅は「介護施設」とは限らない
必ず付いているサービスと、住宅ごとに違うサービスを分けて考えよう。
サービス付き高齢者向け住宅は、一定の基準を満たして登録された高齢者向けの住宅です。
一般に「サ高住」と呼ばれています。
登録基準には、居室の広さやバリアフリー構造などのほか、サービスに関する基準もあります。
すべての入居者に提供することが求められているのが、
- 状況把握(安否確認)
- 生活相談
です。
一方、食事、介護、医療との連携、生活支援などについては、住宅によって提供内容が異なります。
そのため、
「サ高住だから介護職員が24時間介護してくれる」
と一律に考えることはできません。
訪問介護などの外部サービスを利用する一般的なサ高住もあれば、特定施設入居者生活介護の指定を受けているサ高住もあります。
施設を検討するときは、
- 夜間の職員体制
- 介護サービスの利用方法
- 訪問看護の利用
- 認知症への対応
- 介護度が重くなった場合の対応
- 退去条件
などを確認しておきましょう。
サ高住・住宅型・介護付きの違いはこちらで比較しています。
グループホームは認知症のある方が少人数で暮らす場所
でも認知症なら誰でも入れるわけではなく、介護度や住所などの条件があるんだ。
グループホームの介護保険制度上の名称は「認知症対応型共同生活介護」です。
認知症のある方が、家庭的な環境のなかで少人数の共同生活を送りながら、食事・入浴などの日常生活上の支援や機能訓練を受けます。
1つの共同生活住居(ユニット)で暮らす人数は、5人~9人です。
- 認知症であること
- 要支援2または要介護1~5であること
- 共同生活を送ることに大きな支障がないこと
- 原則として施設がある市区町村の住民であること
要支援1では、グループホームを利用できません。
また、グループホームは地域密着型サービスなので、原則としてその事業所がある市区町村の住民が利用します。
私はグループホームで約6年間勤務し、そのうち約3年間は計画作成担当者として認知症のある方の生活支援に携わりました。
そこで感じたのは、施設の種類だけでなく、その人がどのような環境なら落ち着いて生活できるかを見ることの大切さです。
少人数で人との関わりがある暮らしが合う方もいれば、一人で過ごせる時間や空間を多く必要とする方もいます。
グループホームと有料老人ホームの違いはこちらで詳しく解説しています。
シニア向け分譲マンションは介護施設ではない
介護施設とは分けて考えた方がいいね。
シニア向け分譲マンションは、高齢者が暮らしやすい設備やサービスなどを備えた民間の分譲住宅です。
老人ホームや介護保険施設ではありません。
物件を購入して生活し、介護が必要になった場合には、一般の自宅と同じように訪問介護や訪問看護などの外部サービスを利用します。
物件によっては、レストラン、フロントサービス、大浴場、見守りなどの設備・サービスを備えていることがあります。
ただし、提供されるサービスは物件ごとに異なります。
住所地特例は施設の種類だけで決めつけない
介護施設や高齢者向け住宅を市区町村をまたいで探すときに、知っておきたい制度の一つが住所地特例です。
住所地特例とは、対象となる施設などへ入居するために住所を移した場合でも、原則として入居前の市区町村が引き続き介護保険の保険者となる仕組みです。
施設がある自治体へ介護保険の負担が集中することを防ぐために設けられています。
ただし、高齢者向けの住まいなら何でも住所地特例になるわけではありません。
住所地特例の対象になるか分からない場合は、施設名だけで判断せず、入居前の市区町村や施設へ確認してください。
介護施設を選ぶときは「今」だけで決めない
今困っていることと、これから起こりそうなことを整理すると候補が見えてくるよ。
老人ホーム選びでは、現在の介護度だけでなく、これから必要になる可能性がある支援まで考えることが大切です。
例えば現在は要支援で身の回りのことができていても、数年後には介護量が増える可能性があります。
認知症が進行することもあれば、病気によって医療的な支援が必要になることもあります。
- 本人は今、何に困っているか
- どの程度の介護が必要か
- 認知症への支援が必要か
- 持病や必要な医療処置はあるか
- 毎月いくらまでなら支払いを続けられるか
- 介護度が上がっても住み続けられるか
- 最期まで同じ施設で暮らすことを希望するか
そして、施設のパンフレットに書いてある「医療対応可」「認知症対応可」「看取り対応」という言葉だけで判断しないことも重要です。
同じ「対応可」でも、実際に対応できる範囲は施設によって違います。
施設へ本人の状態を具体的に伝え、その人を実際に受け入れられるのかを確認しましょう。
施設選びで迷ったときはこちらも参考にしてください。
介護施設の種類についてよくある質問
日常会話では似た意味で使われることがありますが、法律上の正式な分類ではありません。
介護保険施設、有料老人ホーム、老人福祉施設、サービス付き高齢者向け住宅など、それぞれ制度上の位置付けが異なります。
施設を選ぶ際は「老人ホーム」という名称だけでなく、正式な施設類型を確認しましょう。
特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどは、長期的な生活の場として検討されることが多い施設です。
一方、介護老人保健施設は在宅復帰・在宅生活の支援が大きな目的です。
ただし、長期的な生活を想定する施設でも、医療面や本人の状態などによって継続入居が難しくなる場合があります。
サ高住によって介護サービスの提供体制が異なるため、一律には言えません。
サ高住で必ず提供されるのは、状況把握(安否確認)と生活相談サービスです。
介護サービスを外部事業所から利用する住宅もあれば、特定施設入居者生活介護の指定を受けている住宅もあります。
介護が必要になった場合のサービス利用方法や退去条件を確認してください。
認知症があるという理由だけでグループホームが最適とは限りません。
グループホームは少人数の共同生活による認知症ケアを特徴としますが、医療処置、身体状況、共同生活との相性なども考える必要があります。
介護付き有料老人ホームなど他の施設も含めて比較しましょう。
介護度だけで決めるのはおすすめできません。
認知症、医療面、本人の性格、生活歴、家族との距離、費用、将来の状態変化なども施設選びに関係します。
介護度は施設を絞る一つの条件として考えましょう。
担当ケアマネジャー、地域包括支援センター、施設の相談員などへ相談できます。
民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などを探す場合は、老人ホーム紹介サービスを利用する方法もあります。
最初から施設名を決めるのではなく、本人の状態や希望、予算を整理して相談すると候補を絞りやすくなります。
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この記事では、厚生労働省・国土交通省などの公的情報をもとに、介護施設や高齢者向け住まいの制度を確認しています。
まとめ|介護施設は「種類」より本人に必要な支援から選ぼう
介護施設や高齢者向け住まいには、多くの種類があります。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなど、名前だけを見るととても複雑です。
しかし、一つずつ整理すると大きな違いは、
- 何のために利用する場所なのか
- 誰が利用できるのか
- 介護をどのような仕組みで受けるのか
- 医療や認知症にどこまで対応できるのか
- 長く暮らすことを想定した場所なのか
という点です。
そして、同じ種類の施設でもサービス内容や受け入れ条件は同じではありません。
「特養だから安心」「介護付きだから何でも対応できる」「認知症だからグループホーム」と施設名だけで判断するのではなく、本人の状態を具体的に施設へ伝えて確認してください。
私は介護職、グループホームの計画作成担当者、施設ケアマネジャー、老人ホーム入居相談員など、さまざまな立場から介護施設に関わってきました。
立場が変わるたびに感じたのは、「どの種類の施設が一番いいか」ではなく、「この人にはどんな生活が合うか」を考えることの大切さです。
まずは本人が今困っていることを整理し、そこから必要な介護・医療・生活環境を考えていきましょう。
老人ホーム探しをこれから始める方はこちらも参考にしてください。
>>「老人ホーム探しはどこに相談する?無料相談できる窓口を解説」
よっしーからひとこと
施設の種類を全部覚える必要はありません。
私自身、施設を探しているご家族には、施設名から考えるよりも「今何に困っていて、これからどんな生活をしてほしいのか」から考えることが大切だと感じています。
分からない施設名が出てきたら、その都度調べれば大丈夫です。
まずは本人に必要な支援を整理するところから始めてみてください。
【監修・執筆】よっしー
介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。
介護現場・ケアマネ業務・老人ホーム相談の実務経験をもとに、制度だけでは見えにくい介護のリアルを、本人や家族の目線に立って分かりやすく発信しています。


