老人ホームを断られる理由とは?入居できない7つのケースと対処法をケアマネが解説
老人ホームを探していて、施設から「今回は入居が難しいです」と言われたら、不安になりますよね。
家族としては、
ほかの老人ホームにも入れないの?
認知症があるから断られた?
医療行為が必要だと入居できない?
また別の施設を探しても断られる?
と心配になると思います。
しかし、最初に知っておいてほしいのは、一つの老人ホームに断られたからといって、すべての老人ホームに入居できないわけではないということです。
老人ホームは、施設の種類だけでなく、職員配置、看護体制、医療機関との連携、居室の空き状況、対応できる介護などがそれぞれ異なります。
そのため、同じ本人の状態でも、施設Aでは受け入れが難しく、施設Bでは相談できるということがあります。
私はケアマネや老人ホーム入居相談員として施設探しに関わる中で、最初に相談した施設では難しいと言われても、条件を整理して別の施設を探すことで入居につながったケースを経験してきました。
大切なのは、断られたことだけを見るのではなく、「なぜ難しかったのか」を確認して次の施設探しにつなげることです。
この記事では、老人ホームへの入居を断られる主な理由と、断られた場合の対処法、次の施設を探すときのポイントまで実務経験をもとに解説します。
- 老人ホームに断られる主な理由
- 医療対応で断られるケース
- 認知症がある場合の考え方
- 入居条件を満たさない場合の対応
- 断られた理由別の施設の探し方
- 断られたあとにすること
老人ホームに断られても「どこにも入れない」とは限らない
老人ホームから入居を断られても、「老人ホームそのものに入れない」と判断する必要はありません。
老人ホームと一口にいっても、施設によって受け入れ体制は異なります。
| 確認項目 | 施設で違うこと |
|---|---|
| 介護 | 対応できる介助・状態 |
| 看護 | 看護職員の配置・対応時間等 |
| 医療 | 医療機関との連携・対応範囲 |
| 認知症 | 本人の状態への対応可否 |
| 入居条件 | 要介護度・年齢など |
| 空室 | 受け入れ可能な居室の有無 |
たとえば、医療的な対応が必要な方の場合。
ある施設では必要な対応が難しくても、看護体制や医療機関との連携体制が異なる別の施設なら相談できる場合があります。
認知症についても同じです。
「認知症だから一律に入居できない」ということではなく、本人にどのような症状や生活上の課題があり、その施設で安全に生活を支援できるかが重要になります。
「入居審査」は本人と施設が合うか確認するためのもの
老人ホームでは、申し込めば必ずそのまま入居できるとは限りません。
施設によって方法は異なりますが、入居前に本人の身体状態、認知症、必要な介護、医療的な対応などを確認することがあります。
これは単に「入れる・入れない」を決めるだけではありません。
入居後に、その施設で本人の生活を支えられるかを確認する意味もあります。
- 本人の要介護度
- 歩行・食事・排泄などの状態
- 認知症の症状や生活状況
- 必要な医療・服薬
- 施設で必要になる支援
- 本人・家族の希望
ここで重要なのは、本人の状態をできるだけ正確に伝えることです。
「断られたくないから」と認知症の症状や必要な医療、介護量などを軽く伝えてしまうと、入居後に施設側が想定していた状態とのズレが生じる可能性があります。
老人ホームへの入居を断られる主な7つの理由
老人ホームへの入居が難しくなる理由は、大きく分けると本人側の状態・施設側の受け入れ体制・契約や条件に関するものがあります。
この記事では、主な理由を次の7つに整理します。
- 必要な医療対応が施設の体制を超えている
- 認知症の症状への対応が難しい
- 施設の入居条件を満たしていない
- 本人に合う居室・空室がない
- 共同生活を安全に続けることが難しい
- 費用の支払いに不安がある
- 身元保証・緊急連絡先などの条件を満たせない
この7つは、どれかに当てはまれば必ず断られるという意味ではありません。
むしろ重要なのは、「何が理由だったかによって次に探す施設が変わる」ことです。
まずは、特に相談の多い「医療対応」「認知症」「入居条件」から詳しく見ていきましょう。
① 必要な医療対応が施設の体制を超えている
本人に必要な医療的な対応を施設の体制では安全に提供することが難しい場合、入居を断られることがあります。
老人ホームによって、看護職員の配置や対応時間、協力医療機関との連携、対応できる医療的ケアなどは異なります。
そのため、
- 現在どのような医療が必要か
- 処置はいつ・何回必要か
- 夜間にも対応が必要か
- 定期的な通院が必要か
- 状態悪化時にどのような対応が必要か
などを具体的に確認して施設へ伝える必要があります。
ここで注意したいのが、医療行為の名称だけで受け入れ可否を判断しないことです。
たとえば同じ医療的な対応でも、本人の状態や必要な頻度、時間帯などによって施設側の判断が変わる場合があります。
医療対応で断られたら「必要な条件」を整理する
医療対応を理由に断られた場合、同じ条件の施設へ次々問い合わせても、同じ結果になる可能性があります。
そこで先に、本人に必要な条件を整理します。
- 現在必要な医療・処置を確認する
- 対応が必要な時間帯や頻度を確認する
- 施設から断られた具体的な理由を聞く
- その条件に対応できる施設を探す
病院に入院している場合は、医師・看護師・医療ソーシャルワーカーなどから現在の状態について情報を得ながら探す方法もあります。
② 認知症の症状への対応が難しい
認知症があることだけを理由に、すべての老人ホームへ入居できなくなるわけではありません。
重要なのは、認知症の診断名だけではなく、現在どのような症状や生活上の困りごとがあるかです。
たとえば、
- 外へ出ようとすることがある
- 昼夜逆転が強くなっている
- 介護を強く拒否することがある
- ほかの入居者とのトラブルにつながる行動がある
- 本人や周囲の安全確保が難しい場面がある
など、具体的な状況によって必要な支援は変わります。
また、同じ方でも環境や関わり方によって状態が変わることがあります。
そのため、施設を探すときには「認知症あり」だけで終わらせず、普段の生活や困っている場面まで伝えることが大切です。
認知症でも入居できる老人ホームについてはこちら。
→「認知症でも老人ホームに入れる?入居できる施設の種類や選び方を解説」
③ 施設の入居条件を満たしていない
本人の介護状態に問題がなくても、その施設が定める入居条件を満たしていなければ入居できない場合があります。
特に、老人ホームや介護施設はすべて同じ条件で入居できるわけではありません。
| 施設 | 確認したい条件 |
|---|---|
| 特養 | 原則要介護3以上 |
| グループホーム | 認知症・要支援2以上・地域要件等 |
| 介護付き有料 | 施設ごとの入居条件 |
| 住宅型有料 | 施設ごとの入居条件 |
| サ高住 | 登録基準に加え各住宅の契約条件等 |
たとえば特別養護老人ホーム(特養)は、新規入所について原則要介護3以上が対象です。
ただし、要介護1・2でも、やむを得ない事情によって居宅での日常生活が困難な場合には特例入所の対象となる可能性があります。
また、有料老人ホームなどは施設ごとに入居条件が設定されています。
年齢、要介護度、本人の状態などについて、資料や重要事項説明書、施設への問い合わせで確認しましょう。
老人ホームの種類による違いはこちら。
→「老人ホームの種類と違いを徹底解説|特徴・費用・選び方を比較」
「条件に合わない」と「本人に問題がある」は別
入居条件を理由に断られると、家族は「うちの親だから断られた」と感じてしまうことがあります。
しかし、単純に施設類型や契約上の条件と本人の状態が合っていなかっただけの場合もあります。
現場あるある|施設によって返事が違うことはある
老人ホーム入居相談員として施設探しをしていると、同じ本人の情報を伝えても、施設によって返事が違うことがありました。
一つ目では「現在の状態では難しいです」と言われても、別の施設へ相談すると、詳しく状態を確認したうえで検討してもらえることがあります。
これは、どちらかの施設が良い・悪いという話ではありません。
施設ごとに人員体制や設備、医療・介護の対応範囲などが異なるからです。
④ 本人に合う居室・空室がない
本人の状態に問題がなくても、希望する施設に受け入れ可能な空室がなければ、すぐに入居できないことがあります。
「満室です」と言われた場合は、本人そのものを理由に断られたわけではありません。
また、単純に一部屋空いていれば必ず入居できるとも限りません。
施設によっては、本人の介護状態や性別、必要な設備などによって案内できる居室が限られる場合もあります。
- 現在入居できる居室があるか
- 本人の状態で利用できる居室か
- 待機できるか
- 今後の空室予定があるか
- 系列施設などに空室がないか
第一希望の施設が満室でも、その施設だけに絞る必要はありません。
入居を急いでいない場合は待機しながらほかの施設を見学する方法もありますし、退院期限などがある場合は別の候補を並行して探した方がいいこともあります。
老人ホームの空室を探す方法はこちらで詳しく解説しています。
→「老人ホームの空き状況はどう調べる?空室を探す方法を解説」
⑤ 共同生活を安全に続けることが難しい
本人やほかの入居者の安全を施設で確保することが難しいと判断された場合、受け入れが難しくなることがあります。
老人ホームでは、多くの入居者が同じ建物の中で生活します。
そのため、本人に必要な支援だけでなく、施設の環境や職員体制の中で共同生活を支えられるかも確認されることがあります。
たとえば、
- ほかの入居者とのトラブルが頻繁に起きる
- 本人や周囲に危険が及ぶ行動がある
- 介護への強い拒否が続いている
- 施設の環境では安全確保が難しい
- 現在の職員体制では必要な支援を行うことが難しい
など、具体的な状況を確認したうえで判断されることがあります。
ただし、ここでも「この行動がある人は老人ホームに入れない」と一律に考えないことが大切です。
同じように見える行動でも、その原因や頻度、起こる場面は人によって違います。
認知症、不安、痛み、環境の変化、本人への関わり方などが影響していることもあります。
断られたら「どんな場面が難しいのか」を確認する
共同生活を理由に断られた場合も、具体的な理由を確認します。
たとえば、
夜間の対応が難しいのか
少人数なら対応できるのか
現在の症状が落ち着けば再検討できるのか
別の施設形態なら対応できる可能性があるのか
などを整理すると、次に探す施設の条件が見えやすくなります。
⑥ 費用の支払いに不安がある
民間の有料老人ホームなどでは、入居後も継続して費用を支払えるかを確認されることがあります。
老人ホームの費用は、入居時だけではありません。
施設によって異なりますが、月額利用料のほかに介護保険の自己負担、医療費、薬代、日用品費などが必要になることがあります。
そのため、施設を選ぶときは「今払えるか」だけでなく、「この先も払い続けられるか」という視点が重要です。
- 本人の年金収入
- 預貯金などの資産
- 毎月の施設利用料
- 介護保険の自己負担
- 医療費・薬代
- 日用品などの追加費用
特に注意したいのは、パンフレットなどに掲載されている月額費用だけで予算を決めてしまうことです。
表示されている金額に何が含まれているのかは、施設ごとに確認する必要があります。
予算が合わないなら「施設探しの条件」を変える
希望した老人ホームと予算が合わない場合でも、老人ホーム探しそのものを諦める必要はありません。
まずは本人の収入や資産から、無理なく支払える予算を整理します。
そのうえで、
- 施設の種類を変える
- 探す地域を広げる
- 居室や設備の希望条件を見直す
- 公的な施設も選択肢に入れる
- 利用できる負担軽減制度を確認する
など、条件を見直して探します。
特に「駅から近い」「新築」「個室が広い」などの希望条件は、本人にとって本当に必要なのかを一度整理してみましょう。
老人ホームの費用についてはこちら。
→「老人ホームの費用はいくら?月額・入居一時金・追加費用をわかりやすく解説」
費用を払い続けられるか不安な場合はこちらも確認してください。
→「老人ホームの費用が払えないとどうなる?対処法をケアマネが解説」
⑦ 身元保証・緊急連絡先などの条件を満たせない
施設によっては、契約時に身元引受人や緊急連絡先などについて確認されることがあります。
家族や親族がいない、親族はいるものの遠方に住んでいる、関係が途絶えているなど、事情は人それぞれです。
ここで注意したいのは、「保証人がいない=老人ホームには絶対に入れない」ではないことです。
施設の種類や契約内容によって対応は異なります。
- 緊急時の連絡
- 入院時などの対応
- 費用支払いに関すること
- 本人の生活に必要な連絡
- 退去・死亡時の対応
大切なのは、単に「保証人がいますか?」だけで終わらせず、施設がその人に何の役割を求めているのかを確認することです。
身寄りがない場合もまず相談する
頼れる家族や親族がいない場合でも、最初から施設探しを諦めないでください。
本人の状況によって利用できる制度や支援が異なるため、まず相談先につなげることが重要です。
- 担当ケアマネ
- 地域包括支援センター
- 市区町村の相談窓口
- 入院中なら病院の相談員
- 希望する老人ホーム
民間の身元保証等のサービスを検討する場合には、契約内容や料金、どこまで対応してもらえるのかを十分に確認することも大切です。
老人ホームの保証人についてはこちらで詳しく解説しています。
断られた理由によって次に探す老人ホームは変わる
老人ホームに断られたら、同じ条件で手当たり次第に施設へ問い合わせるのではなく、断られた理由に合わせて次の探し方を変えましょう。
ここまで紹介した7つの理由を整理すると、次のようになります。
| 断られた理由 | 次に確認すること |
|---|---|
| 医療 | 必要な医療に対応できる体制 |
| 認知症 | 症状・生活状況への対応 |
| 入居条件 | 本人に合う施設の種類 |
| 空室 | 別施設・待機・空室予定 |
| 共同生活 | 難しい場面と必要な支援 |
| 費用 | 予算と優先条件の見直し |
| 身元保証 | 求められる役割と代替方法 |
つまり、施設から断られたこと自体が「施設探しの失敗」ではありません。
断られた理由が分かれば、本人に必要な施設の条件が一つ明確になったとも考えられます。
理由を聞けるなら具体的に確認しておく
施設から入居が難しいと言われた場合は、可能な範囲で理由を確認しておきましょう。
確認するときは、責任を追及するように聞く必要はありません。
次の施設を探すために、
- 何が受け入れ困難だったのか
- 医療・介護のどの部分が難しいのか
- 状態が変われば再検討できるのか
- 別の施設形態なら可能性があるのか
などを聞いておくと役立ちます。
現場あるある|条件を一つ変えたら候補が増えることもある
施設探しでは、希望条件をすべて満たそうとすると候補がほとんど見つからないことがあります。
たとえば、
自宅から車で15分以内
月額予算○万円以内
医療対応が必要
個室希望
すぐ入居したい
など、条件が重なるほど候補は絞られます。
そこで、本人の安全や必要な医療など外せない条件は残しながら、それ以外の条件を少し広げる方法があります。
老人ホームに断られたらどうする?5つのステップ
老人ホームに断られたときは、焦って同じ条件の施設へ次々問い合わせるのではなく、断られた理由を整理してから探し直すことが大切です。
基本的には、次の順番で考えてみましょう。
- 断られた理由を確認する
- 本人の状態を整理する
- 外せない条件を決める
- 条件に合う施設を探し直す
- 必要なら専門職へ相談する
STEP1|断られた理由を確認する
最初にすることは、「なぜ入居が難しかったのか」を確認することです。
同じ「入居できません」という結果でも、理由によって次の行動は変わります。
| 主な理由 | 次に考えること |
|---|---|
| 医療 | 必要な医療に対応できる施設 |
| 認知症 | 本人の状態に対応できる施設 |
| 入居条件 | 別の施設種類を検討 |
| 空室 | 待機・別施設を並行して探す |
| 共同生活 | 難しい場面と必要な支援を整理 |
| 費用 | 予算・希望条件を見直す |
| 身元保証 | 必要な役割・対応方法を確認 |
施設側から詳しい理由を聞ける場合は、できるだけ具体的に確認しておきましょう。
たとえば「医療対応が難しい」と言われたなら、どの医療対応が、どの時間帯に難しいのかまで分かると次の施設を探しやすくなります。
STEP2|本人の状態を整理する
次に、施設へ伝える本人の情報を整理します。
老人ホーム探しでは、要介護度だけ分かれば十分というわけではありません。
- 年齢・要介護度
- 歩行・移動の状態
- 食事・排泄・入浴などの介助量
- 認知症の状態
- 必要な医療・服薬
- 現在困っていること
- 本人・家族の希望
特に認知症や医療については、単に「あり・なし」ではなく具体的に伝えることが重要です。
たとえば、
認知症があります
ではなく、
普段は穏やかですが、夕方になると不安が強くなり、帰宅しようとすることがあります
というように伝えた方が、施設側も実際の生活をイメージしやすくなります。
STEP3|外せない条件を決める
本人の状態が整理できたら、施設選びで絶対に外せない条件を決めます。
希望条件をすべて満たす施設が見つかるとは限りません。
そこで、条件を「必須」と「希望」に分けます。
| 優先度 | 例 |
|---|---|
| 必須 | 必要な医療に対応できる |
| 必須 | 予算内で長く支払える |
| 必須 | 本人の介護状態に対応できる |
| 希望 | 自宅から近い |
| 希望 | 居室が広い |
| 希望 | 新しい建物 |
もちろん、何を必須条件にするかは本人・家族によって違います。
重要なのは、本人の安全や必要な介護・医療を優先しながら、それ以外の条件を調整できるか考えることです。
STEP4|条件に合う施設を探し直す
断られた理由と必要条件が整理できたら、その条件に合う施設を探し直します。
ここで重要なのは、単純に「別の老人ホーム」を探すのではなく、最初の施設で難しかった条件に対応できる施設を探すことです。
たとえば、
- 医療対応が理由 → 看護・医療体制を確認する
- 認知症が理由 → 本人の状態への対応可否を確認する
- 入居条件が理由 → 施設の種類を見直す
- 満室が理由 → エリアを広げて空室を探す
- 費用が理由 → 予算に合う施設へ条件を調整する
候補が見つかったら、一つだけに絞らず、可能であれば複数の施設を比較しましょう。
施設選びでは、受け入れてもらえることだけでなく、入居後に本人が安心して暮らせるかまで確認する必要があります。
良い老人ホームを見分けるポイントはこちら。
→「良い老人ホームの特徴7選|施設選びで見るべきポイントを解説」
見学時に注意したいサインはこちら。
→「こんな老人ホームは要注意?見学で確認したいポイントを解説」
STEP5|必要なら専門職へ相談する
自分たちだけで次の施設を探すことが難しい場合は、専門職へ相談しましょう。
特に、医療・認知症・退院期限・経済的な問題など複数の条件が重なっている場合は、家族だけで候補を探すのが難しいことがあります。
- 担当ケアマネ
- 地域包括支援センター
- 市区町村の相談窓口
- 病院の医療ソーシャルワーカー等
- 老人ホーム紹介センター
- 候補となる老人ホーム
誰へ相談するかは、現在の状況によって変わります。
| 状況 | 相談先の例 |
|---|---|
| 在宅介護中 | 担当ケアマネなど |
| 相談先が分からない | 地域包括支援センター等 |
| 入院中 | 病院の相談員等 |
| 具体的に施設を探したい | 各施設・紹介センター等 |
老人ホーム紹介センターについてはこちら。
→「老人ホーム紹介センターとは?無料の理由とメリット・デメリットを解説」
老人ホームに断られたらケアマネは施設を探してくれる?
担当ケアマネがいる場合は、老人ホームへの入居を検討していることや、一度施設から断られたことを相談してみましょう。
ケアマネは本人の介護状態や在宅生活の状況を把握しているため、今後の生活を考えるうえで相談相手になります。
ただし、民間老人ホームを家族に代わって何件も探すことまで、すべてのケアマネが同じように行うとは限りません。
地域や事業所、本人の状況などによって対応は異なります。
ケアマネに相談できることについてはこちらで詳しく解説しています。
→「ケアマネジャーは何をしてくれる人?相談できること・できないことを経験者が解説」
断られたあとに焦って契約しないことも大切
一度入居を断られると、次に受け入れてくれる施設が見つかったときに「ここしかない」と感じてしまうことがあります。
特に退院期限が迫っている場合などは、家族も焦ります。
しかし、可能な範囲で契約内容や施設の対応範囲を確認してから判断しましょう。
- 本人に必要な介護へ対応できるか
- 必要な医療へどこまで対応できるか
- 毎月の総額はいくらになりそうか
- 状態が変わった場合の対応はどうなるか
- 退去となる条件は何か
- 追加費用には何があるか
契約前に確認したいポイントはこちら。
→「老人ホーム契約前のチェックポイント|重要事項説明書で確認することを解説」
現場あるある|「断られた理由」が次の施設を見つけるヒントになる
老人ホーム入居相談員として施設探しに関わっていると、一つ目の施設で入居が難しいと言われるケースはありました。
そのとき、ご家族はどうしても「うちの親は施設に入れないんでしょうか」と不安になります。
でも、理由を確認すると、
夜間の医療対応が難しかった
希望した施設の入居条件に合わなかった
本人に合う居室が空いていなかった
予算と施設費用が合わなかった
など、その施設との条件が合わなかったことが分かる場合があります。
老人ホームに断られたときによくある質問
いいえ。一つの施設から断られたからといって、すべての老人ホームに入居できないとは限りません。
施設によって入居条件や介護・看護・医療体制などが異なります。
まず断られた理由を確認し、その条件に対応できる施設を探してみましょう。
認知症があることだけで、すべての老人ホームに入居できなくなるわけではありません。
本人の症状や生活状況、必要な支援と施設の受け入れ体制などによって判断は異なります。
「認知症あり」だけではなく、普段の様子や困っている場面を具体的に伝えて相談しましょう。
一律には判断できません。
必要な医療の内容や頻度、時間帯、本人の状態、施設の看護・医療体制などによって受け入れ可否は異なります。
希望する施設へ現在の状態を具体的に伝えて確認してください。
保証人がいないという理由だけで、すべての施設に入れないとは限りません。
施設の種類や契約内容によって対応が異なるため、施設が身元引受人等にどのような役割を求めているのか確認しましょう。
身寄りがない場合などは、担当ケアマネや地域包括支援センター、市区町村などへ相談する方法もあります。
待機できるか、今後の空室予定があるかを施設へ確認してみましょう。
入居を急いでいる場合は、一つの施設だけを待つのではなく、条件の近い別施設も並行して探す方法があります。
施設の判断や状況によりますが、次の施設探しの参考にしたいことを伝え、可能な範囲で理由を確認してみましょう。
特に医療・認知症・入居条件など、どの部分が難しかったのか分かると次の候補を探しやすくなります。
担当ケアマネがいる場合は、まず現在の状況を相談してみましょう。
そのほか、地域包括支援センター、市区町村、入院中であれば病院の相談員なども相談先になります。
具体的な民間施設を探す場合には、老人ホーム紹介センターなどを利用する方法もあります。
まとめ|断られた理由を次の施設探しに活かそう
この記事は、介護業界18年/介護福祉士/ケアマネジャー/施設ケアマネ経験/老人ホーム入居相談員としての経験をもとに執筆しています。
老人ホームから入居を断られると、家族は「もう入れる施設がないのでは?」と不安になると思います。
しかし、一つの施設で入居が難しかったからといって、すべての老人ホームに入れないとは限りません。
今回紹介した主な理由は、次の7つです。
- 必要な医療対応が施設の体制を超えている
- 認知症の症状への対応が難しい
- 施設の入居条件を満たしていない
- 本人に合う居室・空室がない
- 共同生活を安全に続けることが難しい
- 費用の支払いに不安がある
- 身元保証・緊急連絡先などの条件を満たせない
大切なのは、「断られた」という結果だけで施設探しを止めないことです。
まず理由を確認します。
次に本人の状態を整理します。
そして、本人に必要な条件に対応できる施設へ探し方を変えます。
「この人は老人ホームに入れない」ではなく、「この施設とは条件が合わなかった可能性がある」と考える。
それだけでも次の選択肢が見えやすくなります。
一方で、本人の状態によっては施設だけでなく、医療機関や別の生活場所、在宅サービスなども含めた検討が必要になることがあります。
家族だけで判断することが難しいときは、担当ケアマネや地域包括支援センター、病院の相談員などへ相談してください。
老人ホーム入居相談員として施設を探していたとき、一つの施設に断られたあと、別の施設で入居につながるケースを経験してきました。
その経験から感じるのは、施設から断られたことには、次の施設を探すための情報が含まれているということです。
医療なのか。
認知症なのか。
費用なのか。
空室なのか。
理由が分かれば、次はその条件に対応できる施設を探せます。
もちろん、希望条件をすべて叶えることが難しい場合もあります。
そんなときは、本人の安全や必要な介護・医療など絶対に外せない条件を残して、ほかの条件に優先順位をつけてみてください。
「入れる施設」を探すだけではなく、「本人が暮らし続けられる施設」を探す。
それを忘れずに、焦らず次の候補を探していきましょう。
監修・執筆:よっしーと嫁の福祉ラボ編集部(介護福祉士・ケアマネ)


