嫁
親の介護が始まって、通院とか買い物のたびに仕事を休むようになったらどうするの?仕事を辞めるしかなくなるのかな?
よっしー
よっしー
すぐに仕事を辞める必要はないよ。家族だけで全部やろうとしないことが大事。仕事を続けるための制度もあるし、介護サービスを使う方法もあるからね。

親の介護が始まると、

「仕事を休めない。でも親を放っておくわけにもいかない」

という問題が出てくることがあります。

しかも介護は、ある日突然「今日から寝たきりです」と始まるとは限りません。

買い物が少し心配になった。

一人で病院へ行かせるのが不安になった。

ちゃんと食事を取っているのか気になる。

そんな小さな心配が少しずつ増えて、気がつけば仕事を休んだり、休日のたびに親の家へ行ったりするようになることもあります。

私自身、介護業界で18年仕事をしてきましたが、妻の母のことでは「仕事と親の介護」という問題を家族側からも経験しました。

先に結論を言えば、親の介護が必要になったからといって、すぐに仕事を辞める必要はありません。

まずは仕事を続けるための制度を確認し、介護保険サービスなども使いながら、家族だけで抱え込まない方法を考えてみてください。

それでも在宅生活を続けるのが難しくなってきたら、老人ホームへの入居も選択肢のひとつです。

まずは辞めない方法を探す
この記事でわかること
  • 親の介護で仕事を休めないときに、まず考えたいこと
  • 仕事を辞める前に確認したい介護休業・介護休暇
  • 家族の負担を減らす介護保険サービス
  • 親が介護サービスを嫌がるときの考え方
  • 在宅介護から施設入居を考え始める目安
Contents
  1. 親の介護で仕事を休めないのは珍しいことではない
  2. 親の介護を理由に、すぐ仕事を辞めない方がいい
  3. 家族だけで介護しないために、まず介護保険につなげる
  4. 介護サービスを使って家族がやることを減らす
  5. 親が介護サービスを嫌がると、家族だけでは行き詰まることがある
  6. 仕事と在宅介護の両立が難しくなってきたら何を見直す?
  7. 在宅介護が難しくなったら施設入居も選択肢にしていい
  8. 施設入居は「家族が介護をやめること」ではない
  9. 老人ホームを考え始めたら、施設探しまで家族だけで抱えなくていい
  10. 親の介護と仕事についてよくある質問
  11. まとめ|親の介護のために家族の生活を全部犠牲にしなくていい

親の介護で仕事を休めないのは珍しいことではない

「介護」と聞くと、食事や排せつ、入浴などを家族が直接手伝う姿を想像するかもしれません。

でも、家族の負担はそれだけではありません。

  • 病院への付き添い
  • 買い物や食事の心配
  • 薬をきちんと飲めているかの確認
  • 転倒していないかの見守り
  • 介護保険や役所関係の手続き
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)や介護事業所との連絡

こうしたことも、仕事をしている家族にとっては負担になります。

一つひとつなら「これくらいなら」と思うかもしれません。

でも、平日に病院へ連れて行くため仕事を休み、休日には買い物や様子を見るため親の家へ行く。

それが毎週、毎月と続けば話は変わってきます。

「このまま仕事を続けられるのかな」

そう考えるようになっても不思議ではありません。

親がまだ歩ける=家族の負担が軽い、ではない

これは、妻の母のことで私自身も感じたことです。

義母は一人暮らしをしていて、当時は自分で歩いて買い物にも行けていました。

いわゆる「何もできなくなった状態」ではありません。

ただ、家族から見ると心配なことが少しずつ出ていました。

食事をあまり取らない。

お風呂にもあまり入らない。

以前は自転車で買い物へ行っていましたが、帰り道で転倒したことがあり、その後は歩いて買い物へ行くようになりました。

本人としては、

「自分で行けるから大丈夫」

という感覚だったのだと思います。

でも妻からすれば、

「また転んだらどうするんだろう」

という心配が残ります。

買い物代行などを使う方法もありますが、本人は自分で買い物へ行きたい。

病院も、それまでは一人で行けていたとしても、この先ずっと一人で行けるとは限りません。

一つできなくなるたびに家族が代わりをするようになれば、家族の負担は少しずつ増えていきます。

妻も当時、

「このままだと私が訪問介護みたいになっちゃう」

と心配していました。

もちろん、親を手伝うこと自体が悪いわけではありません。

でも、

歩ける=負担が軽いではない

ということは、家族側から考えておきたいところです。

親が歩けるか、食事ができるかだけではなく、支えている家族がその生活を無理なく続けられるのか。

仕事と介護を考えるときは、家族側の状況も一緒に考える必要があります。

介護は小さな負担から始まることも

通院、買い物、見守り、役所の手続き。

一つひとつは小さく見えても、積み重なれば仕事や休日に影響します。

「まだ介護というほどではない」と思う時期から、家族の負担は始まっていることがあります。

親の介護を理由に、すぐ仕事を辞めない方がいい

親のことが心配になると、

「自分が仕事を減らすしかない」

「いっそのこと仕事を辞めた方がいいのでは」

と考えてしまうかもしれません。

でも、その結論を急ぐ必要はありません。

介護はいつまで続くのか、最初の時点では分からないことも多いからです。

仕事を辞めれば介護に使える時間は増えますが、当然、収入にも影響します。

だからこそ最初に考えたいのは、家族の誰か一人が仕事を辞めて介護を背負うことではなく、

「仕事を続けながら介護できる形を作れないか」

ということです。

介護休業や介護休暇など、仕事を続けるための制度がある

働きながら家族を介護する人には、育児・介護休業法に基づく「介護休業」や「介護休暇」など、仕事と介護を両立するための制度があります。

介護休業は、対象となる家族1人につき3回まで、通算93日まで取得できます。

介護休暇は、対象家族が1人の場合は1年間に5日まで、2人以上の場合は1年間に10日まで取得できます。

通院の付き添いや介護サービスに関する手続きなど、必要な場面で利用できる制度です。

参考:厚生労働省「介護休業」

参考:厚生労働省「介護休暇」

また、2025年4月からは育児・介護休業法の改正により、介護離職を防ぐための取り組みも強化されています。

労働者から「家族の介護に直面した」と申し出があった場合、事業主には介護休業などの制度を個別に周知し、利用する意向を確認することなどが義務づけられています。

「親の介護が始まったら仕事を辞める」ではなく、まず利用できる制度を確認してみてください。

参考:厚生労働省「法改正のポイント|介護休業制度」

退職前に制度を確認

介護休業は「93日間、自分で介護するためだけの休み」ではない

ここは特に大事なところです。

介護休業が通算93日まであると聞くと、

「93日間は仕事を休んで、自分が親を介護する制度なのかな」

と思うかもしれません。

でも、休んでいる間だけ家族が頑張っても、仕事へ戻ったあとに同じ問題が起きてしまいます。

介護休業を利用するなら、

  • 親の状態を確認する
  • 介護保険の申請を進める
  • 地域包括支援センターなどへ相談する
  • 必要な介護サービスを検討する
  • 兄弟姉妹で今後の役割を話し合う
  • 仕事へ戻ったあとも続けられる形を作る

といったことにも時間を使いたいところです。

厚生労働省も、仕事と介護を両立するポイントとして、介護保険サービスを利用して「自分で介護をしすぎない」ことや、早めに介護保険を申請すること、ケアマネに相談することなどを案内しています。

参考:厚生労働省「仕事と介護の両立ポイント」

介護休業中に考えたいこと

休業中だけ家族が介護を背負うのではなく、仕事へ戻ったあとも続けられる介護の形を作ることが大切です。

家族だけで介護しないために、まず介護保険につなげる

親の生活に心配が出てきたら、家族だけで何とかしようとする前に、介護保険につなげられないか考えてみましょう。

介護保険サービスを利用する場合は、市区町村への要介護・要支援認定の申請など、必要な手続きを進めていくことになります。

ただ、

「じゃあ親に認定調査を受けてもらえばいい」

と簡単に進むとは限りません。

うちもそうでした。

義母は介護保険そのものに乗り気ではなかった

義母の場合、介護保険制度を利用すること自体を「面倒」と感じていました。

当然、デイサービスにも乗り気ではありません。

家族としては心配だから、何かサービスを使ってほしい。

でも本人からすれば、

「まだ自分でできる」

という気持ちがある。

このズレは結構大きいです。

私も最初から強く口を出していたわけではなく、妻たちが話しているのをそばで聞いていました。

ところが、なかなか話が進まない。

とうとう妻が、

「いい加減にせいや!」

となりまして(笑)。

さすがに私も「こりゃあかん」と思い、

「せめて認定調査だけでも受けましょう」

と義母に話しました。

そこから、ようやく要介護認定の申請へ進むことになります。

介護の仕事をしていると制度の説明はいくらでもできます。

でも、相手が自分の親となると、それだけでは動かないことがあります。

「まだ大丈夫」

「そんなものはいらない」

「面倒だから嫌だ」

本人には本人の気持ちがあります。

だからといって、家族が無理をし続ければいいわけでもありません。

本人と家族では見え方が違う

ここを分けて考えることが、仕事と介護を両立していく最初の一歩だと私は思っています。

認定調査では普段の様子も伝える

義母の認定調査の日は、私も一緒にいました。

その日の義母だけを見れば、結構元気だったんです。

歩けるし、受け答えもできる。

正直、私は横で見ながら、

「これ、要支援にもならないんじゃないか?」

と思ったくらいでした。

でも、家族が普段見ている姿は少し違います。

外を歩くときにはふらつくことがある。

食事もあまり取らない。

お風呂にもあまり入らない。

以前には自転車で買い物へ行った帰りに転倒したこともありました。

そこで私は、調査員さんに義母の普段の様子を書いたメモを渡しました。

内容としては、

  • 本人は基本的に嘘をつくような人ではないこと
  • ただ、プライドがあるので「自分でできる」と答える可能性があること
  • 歩くことはできるものの、屋外ではふらつくことがあること

といったものです。

ここで誤解してほしくないのですが、認定を重くしてもらうために話を盛ったわけではありません。

調査の日だけでは分からない普段の状態を、家族から事実として補足しただけです。

厚生労働省の認定調査員向け資料でも、調査当日に確認した状態と、本人や介護者から聞き取った日頃の状態が違う場合、一定期間のより頻回な状況をもとに判断し、その違いや根拠を特記事項へ記載する考え方が示されています。

参考:厚生労働省「認定調査員テキスト2009改訂版(令和6年4月改訂)」

認定調査で家族から伝えたいこと
  • 普段の生活で困っていること
  • 調査当日には見えなかったこと
  • 本人だけでは伝わりにくい普段の様子

認定調査で何を聞かれるのか、家族が何を伝えればいいのかはこちらで詳しく解説しています。

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認定結果は要支援1。義母も結構落ち込んでいた

そして後日、義母に出た認定結果は「要支援1」でした。

これには義母も結構落ち込んでいました。

それまで本人としては、

「まだ自分は大丈夫」

という気持ちが強かったのだと思います。

介護保険も面倒。

デイサービスも面倒。

そんな義母にとって、要支援1という結果が出たことは、自分にも支援が必要な部分があると考えるきっかけにはなったのだと思います。

ただし、

要支援1だから一人暮らしができない、施設へ入らなければならないという意味ではありません。

大事なのは認定結果の数字だけを見ることではありません。

本人がどんな生活を望んでいるのか。

一人暮らしを続けるうえで何が心配なのか。

そして、その生活を家族が無理なく支え続けられるのか。

そこまで含めて考える必要があります。

要介護度だけで決めない

要支援と要介護の違いや、7段階の目安はこちらで詳しく解説しています。

要支援と要介護の違いとは?7段階の目安・サービスの違いをわかりやすく解説

要支援と要介護の違いと7段階の目安を解説する画像
要支援と要介護の違いとは?7段階の目安・サービスの違いをわかりやすく解説「要支援と要介護って、何が違うの?」 介護保険の認定結果を見て、最初に疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 ...

介護サービスを使って家族がやることを減らす

要介護・要支援認定を受けたら、次に考えたいのは、

「家族が何をしてあげるか」

だけではありません。

「家族がやらなくても済むことは何か」

も考えてみてください。

ここは、仕事と介護を両立するうえでかなり大事だと思っています。

本人の状態や認定区分などによって、訪問系のサービス、通所系のサービス、福祉用具など、利用できる支援は変わります。

だからこそ、

  • 家族が仕事を休んで対応していること
  • 家族以外に任せられそうなこと
  • 本人が自分で続けたいこと
  • 家族が無理なくできること

を整理して、ケアマネや地域包括支援センターなどへ相談してみてください。

家族が全部やる前に整理

「できるか」だけでなく「これを何年も続けられるか」で考えてみると、必要な支援が見えやすくなります。

ケアマネとの面談で何を伝えればいいのか分からない方はこちらも参考にしてください。

ケアマネとの面談で何を話す?家族が伝えておきたいことを経験者が解説

ケアマネとの面談で家族が話しておきたいこと
ケアマネとの面談で何を話す?家族が伝えておきたいことを経験者が解説 ケアマネとの面談を前にすると、 「何を話せばいいんだろう?」 「何か準備しておいたほうがいい?」 「家...

親が介護サービスを嫌がると、家族だけでは行き詰まることがある

制度やサービスがあることは分かった。

でも、実際の介護ではそれだけで解決しないことがあります。

本人が「使いたくない」と言うことがあるからです。

うちの義母もまさにそうでした。

介護保険そのものを面倒に感じていましたし、デイサービスにも乗り気ではありませんでした。

家族からすれば、

「少しサービスを使った方が安心じゃない?」

と思います。

でも本人からすれば、

「まだ自分でできるのに、なんでそんなものを使わなきゃいけないの?」

となる。

どちらの気持ちも分かるんです。

ただ、この状態が長く続くと、その穴を埋めるのは家族になりやすい。

買い物が難しくなれば家族が行く。

通院が難しくなれば家族が付き添う。

一人にしておくのが心配になれば、家族が様子を見に行く。

一つひとつはできても、それが積み重なれば仕事にも影響してきます。

親子だからこそ、きつい言い方になることもある

老人ホームの入居相談に携わっていたとき、今でも覚えている場面があります。

入居前の方を迎えに行ったとき、娘さんがお母さんにかなり強い口調で、

「またそんなわがまま言って!」

と話していました。

その場面だけを見れば、

「そんなに強く言わなくても……」

と思う人もいるかもしれません。

でも私は、その親子がそこに至るまでのすべてを知っているわけではありません。

だから娘さんを責める気にはなれませんでした。

むしろ、

「ここまで来るまでに、相当ストレスがたまっていたんだろうな」

と感じたのを覚えています。

親子は他人ではありません。

遠慮がないぶん、本人も家族も感情がぶつかることがあります。

「今日はデイサービスへ行ってほしい」

「嫌だ」

「病院へ行こう」

「行かない」

「一人で買い物へ行くのは危ないよ」

「大丈夫だから放っておいて」

これが何度も続けば、最初は優しく話していた家族だって疲れます。

誰か一人が我慢し続けなければ成り立たない状態を、そのまま続けるのはしんどいです。

親子だからこそ疲れる

「親がかわいそう」だけで在宅介護を続けるのも違うと思う

これは少し言いにくい話かもしれません。

親が介護サービスを嫌がったり、老人ホームへ入りたくないと言ったりすれば、

「本人が嫌がっているのに、かわいそう」

と思うのは自然なことです。

私も本人の希望を無視していいとは思いません。

でも一方で、家族には家族の生活があります。

仕事があります。

家庭があります。

自分自身の体力や気持ちにも限界があります。

「母がかわいそう」

「父が嫌がっているから」

その気持ちだけで家族が全部を背負い続けて、仕事を辞めたり、親子関係が壊れるほど疲れてしまったりしたら、それで本当に良かったのかという話になります。

介護の仕事を長くしていても、身内のことになると感情は入ります。

むしろ身内だからこそ難しい。

だから私は、

親の希望だけでも、家族の都合だけでも決めない。

その間で、続けられる方法を探すことが大切だと思っています。

家族の生活も大切です

本人の希望を大切にすることと、家族が何でも引き受けることは同じではありません。

介護を続ける人の仕事や生活も含めて、無理のない方法を考えてみてください。

仕事と在宅介護の両立が難しくなってきたら何を見直す?

介護サービスを使っていても、

「これ以上、仕事を休むのは厳しい」

「休日がほとんど親のことで終わってしまう」

という状態になることがあります。

では、どこまで頑張ったら施設を考えるべきなのでしょうか。

これは「要介護3になったら」「一人で歩けなくなったら」のように、要介護度だけで線を引ける話ではありません。

本人の状態だけではなく、支える家族が仕事や自分たちの生活を続けられるのかも一緒に考える必要があります。

家族の負担も判断材料

在宅介護を見直したいサイン

「この状態になったら必ず施設」という基準はありません。

ただ、次のようなことがいくつも重なってきたら、一度これまでの介護のやり方を見直していいと思います。

こんな状態が続いている 考えたいこと
通院のたびに仕事を休んでいる 家族以外に頼める方法がないか
買い物や食事の心配が増えている 利用できる生活支援がないか
一人での外出や転倒が心配 見守りや生活環境を見直せないか
家族が頻繁に行かないと生活が成り立たない 今の在宅生活を続けられるか
本人が必要なサービスを嫌がる 第三者に入ってもらえないか
欠勤・遅刻・早退が増えている 仕事と介護の両立方法を見直す
家族の言い争いが増えている 心身の負担も含めて考える

一つ当てはまったから、すぐ施設という話ではありません。

ただ、

「まだ親は歩けるから」

「要介護度が軽いから」

という理由だけで、家族が無理をしながら在宅介護を続ける必要もありません。

在宅介護が難しくなったら施設入居も選択肢にしていい

老人ホームという話が出ると、

「まだそこまで悪くない」

「施設に入れるのはかわいそう」

と考える家族もいると思います。

もちろん、在宅で無理なく暮らせていて、本人も家族もそれを望んでいるなら、急いで施設を探す必要はありません。

でも、在宅介護を続けるために家族の誰かが仕事を辞めなければならない。

休日のほとんどを介護に使わなければ生活が成り立たない。

そこまで来ているなら、施設も含めて選択肢を広げてみていいと思います。

施設入居も選択肢

うちは三姉妹で施設入居を勧めた

義母の場合、認定調査を受けて要支援1という結果が出ました。

本人は結構落ち込んでいました。

それまで「まだ自分は大丈夫」と思っていたところに、実際に要支援という認定が出たわけですから、本人なりに思うところがあったのだと思います。

そして施設入居については、妻を含めた三姉妹の意見が一致していました。

簡単に言えば、

三姉妹のごり押しです(笑)。

もちろん、本当に無理やり連れて行ったという意味ではありません。

三姉妹から見れば、このまま一人暮らしを続けることへの心配がありました。

義母本人の、

「まだ大丈夫」

という気持ち。

娘たちの、

「この先が心配」

という気持ち。

そこには結構な差があったと思います。

私自身はケアマネの資格を持っていますし、老人ホームの入居相談にも携わってきました。

それでも身内のことになると、

「制度上はこうです」

だけでは決まりません。

最後はやっぱり、本人と家族の生活をどうするかという話になります。

実際に施設を見たことで、義母の反応も変わった

義母の気持ちが変わったきっかけの一つは、施設見学だったと思います。

施設へ行く前は、

「老人ホームに入る」

ということ自体に抵抗があったはずです。

ところが実際に見学してみると、私から見ても、

「あれ?まんざらでもなさそうだな」

という感じでした(笑)。

老人ホームに対して、

「自由がなくなるんじゃないか」

「暗いところなんじゃないか」

「入ったら何もできなくなるんじゃないか」

といったイメージを持っている人はいます。

でも、実際の雰囲気や居室、食堂、職員の様子などは、行ってみないと分かりません。

だから親が施設入居に乗り気ではない場合でも、

「入るかどうか今日決めよう」

ではなく、

「とりあえず一回見てみよう」

くらいから始めてもいいと思います。

見学だけでも大丈夫

施設を見たからといって、その場で入居を決める必要はありません。

本人と家族が「ここで暮らすとしたらどうだろう」と具体的に考える機会にもなります。

要支援1でも入れる老人ホームはある

ここは制度上、少し注意が必要です。

「要支援1だから老人ホームには入れない」

とは限りません。

老人ホームにはさまざまな種類があり、要支援の人を受け入れている施設もあります。

一方で、入居条件は施設ごとに違います。

要支援1なら、どの老人ホームにも入れるという意味ではありません。

本人の状態や希望、施設側の入居条件を確認して探す必要があります。

参考:厚生労働省「特定施設入居者生活介護」

入居条件は施設ごとに違う
条件に合う施設を探してみる

要支援でも入居できる老人ホームはありますが、受け入れ条件は施設によって異なります。

「うちの親でも入れる施設はあるのかな?」と思ったら、地域や希望条件から候補を探してみるのも一つの方法です。

※LIFULL介護のサイトへ移動します。

施設入居は「家族が介護をやめること」ではない

老人ホームへの入居を考え始めると、

「親を施設に入れてしまっていいのかな」

と罪悪感を持つ家族もいます。

私は、施設入居を「家族が介護をやめること」だとは思っていません。

介護のやり方を変えることだと思っています。

在宅では家族が心配していた食事や入浴、日々の見守りなどを、施設の職員に支えてもらう。

家族は毎日の生活を全部背負う立場から、施設と一緒に親の生活を支える立場へ変わります。

入居したからといって、家族の役割がすべてなくなるわけでもありません。

施設との連絡や面会、必要に応じた通院への対応など、家族が関わる場面は残ります。

ただ、毎日の介護から少し距離を取れることで、親子として普通に話せる時間が戻ることだってあります。

介護のやり方を変える

老人ホームへ入居したあと、施設に任せられることと家族が行うことはこちらで詳しくまとめています。

老人ホーム入居後に家族がやることは?施設に任せられること・家族の役割を経験者が解説

老人ホーム入居後に家族がやることと施設に任せられること
老人ホーム入居後に家族がやることは?施設に任せられること・家族の役割を経験者が解説 老人ホームへの入居が決まると、 「これで介護は施設に任せられる」 と、少し肩の荷が下りる家族もいると思います...

施設入居後の通院について気になる方はこちらも参考にしてください。

老人ホームの通院は家族が付き添う?施設対応・費用・行けない場合を経験者が解説

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老人ホームの通院は家族が付き添う?施設対応・費用・行けない場合を経験者が解説 老人ホームに入居すれば、食事や入浴、排泄などの日常生活を施設に任せられる。 そう考えると、病院への通院も当然施設が...

あれから1年半。義母はどうなったか

義母が施設へ入居してから、もう1年半ほど経ちます。

介護保険も面倒。

デイサービスも面倒。

施設入居にも、最初から積極的だったわけではありません。

そんな義母ですが――。

今では、かなり施設内で堂々と暮らしています(笑)。

もちろん、これはあくまでうちの義母の話です。

老人ホームへ入れば、誰でも同じようになるという話ではありません。

でも、

「入居前に嫌がっていたから、入居後もずっと嫌がる」

とも限らない。

これは義母を見ていて実際に感じたことです。

施設へ入る前に本人が想像していた生活と、実際にそこで暮らしてみて感じる生活は違うことがあります。

うちの義母の場合
  • 一人暮らしはできていたものの、食事・入浴・転倒などが心配になった
  • 介護保険やデイサービスには乗り気ではなかった
  • 認定調査を受けて要支援1になった
  • 妻を含めた三姉妹で施設入居を勧めた
  • 施設を見学すると、本人もまんざらでもなさそうだった
  • 入居から約1年半たった今は、施設で自分なりに暮らしている

これは「施設へ入れれば全部解決する」という話ではありません。

私が伝えたいのは、

本人の気持ちも大切。でも、家族の生活も同じように大切。

ということです。

どちらか一方だけが無理をし続ける方法ではなく、その家族が続けられる介護の形を探していいと思います。

老人ホームを考え始めたら、施設探しまで家族だけで抱えなくていい

施設入居を考えることになっても、今度は「施設探し」が始まります。

地域や費用。

入居条件。

医療対応。

空室状況。

施設の雰囲気。

仕事をしながら一件ずつ調べて、問い合わせて、見学の日程まで調整するのは結構大変です。

私自身、義母の施設を探すときには、以前仕事で関わりのあった老人ホーム紹介センターの知人に相談しました。

介護の仕事をしていて、老人ホーム入居相談の経験がある私でも、人の力を借りています。

だから一般の家族が、

「自分たちだけで全部探さなきゃ」

と思う必要はありません。

施設探しも人を頼っていい

ケアマネや地域包括支援センターへ相談する方法もあれば、老人ホーム紹介サービスを利用する方法もあります。

誰かに相談したからといって、そこで紹介された施設に決める必要はありません。

老人ホーム探しをどこに相談すればいいのか分からない方は、相談先ごとの違いをこちらでまとめています。

老人ホーム探しはどこに相談する?無料相談窓口と失敗しない施設の探し方をケアマネが解説

老人ホーム探しの相談先と施設の探し方を解説するイメージ
老人ホーム探しはどこに相談する?無料相談窓口の違いと家族に合う選び方老人ホーム探しはどこに相談すればいい?地域包括支援センターやケアマネ、老人ホーム紹介サービスなど、相談先の違いと施設の探し方を経験者が解説します。...

「まず担当ケアマネに頼んでもいいの?」という方はこちらです。

ケアマネに老人ホーム探しは頼める?紹介サービスとの違い・使い分けを経験者が解説

ケアマネと老人ホーム紹介サービスの違いと使い分けを解説
ケアマネに老人ホーム探しは頼める?紹介サービスとの違い・使い分けを経験者が解説 「そろそろ自宅での介護は限界かもしれない」 「老人ホームを探したいけど、何から始めればいいの?」 そんなとき...
施設探しも抱え込まない
仕事をしながら施設を探すなら

仕事をしながら、一件ずつ老人ホームを調べて問い合わせるのは結構大変です。

LIFULL介護では、地域や希望条件から老人ホームを探して比較できます。

気になる施設が見つかったら、資料を取り寄せて家族で比較してみるところから始めてもいいと思います。

※施設の検索・資料請求ができます。

親の介護と仕事についてよくある質問

親の介護のために仕事を辞めるべきですか?

すぐに退職を決める必要はありません。

まずは勤務先で利用できる介護休業や介護休暇などを確認し、介護保険サービスも使いながら、仕事を続けられる方法がないか考えてみてください。

家族だけでは難しい場合は、ケアマネや地域包括支援センターなどへ相談する方法もあります。

親が介護サービスを嫌がる場合はどうすればいいですか?

家族だけで何度も説得していると、親子ともに疲れてしまうことがあります。

まずは何を嫌がっているのかを確認し、地域包括支援センターやケアマネなど第三者にも相談してみてください。

いきなり多くのサービスを使うのではなく、本人が受け入れやすい支援から考える方法もあります。

要支援1でも老人ホームへ入れますか?

入居できる施設はあります。

ただし、老人ホームの種類や施設ごとに入居条件が違います。要支援1だからすべての老人ホームへ入居できるわけではありません。

本人の状態や希望を伝えたうえで、施設ごとに確認してください。

仕事と介護の両立が難しいときは誰に相談すればいいですか?

介護については、市区町村や地域包括支援センター、担当ケアマネなどが主な相談先です。

仕事上の制度については、勤務先の人事・労務担当などへ確認しましょう。

育児・介護休業法に関する相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)でも受け付けています。

老人ホームに入れたら家族は何もしなくていいですか?

すべてを施設へ任せられるわけではありません。

施設との連絡や契約関係、必要に応じた通院対応など、入居後も家族が関わる場面はあります。

ただ、食事・入浴・日々の見守りなどを施設に支えてもらうことで、在宅介護とは家族の負担の形が変わります。

まとめ|親の介護のために家族の生活を全部犠牲にしなくていい

親の介護が始まると、

「自分がやるしかない」

と思ってしまうことがあります。

でも、家族だけで介護する方法しかないわけではありません。

この記事のまとめ
  • 親の介護が始まっても、すぐ仕事を辞める必要はない
  • 介護休業や介護休暇など、仕事を続けるための制度を確認する
  • 介護保険サービスを使って家族がやることを減らす
  • 本人がサービスを嫌がるときは家族だけで抱え込まない
  • 要介護度だけでなく、家族が支え続けられるかも考える
  • 在宅生活が難しくなったら施設入居も選択肢にする
  • 施設探しそのものも家族だけで抱え込まない

仕事を辞める前に、使える制度があります。

家族以外に頼める介護サービスがあります。

ケアマネや地域包括支援センターなど、相談できる人もいます。

それでも在宅生活を続けるのが難しいなら、老人ホームを考えてもいい。

親の生活はもちろん大切です。

でも、支えている家族の仕事や生活も同じように大切です。

よっしーからひとこと

よっしーからひとこと

私は介護の仕事を長くしてきましたが、身内のこととなればやっぱり別でした。

制度を知っていても、親を説得するのは簡単じゃないし、家族だから感情が勝つこともあります。

「親がかわいそう」と思う気持ちも分かります。

でも、そのために家族が仕事を辞めたり、疲れ切ったりするまで頑張る必要はないと私は思っています。

うちの義母も、最初から施設に入りたがっていたわけではありません。

それでも入居から約1年半。

今ではすっかり施設内で堂々と暮らしています(笑)。

家族だけで背負わず、その家族に合った介護の形を探してみてください。

監修・執筆

【監修・執筆】よっしー

介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。