ケアマネのモニタリングとは?何をする?頻度や訪問で確認することを解説
介護保険サービスを利用していると、担当のケアマネジャーから定期的にモニタリングを受けます。
でも、初めて介護サービスを利用するご本人やご家族からすると、
「毎回何を確認しているの?」
「何を話せばいいの?」
「家の中までチェックされるの?」
と少し身構えてしまうこともあるでしょう。
モニタリングは、利用者さんやご家族を評価するための時間ではありません。
現在の介護サービスが本人の生活に合っているか、体調や生活に変化がないか、家族の介護負担が大きくなっていないかなどを確認し、必要ならケアプランやサービスを見直すための大切な機会です。
そして、ケアマネジャーが確認しているのは、本人から聞いた言葉だけとは限りません。
- ケアマネジャーのモニタリングとは何か
- モニタリングで何を確認しているのか
- ケアマネジャーが訪問する頻度
- モニタリング当日に家族が伝えてほしいこと
- 「本人の言葉」と「普段の様子」が違うときの考え方
私がデイサービスの管理者をしていた頃、担当ケアマネジャーが利用者さんの様子を見に来たことがありました。
その方が楽しそうに体操している姿を見て、ケアマネジャーから「楽しそうにされていますね」と言われました。
確かに、その瞬間だけを見れば楽しそうでした。
でも、普段その方と接していた私たちが聞いていた言葉は、それだけではありませんでした。
この経験は、モニタリングで「その場で見えた姿」だけを確認して終わってはいけない理由として、本文で詳しく紹介します。
ケアマネジャーのモニタリングとは?
モニタリングとは、ケアプランを作成したあと、その実施状況や利用者さんの状態を継続的に確認することです。
厚生労働省の基準でも、ケアマネジャーはケアプラン作成後にその実施状況を把握し、必要に応じてケアプランの変更やサービス事業者との連絡調整などを行うこととされています。
介護サービスは、一度決めた内容をずっと使い続ければよいものではありません。
例えば、
- 最近つまずくことが増えた
- デイサービスへ行くのを嫌がるようになった
- 一人で入浴するのが難しくなってきた
- 家族が介護で疲れてきた
- 本人が今のサービスに不満を感じている
といった変化があれば、今までのケアプランが現在の生活に合わなくなっている可能性があります。
ケアプランについて詳しく知りたい方はこちらで解説しています。
>>「ケアプランとは?作成の流れ・内容・費用をわかりやすく解説」
モニタリングでは何を確認している?
モニタリングで確認する内容は、利用者さんの状態やケアプランによって異なります。
大きく分けると、次のような内容を確認します。
| 確認すること | 例えばこんなこと |
|---|---|
| 本人の体調 | 体調の変化、転倒、通院、食欲など |
| 日常生活 | 歩行、入浴、排せつ、食事、睡眠など |
| 介護サービス | 現在のサービスが本人に合っているか、不満はないか |
| 生活上の困りごと | 以前できていたことが難しくなっていないか |
| 家族の状況 | 介護負担が増えていないか、困っていることはないか |
| 今後の希望 | 続けたい生活やサービスについての希望など |
ここで大切なのは、「大きな変化があったときだけ話せばいい」わけではないということです。
例えば「最近ちょっとつまずくようになった」「デイサービスへ行く朝だけ嫌がる」「夜に何度も起きるようになった」といった小さな変化でも構いません。
その情報から、サービス事業所へ様子を確認したり、福祉用具を検討したり、ケアプランの見直しにつながったりすることがあります。
ケアマネは本人の返事だけを聞いているわけではない
私がケアマネジャーとしてモニタリングをしていたときも、「最近どうですか?」という質問への答えだけで判断しないようにしていました。
本人が「変わりないです」と話していても、実際の生活では変化が起きていることがあります。
例えば、本人や家族との会話だけでなく、
- 以前と比べて動きに変化がないか
- 生活の中に危険になっている場所がないか
- 家族の介護負担が増えていないか
- サービス事業所ではどのように過ごしているのか
- 本人が今の生活をどう感じているのか
など、いくつかの情報を合わせながら考えます。
もちろん、部屋がきれいかどうかを採点するために訪問するわけではありません。
ただ、普段の生活を見せてもらうことで、本人や家族自身が気づいていなかった困りごとが見えてくる場合があります。
そして、本人がケアマネジャーに話していることと、家族やサービス事業所が普段見ている姿が違うこともあります。
では、そんなときケアマネジャーはどちらを信じればいいのでしょうか。
先ほど紹介した、デイサービスで「楽しそうに体操していた利用者さん」の話に戻ってみましょう。
「楽しそうですね」だけでは分からなかった利用者さんの本音
私がデイサービスの管理者をしていた頃、担当ケアマネジャーが利用者さんの様子を見に来たことがありました。
その方が楽しそうに体操している姿を見て、ケアマネジャーから「楽しそうにされていますね」と言われました。
確かに、その瞬間は楽しそうでした。
でも普段接していると、本人から「なんで週に3回も来なきゃいけないの」「なんで私がこんなところにいなきゃいけないの」といった不満を聞くこともありました。
そこで私は、楽しそうに過ごしていることだけではなく、普段こうした言葉も聞いていることをケアマネジャーへ伝えました。
楽しそうに体操している姿も本人。不満を話しているのも本人です。
どちらか一方だけを見て「デイサービスを楽しんでいる」「デイサービスが嫌い」と決めるのではなく、両方を知ったうえで今のサービスが本人に合っているのかを考える必要があります。
介護では、こうしたことが珍しくありません。
その場では楽しそうにしていても、自宅に帰ると「もう行きたくない」と話すことがあります。
逆に、デイサービスへ行く前は「行きたくない」と言っていたのに、行ってみると楽しそうに過ごして帰ってくる方もいます。
だからこそ、モニタリングでは一つの場面だけで本人を判断しないことが大切です。
本人の話だけでなく、ご家族が自宅で見ている様子、サービス事業所での様子などを合わせながら、「今のサービスを続けることが本人の生活に合っているのか」を考えていきます。
モニタリングでは家族も遠慮せず話していい
モニタリングは本人だけではなく、ご家族が困っていることをケアマネジャーへ伝える機会でもあります。
例えば本人からは、
「ちゃんと歩けているよ」
と聞いていても、家族から見ると最近何度もつまずいているかもしれません。
本人は、
「夜もよく眠れている」
と話していても、実際には夜中に何度も起き、そのたびに家族が対応していることもあります。
本人が嘘をついているという話ではありません。
本人が感じている生活と、介護している家族から見えている生活が違うことがあるということです。
| 本人の話 | 家族から見えていること |
|---|---|
| 歩くのは大丈夫 | 最近つまずくことが増えた |
| デイは問題ない | 利用日の朝になると行きたくないと言う |
| 夜は眠れている | 夜中に何度も起きている |
| 一人でできている | 実際には家族がかなり手伝っている |
こうした情報が分かれば、ケアマネジャーも現在のサービスをそのまま続けるのか、サービス事業所へ様子を確認するのか、福祉用具など別の支援を検討するのかを考えやすくなります。
ただし、本人の前では話しにくいこともあるでしょう。
例えば認知症について本人が気にしていたり、家族の介護負担について本人の前では話しづらかったりすることもあります。
その場合は、モニタリングの場ですべて話そうとせず、事前や訪問後に電話などでケアマネジャーへ相談する方法もあります。
ケアマネジャーにどこまで相談していいのか迷っている方はこちらも参考にしてください。
>>「ケアマネジャーは何をしてくれる人?相談できること・できないことを解説」
ケアマネジャーのモニタリングは毎月?
要介護1~5の方が利用する居宅介護支援では、特段の事情がない限り、ケアマネジャーは少なくとも1か月に1回、利用者本人と面接し、少なくとも1か月に1回モニタリング結果を記録します。
面接は、原則として利用者さんの自宅を訪問して行います。
ただし現在は、一定の要件を満たした場合、テレビ電話装置などを活用したモニタリングも認められています。
| 居宅介護支援のモニタリング | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 本人との面接 | 少なくとも月1回 |
| モニタリング結果の記録 | 少なくとも月1回 |
| 面接方法 | 原則として自宅を訪問 |
| テレビ電話等を利用する場合 | 一定の要件を満たす必要があり、少なくとも2か月に1回は自宅を訪問 |
テレビ電話等によるモニタリングは、単に「ケアマネジャーが忙しいから今月はオンラインで」と自由に変更できる仕組みではありません。
利用者さんから文書による同意を得ることに加え、利用者さんの心身の状態が安定していること、テレビ電話等で意思疎通ができること、オンラインでは把握できない情報をサービス事業所などから得られることについて、サービス担当者会議等で関係者の合意を得る必要があります。
要支援1・2はモニタリングのルールが違う
要支援1・2の方が利用する介護予防支援では、居宅介護支援とはモニタリングの基準が異なります。
少なくともサービス提供開始月の翌月から起算して3か月に1回、利用者本人と面接することが基本です。
面接は原則として自宅を訪問して行いますが、こちらも一定の要件を満たした場合にはテレビ電話装置等を活用できる仕組みがあります。
また、サービスの評価期間が終了する月や、利用者さんの状態に著しい変化があった場合などには、自宅を訪問して面接します。
自宅を訪問しない月についても、可能な限りサービス事業所などで本人と面接し、それが難しい場合には電話等で連絡することとされています。
モニタリング当日に特別な準備はいらない
モニタリングのために、特別な準備をする必要はありません。
もちろん普通に片付けることが悪いわけではありませんが、ケアマネジャーに良く見せるために生活の様子を隠す必要もありません。
例えば、
- 歩く場所に物が増えてきた
- ベッドから立ち上がるのが大変になった
- 薬の管理がうまくできなくなってきた
- 家族が毎日かなり手伝っている
といったことも、今後の支援を考える材料になることがあります。
普段の生活を知ることも、ケアマネジャーが支援を考えるうえでは大切です。
逆に、準備するとしたら掃除よりも、最近気になったことを簡単にメモしておく方が役に立ちます。
- 転倒やつまずきがなかったか
- 食事や睡眠に変化がなかったか
- 病院を受診したり薬が変わったりしていないか
- 介護サービスで困っていることはないか
- 本人が最近よく話している不満や希望はないか
- 家族自身が介護で困っていることはないか
全部を報告する必要はありません。
「そういえば最近ちょっと気になるな」ということが一つあれば、それを話すだけでも十分です。
モニタリングは、ケアマネジャーに生活をチェックされる日ではありません。
今の生活をこのまま続けて大丈夫なのか、一緒に確認する時間だと考えてみてください。
ケアマネジャーのモニタリングでよくある質問
ケアマネジャーに見せるために、無理に部屋を片付ける必要はありません。
モニタリングは、部屋のきれいさを評価するための訪問ではないからです。
ただし、床に物が増えて歩きにくくなっているなど、普段の生活の中に転倒などの危険があれば、今後の支援を考える材料になることがあります。
モニタリングの日だけ生活を取り繕うより、普段困っていることをそのまま伝えてもらった方が、ケアマネジャーも支援を考えやすくなります。
家族が毎回必ず立ち会わなければならないわけではありません。
ただし、ご本人だけでは伝わりにくい生活上の変化や、ご家族自身の介護負担について確認したい場合もあります。
本人の前では話しにくいことがあれば、事前や訪問後に電話などでケアマネジャーへ相談してみましょう。
いいえ。家族から見て気になることがあれば伝えて大丈夫です。
本人は「歩けている」と感じていても、家族から見ると最近つまずく回数が増えていることもあります。
本人の話と家族の話のどちらかが間違っていると決めるのではなく、それぞれから見えている生活をケアマネジャーへ伝えることが大切です。
自宅で本人が話していることも伝えてください。
デイサービスでは楽しそうに過ごしていても、自宅では「行きたくない」と話していることがあります。
逆に、利用前は嫌がっていても、利用中は楽しそうに過ごしている場合もあります。
一つの場面だけで判断せず、本人がそれぞれの場面でどのように過ごしているのかを共有することで、現在のサービスが本人に合っているのかを考える材料になります。
都合が悪い日であれば、まずは担当のケアマネジャーへ連絡して日程を調整しましょう。
モニタリングは、ケアプラン作成後の実施状況や本人の状態を継続的に確認するために必要なものです。
単に「今月は変わりないから必要ない」と自己判断するのではなく、事情がある場合はケアマネジャーへ相談してください。
要介護1~5の方に対する居宅介護支援では、特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回、利用者本人と面接することが基本です。
面接は原則として自宅を訪問して行います。
ただし、利用者本人の文書による同意やサービス担当者会議等での関係者の合意など、一定の要件を満たした場合には、テレビ電話装置等を活用して面接できる仕組みがあります。
その場合でも、居宅介護支援では少なくとも2か月に1回は自宅を訪問して面接します。
要支援1・2の介護予防支援については基準が異なるため、詳しくは担当者へ確認してください。
難しく考える必要はありません。
前回ケアマネジャーと話してから変わったことや、最近少し気になっていることを伝えてみてください。
転倒や通院といった大きな出来事だけでなく、「最近食べる量が減った」「デイへ行く朝だけ嫌がる」「家族が少し疲れてきた」といったことも大切な情報です。
何も変化がなければ、「特に変わりありません」と伝えて大丈夫です。
この記事では、厚生労働省が公表している居宅介護支援・介護予防支援の運営基準などを確認して作成しています。
厚生労働省|指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
まとめ|モニタリングは「チェックされる日」ではなく相談できる時間
ケアマネジャーのモニタリングは、利用者さんやご家族を評価するために行うものではありません。
今のケアプランや介護サービスが本人の生活に合っているのかを確認し、必要な支援につなげるための時間です。
- モニタリングでは本人の状態やサービスの利用状況などを確認する
- 本人の話だけでなく家族から見た生活も大切な情報になる
- 小さな変化やサービスへの不満もケアマネに伝えてよい
- モニタリングのために部屋を完璧に片付ける必要はない
- 要介護の居宅介護支援では少なくとも月1回の面接が基本
特に覚えておいてほしいのは、その場で見えている本人の姿だけが、その人の生活のすべてではないということです。
この記事で紹介したデイサービスの利用者さんも、楽しそうに体操している姿がありながら、普段はサービスへの不満を口にすることがありました。
どちらか一方だけが本当なのではなく、どちらも本人が見せている姿なのかもしれません。
だからこそ、家族が自宅で聞いている言葉や、普段の生活で気づいた変化にも意味があります。
「こんな小さなことまで言わなくていいかな」と遠慮せず、気になったことはモニタリングで担当のケアマネジャーへ伝えてみてください。
よっしーからひとこと
モニタリングをしていると、ご本人から「何も変わりないよ」「大丈夫だよ」と言われることがあります。
もちろん本当に変わりないこともあります。
でも、ご家族やサービス事業所から話を聞くことで、本人との会話だけでは分からなかったことが見えてくることもあります。
モニタリングで大切なのは、ケアマネに良く見せることではありません。
本人も家族も、困っていることがあればそのまま話してください。それが次の支援を考える材料になります。
【監修・執筆】よっしー
介護福祉士/介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護業界18年。介護職として10年以上の現場経験を持ち、施設ケアマネジャーとして約5年勤務。老人ホーム入居相談員として、本人・家族の施設探しや入居相談にも携わる。
介護現場・ケアマネ業務・老人ホーム相談の実務経験をもとに、制度だけでは見えにくい介護のリアルを、本人や家族の目線に立って分かりやすく発信しています。


